ヴィヴァルディ版トゥーランドット!?
中国を舞台に繰り広げられるドラマ『テウッツォーネ』
サヴァール率いる豪華演奏陣による
ヴェルサイユ宮殿内オペラパレスでの復活上演の記録!
ヴィヴァルディ・エディション最新盤は、2011年6月、パリ・ヴェルサイユ宮殿にて行われた「Venise-Vivaldi-Versailles」フェスティヴァルの目玉公演、サヴァール指揮によるヴィヴァルディの『テウッツォーネ』復活上演の録音。充実したアリアが並ぶヴィヴァルディの意欲作ながら、録音に恵まれなかった作品に、豪華演奏陣の極めつけの録音の登場です!
『テウッツォーネ』の物語の舞台は中国、いってみればヴィヴァルディによるトゥーランドット。物語の内容は、恋模様と皇帝の跡継ぎをめぐる問題を軸に、その当事者たちの、裏切り、陰謀などといったものですが、ドラマティックなアリアや充実した器楽パートなど、聴きどころ満載です。
『テウッツォーネ』は、1718年12月26日、マントヴァ総督フィリッペがグアスタッラ妃との結婚を発表した翌日の祝典行事の一環として、アルチドゥカーレ劇場で初演されました。1718年から1720年にかけて、ヴィヴァルディは、破格の条件で(オペラのキャスティングはヴィヴァルディの意のまま、オペラ公演に赤字が出た場合はすべて総督が補填してくれるという夢のような条件)、マントヴァで音楽監督の職を得ていました。マントヴァ時代、ヴィヴァルディは器楽作品を多く書いており、『四季』もちょうどこの時期に書かれたものです。オペラは8つ(うち4つは改訂ですが)を残しています。詩人アポストロ・ゼーノによるこの台本は、ヴィヴァルディが1718年に発表するまでにも幾度かオペラ化されていました。ヴィヴァルディも、他の作曲家による上演をみて、この台本を見出したと考えられています。マルコ・ポーロ以降ますます高まっていた異国趣味の風潮もあって、中国が舞台となっていますが、中国の法や式典行事などの具体的なディテールも取り入れた台本となっています。アリアなど、自作の引用もしていますが、同時に、レチタティーヴォ→ダ・カーポ・アリアという伝統の枠にとらわれないアリアの形式など、新しいスタイルの追求が見られ、また、充実した器楽の書法など、大変な意欲的な作品となっています。
サヴァール率いるル・コンセール・デ・ナシオンの確かな管弦楽、ラ・ヴェネシアーナでも注目度の高いロベルタ・マメリ、さらにバッハ・コレギウム・ジャパンでもお馴染の世界的に活躍する日本人テノール、櫻田亮が出演しているのも注目です。また、タイトルロールを歌うソプラニスタ、パオロ・ロペスは、パレルモ出身で、パレルモ・マッシモ劇場でコーラスとして研鑽を積み、クリスティやビオンディ指揮のオペラで主役を務めるなど注目度急上昇中の実力派。演奏陣、そして資料価値としても大変貴重なヴィヴァルディのオペラ、是非ご堪能下さい!(キングインターナショナル)
【収録情報】
・ヴィヴァルディ:歌劇『テウッツォーネ』全曲
パオロ・ロペス(ソプラニスタ/テウッツォーネ)
ラファエッラ・ミラネジ(メゾ・ソプラノ/ジディアーナ)
デルフィーヌ・ガルー(コントラルト/ゼリンダ)
ロベルタ・マメリ(ソプラノ/チーノ)
フリオ・ザナージ(バリトン/シヴェニオ)
アントニオ・ジョヴァンニーニ(カウンターテノール/エガーロ)
櫻田亮(テノール/トロンコーネ、アルゴンテ)
ル・コンセール・デ・ナシオン
ジョルディ・サヴァール(指揮)
録音時期:2011年6月
録音場所:ヴェルサイユ宮殿内オペラパレス
録音方式:デジタル(ライヴ)
【テウッツォーネ あらすじ】
第1幕
