基本情報
内容詳細
写真にとって表現とは何か、記録とは何か。1960年代後半から70年代にかけて、ラディカルな思考と実践を貫きながら激動の時代を駆け抜けた写真家が、自身の作品と方法の徹底的な総括を通して、来るべき時代の表現を模索する写真+映像論集。写真は「事物が事物であることを明確化することだけで成立する」ものでなければならないとし、“ブレ・ボケ”との訣別を宣言する表題作「なぜ、植物図鑑か」ほか、メディア社会における“芸術と政治”への先験的考察は、今も伝説的に語り継がれる。原著刊行から30年余を経て待望の文庫化。
目次 : 第1章 たえざる視覚の収奪(記録という幻影―ドキュメントからモニュメントへ/ グラフィズム幻想論/ 現代芸術の疲弊―第七回パリ青年ビエンナーレに参加して ほか)/ 第2章 日付、場所、行為(カメラはペシミズムを背負って―1967.6 ミケランジェロ・アントニオーニ監督『欲望』/ 素朴な記録への回帰を―1968.6D・D.ダンカン撮影のヴェトナム戦争報道写真/ 美学の崩壊―1968.7 写真一〇〇年 日本人による写真表現の歴史展 ほか)/ 第3章 今日、見るとはなにか(何をいまさらジャズなのか―場論序説/ アフリカから帰る/ 舞台の上、スクリーンの上の裸の直接性を ほか)
【著者紹介】
中平卓馬 : 1938年、東京生まれ。写真家。東京外国語大学スペイン科卒業。1968年、多木浩二らと写真同人誌『プロヴォーグ』創刊。1977年、深刻な病に倒れるが再起し、記憶や言語に障害を残しつつ写真家としての活動を継続する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
中平卓馬
1938年東京・原宿に生まれる。1963年東京外国語大学スペイン科卒業。現代評論社「現代の眼」編集部に勤務(65年退職)。1968年多木浩二、高梨豊、岡田隆彦と写真同人誌「プロヴォーク」創刊(2号より森山大道が参加、70年解散)。1969年第6回パリ青年ビエンナーレに出品。第13回日本写真批評家協会
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