ヴェレス、エゴン(1885-1974)

ヴェレス、エゴン(1885-1974) レビュー一覧

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商品ユーザーレビュー

8件
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  • 3番は1951年完成の作品ですが作風としてはブルックナ...

    投稿日:2020/06/13

    3番は1951年完成の作品ですが作風としてはブルックナーとマーラーを近代化し亡命地イギリスのヴォーン・ウィリアムズ風味も加えコンパクトにまとめたもので、巧みなオーケストレーションと美しい旋律と和声は第1級の才能を感じさせます。 決然とした力強さに満ちた第1楽章、不安な響きの中からやがて絶望的に甘美なロマンが零れ落ちる第2楽章、才気弾けるスケルツォの第3楽章、凄絶な行進で締めくくるフィナーレは圧倒的です。 1956年完成の5番は調性感は希薄で前衛現代音楽登場直前の終戦直後型近代音楽の一種の典型ですが、全曲を貫く格調高い緊張感はヴェレスの優れた才能を十分に示しているといえましょう。

    Dewurich さん

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  • 最初のレヴューから12年経ちましたが、星五つに変更し...

    投稿日:2020/06/13

    最初のレヴューから12年経ちましたが、星五つに変更します。 第2番の第1楽章第2主題や第3楽章の甘美さは、ブルックナーからマーラーに受け継がれ、マーラ10番のフィナーレで濃縮されて示された「絶望の中から理想の世界を夢想するロマン」が、ヴェレスにおいて更に煮詰まり、しかも同時にまた出涸らしの状態で示されており、滅びゆく世界を如何にも出来ず空の上から傍観するようなこのような美しさはヴェレスにしか存在しないと思われます。マーラーも体験しなかった凄絶なユダヤ人虐殺を逃れたヴェレスでこそかけた音楽かもしれません。 9番は前のレヴューでも書いた通りブルックナとマーラの9番を無調化してより簡潔で短い三楽章制に集約させたような作品で、作曲された1970年代と言う時代を考えれば、新ヴィーン楽派の自由な無調期のような作風は55年ほど時代遅れとだはいえますが、マーラ9番冒頭の長2度下降を短2度下降に変容させブルックナ9番のようにピッチカートを伴って静かに終結させる様は一聴の価値ありです。 1~4番までの世紀末的終末趣味ロマンを乗り越えて、5番以降で決然とした無調世界に乗り出したヴェレスの最後の悟りの境地といえるかもしれません。

    Dewurich さん

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  • ヴェレスの交響曲は全て第二次大戦後に書かれているも...

    投稿日:2015/04/26

    ヴェレスの交響曲は全て第二次大戦後に書かれているものの、1〜4番は後期ロマン派様式の調性音楽で、ブルックナーの厳しさにマーラーの甘美さを加味したような魅力的な作風となっています。但し3番、4番はより近代的な風味が加わり、長さもコンパクトにまとめられています。5番は過渡期、6〜9番は無調で、こちらはヘンツェの若い頃の交響曲に似ているようにも感じます。 7年ほど前にバラ売りの1番と8番、2番と9番の2枚のレヴューを書きましたが、長年聞き込んでみると後期の無調作品にもそれなりの魅力が感じられるようになりました。

    Dewurich さん

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  • 基本的には無調ですが、むせ返るような濃密な音の流れ...

    投稿日:2015/01/04

    基本的には無調ですが、むせ返るような濃密な音の流れの中から時折なんとも甘美なメロディが浮かび上がる。それがエロティック。もっと注目されていい作曲家だろう。このレーベルから交響曲全集や他の作品がリリースされているのは福音だ。

    silver さん

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  • エゴン・ヴェレスはオーストリア生まれの作曲家で、シ...

    投稿日:2009/11/25

    エゴン・ヴェレスはオーストリア生まれの作曲家で、シェーンベルクの弟子でもあり、ウィーン音楽院やウィーン大学での教職と同時に多くの作品を残していますが、ユダヤ人であったためにナチスによるオーストリア併合後はイギリスへと渡り、オックスフォード大学の講師になっています。 この9曲の交響曲は第二次世界大戦後に書かれており、重厚で真摯に訴えかけてくる作風は同じ時期に8曲の交響曲を残したカール・アマデウス・ハルトマンにも通ずるものがあり、ハルトマンと並んで20世紀半ばの重要な交響曲作家と呼んでも差し支えないでしょう。しかし聴いていて驚かされるのは、戦後のイギリスで書かれたとは思えないくらいの”世紀末ウィーン的”な濃密な曲想です。その作風はベルクのように濃厚かつ劇的であり、もしベルクが12音音楽へと進まず、無調様式のままで交響曲を書いていたらこのような曲になっただろうと思わずにはいられません。

    Masahiko さん |30代

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  • 1番はなかなかいい曲だと思う。特にアダージョは聴き...

    投稿日:2008/07/01

    1番はなかなかいい曲だと思う。特にアダージョは聴きものだ。それにしてもヴェレスは3楽章制でフィナーレがアダージョという形がよほど好きなんだなあ。8番とエピローグはヴェレスの後期作品らしい渋い曲。

    Dewurich さん

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  • ヴェレスの交響曲は番号が若いうちは後期ロマン派風、...

    投稿日:2008/05/09

    ヴェレスの交響曲は番号が若いうちは後期ロマン派風、後期のものは無調だが、2番はまだまだ後期ロマン派様式で第3楽章のアダージョはブルックナーやマーラーを思わせるなかなか美しい音楽。後期の交響曲は3楽章制で最終楽章がアダージョというブルックナーの9番風の構成が多いが、ヴェレスにとっても最後の交響曲となった9番はアンダンテ−アレグレット−アダージョというマーラーの9番をも思わせる構成でしかもop.111。残念ながらシェーンベルクやベルクのような天才性は感じられない。録音、演奏がもっとよければもっといい曲に聴こえるかも。

    Dewurich さん

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  • 現代音楽の部類なのでしょうが、退廃的なブルックナー...

    投稿日:2007/10/20

    現代音楽の部類なのでしょうが、退廃的なブルックナーって感じの楽想です(宗教色はゼロですが)。所々にはロマン派的な盛り上げもありますし、この荒んだ現代的ご時世を反映してるかと思えばすんなり受け止められます。

    オランダ船のリゴレット さん

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ありがとうございました

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