悪意の手記 新潮文庫

中村文則

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101289540
ISBN 10 : 4101289549
フォーマット
出版社
発行年月
2013年01月
日本
追加情報
:
190p;16

内容詳細

至に至る病に冒されたものの、奇跡的に一命を取り留めた男。生きる意味を見出せず全ての生を憎悪し、その悪意に飲み込まれ、ついに親友を殺害してしまう。だが人殺しでありながらもそれを苦悩しない人間の屑として生きることを決意する―。人はなぜ人を殺してはいけないのか。罪を犯した人間に再生は許されるのか。若き芥川賞・大江健三郎賞受賞作家が究極のテーマに向き合った問題作。

【著者紹介】
中村文則 : 1977(昭和52)年、愛知県生れ。福島大学卒業。2002(平成14)年、「銃」で新潮新人賞を受賞してデビュー。’04年、「遮光」で野間文芸新人賞、’05年、「土の中の子供」で芥川賞、’10年、『掏摸』で大江健三郎賞を受賞。同作の英語版『The Thief』はウォール・ストリート・ジャーナル紙で「Best Fiction of 2012」の10作品に選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • starbro さん

    中村文則の未読の旧作7連続シリーズ第四弾は「悪意の手記」です。死に至る難病、親友の殺害、無神論等で虚無の世界に引き籠る主人公、中村文則の初期作品はいずれも暗く遣り切れない物語が多いですが、一筋の救いがかすかな未来を期待させます。芥川賞受賞後、書き直していることから、作者の意識に大きな変化があったのかも知れません。

  • absinthe さん

    『善意の手記』。悪一色に染まった話かと思ったら、悪になろう悪になろうと願いながら成れなかった善意の人の話。ほぼ悪で染まりきった暗黒の壁の隙間から、どうしても善意の光が漏れてしまい逆に善意が際立った。なんという善意の人。『罪と罰』が少し頭をよぎったが、あちらはもう少し希望の支えがあった。人の心は幾何学的でも鋭角的でもなくいびつで型にはまらない。悪一色で染め上げようにも塗りムラは出来てしまうものらしい。悪にも善にも成りきれないのが人間だ。

  • zero1 さん

    何故、殺す?殺人者の動揺を描く重さはまさに中村作品。15歳で難病のため死を覚悟した男。彼は悪に染まる。この世は無意味?青い服を着た少年の存在は?非行の原因は寂しさ?【何故、殺してはならないか?】の答え。聖書と神の存在をどう考える?結末は捻っていたが、ご都合主義で残念。間違ってはいけない。この作品は殺人を肯定してない。殺人者の心情を描くことで善と【生きる】人間の本質を表現している。まさしく文学の大テーマ。短いのに考えることが多く読むのに時間がかかった。負は負を呼ぶ。病名は実在のTTPから文庫ではTRPに。

  • 夢追人009 さん

    決して不真面目で書く訳ではないのですが、まさに強運が凶運に結び付いたのだなと思えるのですね。そしてこの一連の偶然の連鎖が不幸を招いてしまいましたね。主人公の意識の流れと親友Kが丁度鉢合わせしてしまったが故に衝動的に一瞬の内に起こってしまった事で普通は殺人などという過激な行為がそんなに容易く行える筈もないですから(Kとその母親にとっても)誠に悪しき運命としか言えませんね。彼の2度目の殺人が不首尾に終わった事は幸運でしたし、残念ながら祥子と幸せに結ばれませんでしたが愛を教わった事は彼の中で大きかったでしょう。

  • パトラッシュ さん

    中村文則版『金閣寺』か。溝口にあたる滝川の重病による入院が吃音で、友人K殺害が金閣放火に相当する。ただ放火と違い犯罪が公にならなかったので、滝川は「一ト仕事を終えて」生きてしまったのだ。生きるため過去を忘れようとしたが、そこで柏木にあたる武彦に出会う。平然と悪をなす男と友になり、その悪に鶴川にあたる祥子は惹かれ、さらにKの母親に人殺し呼ばわりされながら別の殺人事件の被害者の母の復讐を手伝う羽目になる。入院中に青い服の少年が「みんな呪い殺してやる」と叫んだほど憎悪に染まらなかった男の「世界の悪意の手記」だ。

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中村文則

1977年愛知県生まれ。福島大学卒業。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞、05年『土の中の子供』で芥川賞、10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞。『掏摸』の英訳が米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」で2012年の年間ベスト10小説に選ばれる。14年、米国のD

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