ロマン派の音楽家たち 恋と友情と革命の青春譜 ちくま新書

中川右介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480069597
ISBN 10 : 4480069593
フォーマット
出版社
発行年月
2017年04月
日本
追加情報
:
368p;18

内容詳細

メンデルスゾーン(一八〇九年)、ショパン(一八一〇年)、シューマン(一八一〇年)、リスト(一八一一年)、ワーグナー(一八一三年)。国は別々だが、一八一〇年前後に生まれた彼らは、友人として緩やかなサークルをつくり刺激しあいながら、“新しい音楽”を創作した。溢れる才能と情熱を生み出したそのネットワークとはどのようなものだったか。恋愛や交流、時代の波は、大作曲家たちの作品にどのような影響を与えたか。同時代を生きた巨人たちの人生から、十九世紀に花開いたロマン派音楽の深奥に迫る!

目次 : 第1章 ベートーヴェン・チルドレン(〜一八二八年)(ひとつの「出逢い」/ リストが入れなかった音楽院 ほか)/ 第2章 革命と青春の旅立ち(一八二九〜一八三二年)(“田園交響曲”の衝撃/ 蘇った“マタイ受難曲” ほか)/ 第3章 恋の季節(一八三三〜一八三五年)(オペラの現場へ/ リストの「運命の女」 ほか)/ 第4章 青春の決着(一八三六〜一八四一年)(引き裂かれた恋/ 逃げた婚約者を追って ほか)

【著者紹介】
中川右介 : 1960年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。出版社IPCで編集長を務めた後、1993年にアルファベータ社を設立し、代表取締役編集長に(2014年秋まで)。「カメラジャーナル」「クラシックジャーナル」を創刊し、同誌のほかドイツ、アメリカ等の出版社と提携し音楽家や文学者の評伝や写真集などを編集・出版。2007年からクラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲、マンガなどの分野で執筆活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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 これは非常に面白い着眼点で書かれた本で...

投稿日:2021/04/14 (水)

 これは非常に面白い着眼点で書かれた本です。通常、我々が作曲家のエピソードを「点」として把握し、その作曲者の生涯の中でそういった「点」をつなぎ合わせて前後関係を「線」にするのが精いっぱいで、通常の理解はせいぜいそこまでで終わってしまいます。また、他の作曲家や演奏家との交流があるにしても、その「線上」のエピソードの一つに過ぎません。  しかし、この中山右介さんの本は、たくさんの「個別の作曲家の動線」があちこちで交差して「面」を描いていたという視点を提供してくれる点で画期的です。シューマンとメンデルスゾーンの交友は有名だし、シューマンが駆け出しのショパンを「諸君、帽子を取りたまえ。天才だ!」と批評したのも有名ですが、それにとどまらずに、同時期のパリやベルリンやドレスデンに、リストやワーグナーや、はたまたベルリオーズまで登場し、同じ場所にいたりニアミスしていたりと、実にいろいろなことがあったのだということが分かります。確かに1830〜1850年という限られた期間の、ヨーロッパ主要都市の音楽界という狭い社会であれば、そんなことが起こっていても不思議はないことにあらためて気づかされます。  そんな中で相互に触発されながら次々にいろいろな音楽が生み出され、作曲家同士も互いにリスペクトしたり対抗心を持ったりしながらダイナミックに発展していったことを思いつつ、音楽に耳を傾けるのも一興かと思います。

Tan2 さん | 神奈川県 | 不明

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新しい視点の音楽史的読み物です。1810年前...

投稿日:2017/04/13 (木)

新しい視点の音楽史的読み物です。1810年前後に生まれたメンデルスゾーン、ショパン、シューマン、リスト、ワーグナーの5人の作曲家同士のつながりに重点を置き、ベートーヴェン・チルドレンとしてこの5人およびそのまわりの音楽家が「新しい音楽」を創造してきたという視点を提供してもらえました。ぐいぐい引き込まれる魅力的な1冊です。中川右介さんは読者を惹きつける能力を備えた人だと思います。

テリーヌ さん | 兵庫県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Isamash さん

    文筆家・中川右助2017年出版著作。メンデルスゾーン(1809)、ショパン(1810)、シューマン(1810)、リスト(1811)、ワーグナー(1813年)と同時代生まれの音楽家の活動・関係性が記述。想像を超えて欧州全域で国をまたいだ活動がなされていて驚き。ロックミュージシャンの様に、ピアニストは演奏巡業活動をしていた。今から見ると究極のライバルにも思えるリストとショパンが良好の関係性であり意外感。この時代、ウイーンやベルリンではなく既にパリが音楽においても中心都市。彼らの数多い恋愛と曲の関係性も興味大。

  • ovonkovon さん

    1810年前後に誕生したショパン、リスト、シューマン、メンデルスゾーン、ワーグナー(あとベルリオーズ)といったロマン派巨匠たちの30代までの交流や動向を時系列にまとめた内容。トップレベルになると世界が狭くなるのか、あっちで出会い、こっちで共演し、そっちで女を寝取りと、人間関係がやたら絡み合っている。戦前の文豪か。演奏家が演奏し、聴衆に受けないと曲は残らないというのがシビアで面白い。短命なせいか、とにかく早熟なタイプが多いのも印象的。この時期さほど業績がないワーグナーの動向がやたら派手なのも楽しかった。

  • hr さん

    楽しく読了。作曲家には様々なイメージがついて回るし、人によっても随分異なると思うが、僕の中でこの本にそのイメージを覆されなかったのはシューマンくらい。彼以外のベルリオーズ、リスト、メンデルスゾーン、ショパン、ワーグナー、そしてクララ・ヴィークの活動が同時進行で眼前に提示されると、こんなに鮮烈になるとは驚き。特にリストとメンデルスゾーンが面白い。これらの作曲家達が名を残したのは、強く、時には緩く、繋がりあっていたからなのかも知れない。亡くなった後も、知人・友人達が業績を説明・補完してくれただろうから。

  • どら猫さとっち さん

    メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、リスト、ワーグナー。この5人のロマン派を代表する作曲家たちが、どんな青春を恋をして、生きてきたか。彼らが交流し、対立し、すれ違ったかを描く、青春音楽ドラマ。ベートーヴェンに影響を受けながら、自らの音楽を築き上げていく過程も描かれている。恋に、音楽に、彼らは情熱を注ぎ入れた。その音楽は、美しくも切なく、力強い。

  • ナポリノロク さん

    長々と放置していましたが、急に波長が合って後半をここ3日くらいで読み切りました。クララ・シューマンが最近子供向け伝記マンガになってる事を知り、それをきっかけにしてクララを中心に読み進めましたが、親娘の対立や和解がじつにリアルに記述されており興味深く読めました。

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中川右介

作家、編集者。1960年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、「アルファベータ」を設立。2014年まで、代表取締役編集長として雑誌「クラシックジャーナル」ほか、音楽家や文学者の評伝、写真集の編集・出版を手掛ける。一方で作家としても活躍。クラシック音楽のほか、歌舞伎、映画、歌謡曲な

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