忍ぶ川 新潮文庫 改版

三浦哲郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101135014
ISBN 10 : 4101135010
フォーマット
出版社
発行年月
1983年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,334p

内容詳細

兄姉は自殺・失踪し、暗い血の流れに戦きながらも、強いてたくましく生き抜こうとする大学生の“私”が小料理屋につとめる哀しい宿命の娘志乃にめぐり遭い、いたましい過去を労りあって結ばれる純愛の譜『忍ぶ川』。読むたびに心の中を清冽な水が流れるような甘美な流露感をたたえた名作である。他に続編ともいうべき『初夜』『帰郷』『團樂』など6編を収める。

【著者紹介】
三浦哲郎 : 1931‐2010。青森県八戸市生れ。早稲田大学を中退し、郷里で中学教師になるが、1953(昭和28)年早大に再入学。仏文科卒。’55年「十五歳の周囲」で新潮同人雑誌賞、’60年「忍ぶ川」で芥川賞を受賞。『拳銃と十五の短篇』(野間文芸賞)、『少年讃歌』(日本文学大賞)、『白夜を旅する人々』(大佛次郎賞)、『短篇集モザイク』(「じねんじょ」「みのむし」で川端康成文学賞)等、受賞作多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    第44回(1960年)芥川賞。 何度も映像化された作品だが、原作も 清らかな物語である。 忍ぶ川に勤める 志乃という女性の 佇まいがひどく凛として、心に残る。 古いと言えば 古い 男女の情緒が、今読むと 逆に新鮮に感じる、大正時代の私小説だった。

  • ヴェネツィア さん

    第44回(1960年下半期)芥川賞受賞作。この回はなかなかに豊作で、候補作の中には倉橋由美子「夏の終り」や、柴田翔「ロクタル管の話」などもあった。ただし、選考委員のほとんどは本作を推している。作品の文体は私小説風であるが、そのようなタッチを意識して書かれた小説なのだろう。したがって、年代以上に古いタイプの小説という感じを受ける。第44回といえば、安部公房や大江健三郎よりも後なのだから。また、小説全体は、モノトーンに覆われ、ハッピーエンドであるにもかかわらず、ヒロインの志乃には薄倖そうなイメージが付き纏う。

  • kaizen@名古屋de朝活読書会 さん

    ちょうど木場のホテルに泊まった時に拝読。州崎は行かなかったが、門前仲町あたりに、深川と書いた食べ物屋さんが沢山あり、あ、この辺が深川なんだと認識。「忍ぶ川」という川を捜したが見付からず。よく読んでいくと、料亭の名前と知る。射的屋の娘、志乃。浅草「だけど、神谷バーってのはいまでもあるのかな」。ほのぼのとしていると言えば言えなくもない。新婚旅行に実家から少し行ったK温泉に。谷間の村とのことどこだろう。

  • じいじ さん

    芥川受賞作の6短篇集。表題作の【忍ぶ川】は素晴らしい作品です。侘しく切ない話なのに、読み進むにしたがって心安らぐ物語です。料亭「忍ぶ川」で偶然出会った清純な若い二人の恋路を描いた小説。とにかく、三浦さんが描くヒロイン・志乃が魅力に惚れました。性格はもちろん、仕草も話す言葉…すべてに惹かれる女性なんです。朴訥な青年が、志乃に没頭していく過程を鮮やかに描きだした秀作です。『愛しい女』につづく、三浦哲郎の恋愛小説はじれったいですが、どんどん深みにハマっていきそうです。

  • hit4papa さん

    タイトル作を含む連作とその他作品からなる短編集です。「忍ぶ川」は私小説であり、学生結婚をした妻との赤貧生活がつづられます。主人公は、兄姉四人が失踪、自死した家庭の末っ子で、トラウマを抱えているという設定です。女給として働く女子を妻とするものの、モラトリアムな生き方から抜けきれず、食うや食わずの生活。ちゃんとしろよ!と言いたくなる、陰気な物語です。健気な妻の姿はデフォルメされているようで、美談とは捉えられず…。本作の前後、著者の少年時代と続き、結局、読み切ってしまったのは作品の力ゆえではありますか。

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