晴れた日にかなしみの一つ 双葉文庫

上原隆

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784575714890
ISBN 10 : 4575714895
フォーマット
出版社
発行年月
2021年05月
日本
追加情報
:
290p;15

内容詳細

新婚の息子をひき逃げ事故で亡くした父親、希望退職を迫られた会社員が胸にしのばせるお守り、アルコール依存症の母親を許せなかった息子の後悔、夭折した部下に元上司が送り続けるファクス…あなたの隣にいるかもしれない、“普通の人々”が心の中に持つ特別なドラマ。人は苦難に陥ったとき、何を心の杖として立ち上がるのか。暗闇に希望の灯りがともる瞬間を切り取った珠玉のノンフィクション・コラム。

目次 : セーターに顔埋めて/ 希望退職/ パチンコ/ 声にならない悲鳴/ 「婚活」しても結婚できない/ タクシー会社25時/ ぼくのおじさんはレーニンだった/ わたしに戻っておいで/ 別れ話は公園で/ 葬送の海/ 生きる理由が見当たらない/ ガーナ人労働者/ つらい記憶は心の底に/ 文身/ ずっと母を殺したかった/ 八年目のファクス/ ログハウス/ 最後のひと仕事/ 父と娘/ 「Once Upon a Time」という名のバー

【著者紹介】
上原隆 : 1949年、神奈川県横浜市生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。エッセイスト、コラムニスト。記録映画制作会社勤務のかたわら、雑誌「思想の科学」の編集委員として執筆活動を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • やも さん

    世の中に悲しみが溢れてる。淡々と綴られるノンフィクションコラムが20話。悲しみの中心にいる人が語るかのような体で綴られている。誰かに聞いてもらいたかったんだろうな、話したかったんだろうな、答えは求めてないんだろうな、1人で抱えているのは重かっただろうな…。読み手の私はその圧倒的な悲しみの前では、聞くことしか出来ない。悲しみは環境や状況ではなく、気持ちが孤独なことだと感じる。生きるっていい事ばかりじゃない。孤独の崖っぷちにいる時にはこれを読むのはいいかもしれない。気遣いのない悲しみに孤独が和らぐと思う。★3

  • のんちゃん さん

    生きていく上で困難や挫折に遭遇した時、人はどうやって自分自身を支えるのか、その杖となる物事は何か、を沢山の人にインタビューしたノンフィクション・コラム。以前にも作者の同様のルポを読んだ。その時から一貫して作者は苦境にあった人々の立ち直りや立ち直りかけを描いてきた。作者の目やそこを通した文章は不幸な話でもウエットにならず、その事がかえって事の真実味、忍耐、立ち直りを鮮やかに浮き彫る。忍耐や諦観等決して積極的な感情ではないものも、時として踏ん張り生きていく事には必要なのだと教えられた。さぁ、今日も粛々と。

  • 団塊シニア さん

    ごく普通の人の人生に光をあて渾身の取材と巧みな文章力、登場人物をひとり、ひとり丁寧に描写する作品は今回も期待を裏切らなかった、「生きる理由が見当たらない」「八年目のファックス」「葬送の海」は心に残った。

  • Our Homeisland さん

    良かったです!ぜひ皆さんにも読んで欲しいお勧めです。実は私は著者の上原さんとは知り合いです。上原さんは大変に穏やかで誠実な方です。単行本として出ていたものに、追加、編集、改題しての文庫化されたものです。「その時の彼の心中やいかばかりだったろうか」的な余計なことを一切言っていないところが素晴らしいです。インタビューされた人に起きた出来事ではなく、上原さんが構成して展開する独自の作品にそれぞれがなっているのです。コラムというこのエリアを創出したパイオニアという点が非常に偉大であると思います。

  • ひさしぶり さん

    自分を支える杖かぁ。テレビ画面の他人の人生の一部を眺めるー感覚を捨ててみる。テレビ画面の人物は全員自分と同じ顔をして苦悩している。パチンコ好きの香織の面倒をみる彼の底なし沼状態。社会で生きていく上で学位など役に立たないと知る農学博士の惨めさ。雑巾のように働くガーナ人労働者。辛い幼少期を送ったあらきひかるの話。新婚旅行後に心不全で亡くなった陽子に上司の笹原がfaxを送る。記憶に残る子。 ノンフィクションコラム。

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人物・団体紹介

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上原隆

1949年、神奈川県横浜市生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。エッセイスト、コラムニスト。記録映画制作会社勤務のかたわら、雑誌「思想の科学」の編集委員として執筆活動を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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