中国の首都。時は定かでない。中国の皇帝トロンコーネは戦に敗れ、後を継ぐのは息子のテウッツォーネだという遺言を遺してこの世を去る。亡きトロンコーネの妻ジディアーナは、実はひそかにテウッツォーネに思いを寄せており、皇帝の死を機に、帝位とテウッツォーネの心を手に入れようとたくらみ、使用人であるチーノとシヴェニオに協力を求める。トロンコーネの葬儀が準備されるなか、テウッツォーネの許嫁でお互いに愛し合っているタタールの妃ゼリンダが宮殿にやってくる。テウッツォーネはゼリンダと、葬儀が終わって自分が王位についたら結婚しようと誓い合う。しかし、葬儀の場で、ジディアーナ一味は、偽造した遺言状を読み上げ、王冠はジディアーナのものとなってしまう
第2幕
テウッツォーネはゼリンダ率いる謀反軍との戦に敗れ、囚われの身となる。裁判で、テウッツォーネは死刑を言い渡される。許嫁であったゼリンダは、ジディアーナに、テウッツォーネはもはや自分のことを愛してはいないと偽りを言い、テウッツォーネを死から救ってほしいと懇願する。ジディアーナはテウッツォーネを呼び出し、もし自分と結婚するならば死刑を取り消すと申し出るが、テウッツォーネはこの申し出を即座に断る。
第3幕
テウッツォーネは、ジディアーナからの再三の申し出を拒絶し、ゼリンダの説得にも応じず、死刑を受け入れる覚悟をする。ジディアーナは自分の手下として働いたチーノとシヴェニオに、よく働いた褒美として、中国の掟(支配者は複数の者との結婚が許されるというもの)に基づいて二人と結婚をすると告げる。この申し出に納得いかないチーノは、テウッツォーネに死刑の最終宣告をするはずの公の場で、ジディアーナのこれまでの陰謀をすべて明らかにする。ジディアーナとその手下一味は捉えられる。最後には王冠はテウッツォーネのものとなり、ゼリンダと結ばれ、幕となる。(キングインターナショナル)
【ヴィヴァルディの手稿譜の歴史】
全27巻の手稿譜は、1745年にはヴェネツィアの元老院議員、ヤコポ・ソランツォ伯爵の書庫にあったことが証明されています。おそらく、伯爵は、ヴィヴァルディの作品を印刷販売する法的権利を有していた弟のフランチェスコ・ヴィヴァルディから楽譜を購入したものと考えられています。ソランツォ伯爵の死にともない、手稿譜全27巻は、ジャコモ・ドゥラッツォ伯爵の手に渡ります。彼は、ヴェネツィアの大運河「カナル・グランデ」に沿った館にその全27巻を死に至るまで保管し、その後、ドゥラッツォ伯爵の甥で、前ジェノヴァ総督でもあるジェローラモが、それをジェノヴァの邸宅に移送、一世紀のあいだ大事に扱われますが、1893年、全27巻はマルチェッロとフラヴィオのドゥラッツォ兄弟に遺贈され、等しく分割されてしまいます。その後マルチェッロは、死に際して、自分の相続した手稿譜を、カザーレ・モンフェラート近郊サン・カルロにあるサレジオ会の学校に寄贈します。
しかし1926年、学校の聖職者は、建物を修理するための資金を得るために手稿譜を売却することを決定、まずトリノ国立図書館にコンタクトをとりますが、断られてしまったため、聖職者は、友人で裕福な銀行家だったロベルト・フォに打診、彼は、息子を追悼する記念図書館のためにこの手稿譜を購入します。 残りの半分は、まだ、ジェノヴァにありましたが、長い交渉の末、ドゥラッツォ一族の相続者が売却に同意したので、二つに分かれていた手稿譜は、再び一つにまとめられることになります。なお、この時(1930年)、資金を提供したのは羊毛商のフィリッポ・ジョルダーノという人物でした。その後、アントニオ・ヴィヴァルディの手稿譜専門図書室が、トリノ国立図書館内にその本拠を移しますが、そこは現在、「マウラ・フォ=レンツォ・ジョルディーナ・コレクション」という名称で知られています。
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