CD 輸入盤

ワーグナー・アーベント1988 スヴェトラーノフ&ミュンヘン・フィル(2CD)

ワーグナー(1813-1883)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
SSS0090
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

スヴェトラーノフ&ミュンヘン・フィルのワーグナー・アーベント!
1988年12月 ガスタイク・フィルハーモニー、ライヴ!

旧ソ連の巨匠指揮者エフゲニー・スヴェトラーノフが、チェリビダッケが完全統治をなしたミュンヘン・フィルに客演したワーグナー・アーベント・ライヴ。恐らくこれが唯一の共演と思われます。ゆっくり、たっぷりとしたテンポが採用され、ソビエト国立響との演奏で聴かれたバリバリ、ガリガリの雄叫びは陰を潜め、しっとりとした落ち着きと極大な包容力を誇る魅力たっぷりの名演集です。1988年というとチェリビダッケが鍛えに鍛えた全盛期のミュンヘン・フィルです。シルキーで透明な弦楽合奏の美音、マッシヴな金管の咆哮、アンサンブルの精緻は滅多に耳にすることのできない逸品と申せましょう。「ミュンヘン・フィルを隅々まで知る男」許光俊氏、「スヴェトラーノフを味わいつくした男」はやしひろし氏による微細に渡る分析と、丁寧な紹介が嬉しいライナーノートも魅力です。英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付。(東武トレーディング)

【許光俊氏のライナーノートより】
 最初の「マイスタージンガー」第1幕前奏曲はやや雑然としているが、2曲目の第3幕前奏曲以後は、この指揮者とオーケストラが意外なほどに調和しているさまが見て取れる。これは、すでに老いを自覚し、雑念や欲から逃れようとする主人公がもの思いに耽る場面で奏される音楽である。オペラ全体の中でもっとも深みのある音楽のひとつとされているけれど、ここでのスヴェトラーノフのように感情豊かに奏でた例は空前絶後ではないか。おそらく劇場では難しいであろうほどのゆっくりしたテンポで、ひとりの男の胸に去来するもの、すなわち自分は去らねばならないと知った人間の悲しみをじっくりと描き出す。豊満な音色の弦楽器は時にすすり泣くようにも聞こえるし、2分過ぎからなど、まさしく溜め息そのものような音楽だ。ヴァイオリンやフルートのあまりにも澄んだ響きは、さすがにチェリビダッケとともに繰り返しブルックナーを演奏し続けてきた楽団ならではの美しさである。
 続く「ローエングリン」第1幕前奏曲も息をのむような美しさで、陶酔的だ。単に音響的に美しいというだけではない。醜悪なこの世界を逃れて、美しい世界に憧れる強い気持がどうしようもなく切々と示されているのである。私はこの「ローエングリン」第1幕前奏曲ほど、現実の世界に絶望し、別世界を夢想してそれに殉じようとするロマン主義芸術家たちの悲惨と栄光と誇りを表現したものはないと思っているが、スヴェトラーノフが奏でたのはまさしくそのような音楽だ。ついに感極まったように金管楽器群が圧倒的な音響の大伽藍を築きあげるとき、そこに鳴っているのはまさにひとつの精神である。先の曲と同じくこの曲でも、時間が完全に止まっているのではないかという不思議な印象を受ける。

【はやしひろし氏のライナーノートより】
では、この演奏、客演機会が少ない場合のご多分にもれず平凡なものか? それも否である。 この演奏、オケが実に活き活きとしてよく鳴っているのだ。 弦が表情タップリに深々と大きめの呼吸の元で奏でられ、木管がリズミカルに跳ね、金管がスパーンと強く奏される。 この開放的な鳴りの良さはとても魅力的である。
スヴェトラーノフが客演すると共通して「オケの音とスケールが普段より大きくなった」とよく言われる。 N響への客演で実際にそう感じられた方も多いだろう。これは、彼が左手を振り上げそう要求していることもあるが、彼を前にすると、楽団員が無意識のうちに、自身を開放させ、呼吸が大きくなり、結果、強く大きな音が出るようになるらしい。 <中略>スヴェトラーノフとチェリビダッケ支配下のミュンヘン・フィル、そしてワーグナー。いずれの組み合わせも、固定観念では発想しがたく、実現した経緯も半分イベント的な意図だったかもしれない。しかし、その結果、高い次元でスタンダードさと開放的な力強さのバランスが取れた名演が生まれた。 最もドイツ的なオケによる力の漲った鳴りっぷりのいいワーグナーの名演、と言ってもいいかもしれない。 それは、逆にこのコンビだったからこそ誕生し得たものであり、いつもとは異なり、自国の音楽をストレスフリーで楽しんでいる楽員の活き活きとした表情が見えるかのようなワーグナーなのである。

【収録情報】
ワーグナー:
・『ニュルンベルクのマイスタージンガー』〜第1幕、第3幕前奏曲
・『ローエングリン』〜第1幕、第3幕前奏曲
・『タンホイザー』序曲
・『トリスタンとイゾルデ』〜前奏曲と愛の死
・『ジークフリート』〜森の囁き
・ジークフリート牧歌
・『ワルキューレ』第3幕〜ワルキューレの騎行
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
 エフゲニ・スヴェトラーノフ(指揮)

 録音:1988年12月、ガスタイク・フィルハーモニー(デジタル・ライヴ)

総合評価

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私の中でスヴェトラーノフは、ローマ三部作...

