2つのホルンと管弦楽のための協奏曲/他　ヴァーレンドルフ/ウィリス/モエズス/バイエルン室内フィルハーモニー管弦楽団

モーツァルトよりもモーツァルト風！
ＢＰＯのヴァーレンドルフ／サラ・ウィリスの超絶ホルンで聴くロゼッティ
バボラークの演奏したホルン協奏曲が人気を呼び、ア・ラ・モーツァルト作風の作曲家群の中で最も優れた一人との評価が定着してきたボヘミア出身の作曲家レスレルRoessler, Frantisek Antonin（イタリア風の通称はロゼッティ）（1750-1792）は多数の管楽器のための協奏曲を残しました。
　それらの作品はすべて、当時の管楽器の特性を最大限発揮させたもので、吹奏楽器の妙技が堪能できるものです。さらに、軽妙で典雅な旋律が次々と紡ぎ出され、モーツァルトの中期の作品かと聴きまがうばかりの耳に心地よい佳品です。
　生前の名声はハイドン、モーツァルトを上回る人気作曲家だったというのも肯ける、小粋で洒落た18世紀文化のエッセンスが詰まったとびきり魅力的な協奏曲です。

　今回、マニア好みの渋さと丁寧な仕事で定評のある独ＣＰＯレーベルより、二本のホルンのための協奏曲集が登場します。
　第１ホルンは、ベルリン・フィルのホルン奏者ヴァーレンドルフです。ベルリン・フィルのホルニストの顔として、多くのＣＤやＤＶＤで圧倒的な神業を披露している現在世界最高のホルン奏者の一人です。
　第２ホルンは、人気の美人奏者サラ・ウィリスです。ディヴェルティメント・ベルリンやブラッセナー・ベルリンで活躍し、ベルリン国立歌劇場管では大変な人気者になりました。2001年にベルリン・フィルに入団し、期待を一身に集めている女流ホルン奏者です。このサラ・ウィリスは、低音のエキスパートとして知られ、些かの揺るぎもない安定感の高さは完璧なもので、第２パートを見事にこなし、伸びやかでテクニカルなヴァーレンドルフの妙技をサポートしています。

　世界を代表するホルン奏者二人が共演する贅沢な演奏で、隠れた名協奏曲の真価が明らかになることでしょう。

■レスレル［ロゼッティ］（ca. 1750-1792）
２つのホルンと管弦楽のための協奏曲Murray C56Q/Kaul deest／同Murray C57/Kaul III：53／同Murray B27/Kaul III：51／２つのフルート、２つのホルンと弦楽のための夜想曲Murray B27/Kaul I：58

演奏／クラウス・ヴァーレンドルフ（1stホルン）、サラ・ウィリス（2ndホルン）、ヨハネス・モエズス（指揮）バイエルン室内フィルハーモニー管弦楽団