なぜ、植物図鑑か 中平卓馬映像論集 ちくま学芸文庫

中平卓馬

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480091109
ISBN 10 : 4480091106
フォーマット
出版社
発行年月
2007年10月
日本
追加情報
:
15cm,308p

内容詳細

写真にとって表現とは何か、記録とは何か。1960年代後半から70年代にかけて、ラディカルな思考と実践を貫きながら激動の時代を駆け抜けた写真家が、自身の作品と方法の徹底的な総括を通して、来るべき時代の表現を模索する写真+映像論集。写真は「事物が事物であることを明確化することだけで成立する」ものでなければならないとし、“ブレ・ボケ”との訣別を宣言する表題作「なぜ、植物図鑑か」ほか、メディア社会における“芸術と政治”への先験的考察は、今も伝説的に語り継がれる。原著刊行から30年余を経て待望の文庫化。

目次 : 第1章 たえざる視覚の収奪(記録という幻影―ドキュメントからモニュメントへ/ グラフィズム幻想論/ 現代芸術の疲弊―第七回パリ青年ビエンナーレに参加して ほか)/ 第2章 日付、場所、行為(カメラはペシミズムを背負って―1967.6 ミケランジェロ・アントニオーニ監督『欲望』/ 素朴な記録への回帰を―1968.6D・D.ダンカン撮影のヴェトナム戦争報道写真/ 美学の崩壊―1968.7 写真一〇〇年 日本人による写真表現の歴史展 ほか)/ 第3章 今日、見るとはなにか(何をいまさらジャズなのか―場論序説/ アフリカから帰る/ 舞台の上、スクリーンの上の裸の直接性を ほか)

【著者紹介】
中平卓馬 : 1938年、東京生まれ。写真家。東京外国語大学スペイン科卒業。1968年、多木浩二らと写真同人誌『プロヴォーグ』創刊。1977年、深刻な病に倒れるが再起し、記憶や言語に障害を残しつつ写真家としての活動を継続する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • しゅん さん

    未だ名高い写真家、70年代初頭の言葉。それまでの自らの手法であったブレやボケを人間中心主義の「主観的なポエジー」として否定し、徹底的に事物の表層だけを写すことーー「図鑑」の意味することはおよそそのような意味である。その主張や蓮實重彦や平田オリザにも通じており、ある種反近代の典型例であるとも言える。ベンヤミンやマルクス主義への依拠の強さも手垢に塗れている感は拭えない。今考えるべきはむしろ筆者が展開しきっていない「植物」の方、生臭い動物でも完全な無機物でもない中間的な存在への言及ではないか。芸術の植物化。

  • tyfk さん

    《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》をみて、ん?ゴダール?な写真あったけど、なるほど「2章 日付、場所、行為」に1970年のゴダール体験が書かれてた。

  • Happy Like a Honeybee さん

    中平卓馬氏が病に伏す事がなければ、日本の写真文化を大きく変化していただろう。 特筆すべきは伝説と言える、PROVOKEでの活動。諸外国からも評価が高いのは、60年代後半のラジカルな雰囲気を捉えているからだ。 1968年当時のパリ五月革命の空気を察知し、ゴダールや共産主義などを交え、時代の息吹を感じさせてくれる内容である。 中平氏が主張する写真芸術は、現代ではどれだけ進歩したのか。

  • TOMYTOMY さん

    表題の論が見事。 アナーキストにして、批評家的アーティストの中平卓馬。 やっと読めたという感じで、必読の一冊。 彼は思考し続け変容していく。アレ、ブレ、ボケに収まらない。彼を自分に写真を繋ぎ続ける。

  • 鉄路のほとり さん

    作家は「作意」から自由になれない。適切な例とはいえないかもしれないが、あのベッヒャー夫妻の作品群すら、作意がありありと見える。そんな中で、中平の写真はモノを通して表現の彼岸に往ってしまった。特に記憶喪失後の、縦長カラーの作品群は、見返すほどにじわじわ染み込んでくる。「植物図鑑」という比喩は、作家自身の言葉にも関わらず、的を射ているようで射ていない気がする。清水穣氏が言う「視線を返さない対象」とか、国木田独歩の「忘れえぬ人々」とか、そういうもののような。彼の写真は、彼自身の言葉すら凌駕した世界に行った。

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人物・団体紹介

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中平卓馬

1938年東京・原宿に生まれる。1963年東京外国語大学スペイン科卒業。現代評論社「現代の眼」編集部に勤務(65年退職)。1968年多木浩二、高梨豊、岡田隆彦と写真同人誌「プロヴォーク」創刊(2号より森山大道が参加、70年解散)。1969年第6回パリ青年ビエンナーレに出品。第13回日本写真批評家協会

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