投稿日:2016/10/15 (土)

私の中でスヴェトラーノフは、ローマ三部作に代表される爆演と評されるような超強烈かつ奇天烈な演奏のイメージと、チャイコフスキーの全集(特に最後のスタジオ録音)やラフマニノフの全集のような、長い旋律を演歌と見紛うくらいに朗々と歌うロマンティストなイメージがあります。このワーグナーはどちらかというと後者に近いですが、それでも他の演奏よりも平穏で静かな印象です。ソビエト国立響ならもっと強烈な響きがするはずの箇所であってもいたって透明で精妙な音が聴こえてきます。これは当時のミュンヘンフィルの特徴だったのでしょうが、あの一度聴いたら忘れられないような演奏群を期待しているスヴェトラーノフファンからするとあまり好まれない傾向がありそうです。私はといいますと、曲目がワーグナーのエッセンスを凝縮したような内容になっているのと、録音の良さ、演奏自体の完成度の高さからかなりお気に入りの演奏です。他の演奏家を貶めるようなライナーはなかなかに不快。読まなくて結構と思います。

ロールパン さん | 不明 | 不明

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初めは先入観もあって、期待外れと感じまし...

投稿日:2015/12/08 (火)

初めは先入観もあって、期待外れと感じましたが、一年くらい経って、あらためて聴き直してみたら、各曲ごとにしっとりとしたり、ズッシリとしたりと聴き応えがあり、いいんじゃないとお気に入りです。よく聴きます。

Mr.Slim さん | 京都府 | 不明

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スヴェトラーノフのいつもの爆演でもなければ、ミュン...

投稿日:2014/04/01 (火)

スヴェトラーノフのいつもの爆演でもなければ、ミュンヘン・フィルならではの精緻さもない。お互いの持ち味がまるで発揮出来なかった残念至極の演奏だ。 やはり、スヴェトラーノフは手兵ロシア(ソ連)国立響でこそ本領を発揮するものだ。ティンパニの轟音や金管の咆哮は、他のオケでは聴けない。 一方のミュンヘン・フィルは、やはりチェリビダッケが振ってこそ妙味を発揮する。重厚でありながら、音の一つ一つが透けて見えるほどのクリアネスの高さ、なかんずく、最強奏でも耳障りにならない艶やかな質感は、チェリビダッケに鍛え抜かれたゆえに生まれたものなのだ。 そもそもスヴェトラーノフとチェリビダッケとでは、アプローチがまるで違う。 例えば、曲の終結のffの鳴らし方。スヴェトラーノフは、“スヴェトラーノフ・クレッシェンド”と言われるように、終結を引き延ばすだけ引き延ばし、最後の最後にティンパニがトドメの一発を打ち付けるような終わり方を好む。 しかしチェリビダッケは、そうした終わり方を無節操なものとして嫌悪した。彼は最後の一音で、サッと力を抜くのだ。それにより、完全に調和した和音の余韻をホールに充満させるのである。終演後から拍手の間が異様に長く感じられるのは、こうした余韻を殊の外重要視していたからに他ならない。 終わり方が異なれば音の初めも違う。スヴェトラーノフの場合、音の頭に、演歌で言うコブシのようなアクセントがつく。それにより、音楽にうねりが生まれるのだ。殊にチャイコフスキーやラフマニノフなどのお国物となると、如何にも民謡的な、ロシア的な音楽になるのである。 一方のチェリビダッケは、出だしも柔らかい。それは例えばシューマンの4番やR=コルサコフの《シェヘラザード》の冒頭を聴いてもらえれば分かる。鋭角的なアクセントを置かず、ふわりと始めるのがチェリビダッケ流なのである。 チェリビダッケは常々、「始まりの中に終わりがある。終わりの中に始まりがある」と言っていたそうだが、始まりも終わりもこのように違えば、ミュンヘン・フィルの団員も相当戸惑っただろう。現に団員の回想録を読むと、スヴェトラーノフの指揮にかなり不慣れであったことが窺える。 これはスヴェトラーノフの名誉のためにも、そしてミュンヘン・フィルの名誉のためにも、聴かないほうがいいような気がしてならない。 余談だが、解説も、例によって紋切り型の駄文がマイクロ文字で記載されており、これでは収録するだけ野望だ。

遊悠音詩人 さん | 埼玉県 | 不明

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ワーグナー(1813-1883)

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