ジネット・ヌヴー・コレクション　1938-1949年録音集(7CD)

ジネット・ヌヴー・コレクション(7CD)

ジネット・ヌヴーのライヴ録音とセッション録音の両方を収めた7枚組セット。シュミット＝イッセルシュテットとのブラームスのヴァイオリン協奏曲は、昔からこの曲最高の演奏のひとつとして名高い存在。全編に激しい気迫がみなぎり、一瞬たりとも気を抜かないヌヴーのアプローチは、まさに凄絶と言ってよいもの。シュミット＝イッセルシュテットも、発足まもない手兵、北ドイツ放送交響楽団を率いて、滅多に聴けない気合の入った音楽を聴かせています。音質もモノラルながら切れ味良好です。
　ブラームスのヴァイオリン協奏曲はほかに、ドブロウェン指揮フィルハーモニア管弦楽団、デゾルミエール指揮フランス国立放送管弦楽団、　ドラティ指揮ハーグ・レジデンティ管弦楽団との録音を収録、計4種類の演奏を聴き較べられます。
　ヌヴーが得意としたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、ロスバウト指揮南西ドイツ放送交響楽団、オッテルロー指揮オランダ放送フィルとの録音の2種類を収録、ショーソンの詩曲も、ミュンシュ指揮ニューヨーク・フィル、、ドブロウェン指揮フィルハーモニア管弦楽団の2種類収録。
　その他、ジュスキント指揮フィルハーモニア管弦楽団との美しいシベリウスのヴァイオリン協奏曲に、ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番、リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ、ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ、そして、ラヴェルのツィガーヌをはじめとする小品の数々を収めています。

【ジネット・ヌヴー】
ジネット・ヌヴー[1919-1949]は、15歳のときに挑戦したヴィエニャフスキ国際コンクールで、ダヴィッド・オイストラフをおさえて優勝し大きな注目を集めたというフランスの天才ヴァイオリニスト。優勝後は、世界的な活躍をすることとなり、各地で絶賛をもって迎えられますが、そうした忙しいツアー生活のさなか、アメリカに向かうために飛行機に乗り込んだヌヴーは、ポルトガルで乗客乗員全員死亡という凄惨な事故に遭遇、30歳の若さで命を落とすことになります。 （HMV）

【VENIAS／ヴェニアス・レーベル】
このレーベルのポリシーは、往年の個性的な演奏を手軽に楽しめるように低価格でボックス化するというもので、音についても、過剰なノイズカットや高域強調をおこなわずに、なるべく本来のサウンドを楽しめるようにするということです。


【収録情報】
Disc1
1.　ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
2.　シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 op.47

　フィルハーモニア管弦楽団
　イザイ・ドブロウェン(指揮:1)
　ワルター・ジュスキント(指揮:2)
　Rec:16-18 August 1946(1), 21 November 1945(2)

Disc2
1.　ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
2.　ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 Op.108

　ジャン=ポール・ヌヴー(ピアノ:2)
　フランス国立放送管弦楽団(1)
　ロジェ・デゾルミエール(指揮:1)
　Rec:25 April 1948(1), 21 September 1949(2)

Disc3
1.　ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
2.　ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
3.　ラヴェル:ツィガーヌ
4.　ショパン/ロディオノフ編:夜想曲第20番ハ短調(遺作)

　北西ドイツ放送交響楽団(1)
　ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮:1)
　ジャン=ポール・ヌヴー(ピアノ:2-4)
　Rec:3 May 1948(1), 18 March 1948(2), 1946(3,4)

Disc4
1.　ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.77
2.　ショーソン:詩曲 Op.25

　ハーグ・レジデンティ管弦楽団(1)
　アンタル・ドラティ(指揮:1)
　ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団(2)
　シャルル・ミュンシュ(指揮:2)
　Rec:10 June 1949(1), 2 January 1949(2)

Disc5
1.　ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
2.　リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18

　オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団(1)
　ヴィレム・ヴァン・オッテルロー(指揮:1)
　グスタフ・ベック(ピアノ:2)
　Rec:1 May 1949(1), July 1939(2)

Disc6
1.　ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
2.　ラヴェル:ツィガーヌ
3.　ショーソン:詩曲 Op.25

　南西ドイツ放送交響楽団(1)
　ハンス・ロスバウト(指揮:1)
　ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団(2)
　シャルル・ミュンシュ(指揮:2)
　フィルハーモニア管弦楽団(3)
　イザイ・ドブロウェン(指揮:3)
　Rec:25 September 1949(1), 2 January 1949(2), 16-18 August 1946(3)

Disc7
1.　ラヴェル:ハバネラ形式による小品
2.　スカルラテスク:バガテル
3.　ファリャ/クライスラー編:歌劇『はかなき人生』〜スペイン舞曲
4.　ディニーク/ハイフェッツ編:ホラ・スタッカート
5.　スーク:4つの小品 Op.17(クアージ・バラータ/アパッショナータ/ウン・ポコ・トリステ/ブルレスカ)
6.　クライスラー:バッハの様式によるグラーヴェ ハ短調
7.　スーク:4つの小品 Op.17より(ウン・ポコ・トリステ/アパッショナータ)
8.　ショパン/ロディオノフ編:夜想曲第20番ハ短調 (遺作)
9.　グルック:『オルフェオとエウリディーチェ』〜メロディー
10.　パラディス/ドゥシキン編:シチリア舞曲
11.　タルティーニ/クライスラー編:コレッリの主題による変奏曲

　ジャン=ポール・ヌヴー(ピアノ:1-5)
　ブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラー(ピアノ:6-10)
　グスタフ・ベック(ピアノ:11)
　Rec:12-14 August 1946(1-4), April/May 1938(5-10), April 1939(11)

　ジネット・ヌヴー(ヴァイオリン)

　録音方式:モノラル
　クラムシェル・ボックス仕様