レコードコレクターズ 2014年 7月号

【特集】 井上陽水『氷の世界』

1973年に発表され日本で史上初のミリオン・セラーLPとなった『氷の世界』。井上陽水というシンガー／ソングライターの人気と評価を決定づけた一枚であり、フォーク〜ロックが台頭してきた時代を象徴するアルバムでもありました。発売から40周年を迎えるこのアルバムのマスター・テープが発見され、未発表ヴァージョンを含むデラックス版がリリースされたこの機会に、今も類まれな歌声と独自のユーモア、そして詩的センスに溢れる楽曲を聞かせるその魅力の原点を検証してみましょう。

■ 全曲を曲順通り再現した＜氷の世界ツアー 2014＞（写真＝有賀幹夫）
■ グラフィック・ステーション──『氷の世界』のオリジナルLP
■ 井上陽水バイオグラフィー〜変名でのデビューから劇的な大ブレイクまで（小川真一）
■ 星勝インタヴュー〜陽水の欠かせないパートナーが語る『氷の世界』制作秘話（北中正和）
■ フォークから一歩進み“海を越えるスケール”を獲得した最高傑作（後藤幸浩）
■ 『氷の世界』全曲ガイド（安田謙一）
■ 参加ミュージシャン解説（立川芳雄）
■ 『氷の世界 40th Anniversary Special Edition CD & DVD』解説（武田昭彦）
■ 井上陽水ディスコグラフィー
　 オリジナル・アルバム（中村よお）
　 シングル（篠原章）
　 重要編集盤／オリジナル・アルバム未収録音源（馬飼野元宏）


【特集】 ディープ・パープル『ライヴ・イン・ジャパン』

1970年代に入ると数々の大物グループが来日し、日本でも“ロック”が定着していきます。そんななか、72年8月に初来日したディープ・パープルは名作『マシン・ヘッド』のリリース後という絶頂期にあり、来日公演を録音した『ライヴ・イン・ジャパン』は日本限定リリースの予定だったものの、その内容の充実ぶりから海外でも “Made In Japan” として発売され大ヒットしました。その初来日全公演をもらさず収録した＜SUPER DELUXE BOX＞と共に、全盛期の彼らの魅力を味わい尽くします。

■ パープル信仰の原点となる歴史的イヴェントを僕は観た（三宅はるお）
■ リアル・タイム派と後追い派の代表が選んだ全3公演のベスト・トラック（対談＝近藤正義×中重雄）
■ 三日間の全公演を完全網羅した＜SUPER DELUXE BOX＞（奥村裕司）


【特集】 ビリー・ジョエル『マター・オブ・トラスト』
■ 新冷戦の転換期に旧ソ連の若者に吹きつけた米国からの“自由の風”（五十嵐正）
■ 初収録音源／映像を大幅に加えた『マター・オブ・トラスト』の決定版（木村ユタカ）
■ 鉄板のベスト盤とカヴァー集でNYの“ピアノ・マン”を捉えなおす（岡田敏一）


【特集】 カルメン・マキ
■ カルメン・マキ インタヴュー〜あらゆるジャンルを呑み込んで常に変化し続けながらも揺るがない“歌の強さ”（小山守）
■ 本人選曲・監修による究極のベスト盤を徹底分析（志田歩）


□ レッド・ツェッペリン
続報! 遂に明かされた＜スーパー・デラックス・エディション＞の全貌
　『レッド・ツェッペリン』（小出斉）
　『レッド・ツェッペリンII』（行川和彦）
　『レッド・ツェッペリンIII』（小山哲人）
□ 藤真利子
インタヴュー〜歌手そして作詞家としても活躍した女優の“狂躁”的80年代（和久井光司）
□ イアン・アンダーソン
ジェスロ・タルの奇才の新作ソロは『ジェラルドの汚れなき世界』の第3弾（松井巧）
□ ハイ・レアリティーズ
シングルでしか聞けない曲を満載し傾向別に編纂した画期的コンピレイション（平野孝則）
□ サルソウル・レコーズ
マニア好みなダンス・ミュージックのお宝アルバムが初CD化多数で復刻に（金子穂積）
□ グレッグ・オールマン
インタヴュー〜サザン・ロックの垣根も世代も超えて盟友が集った『オール･マイ･フレンズ』（若月眞人）
□ サンタナ
ほぼ全編スペイン語で歌った新作〜ラテン･ロックから見るラテン･アメリカ（真保みゆき）
□ ロイ・オービソン
『ミステリー・ガール』25周年記念盤の発売を機に“再評価”をふりかえる（宇田和弘）
□ ザ・サーフコースターズ
サーフ・ミュージックの新境地を開いたエレキ・バンドの20周年記念ベスト盤（犬伏功）
□ ゴールデン・ベスト
美味しいシングルＢ面曲も押さえて進化を続ける人気シリーズの注目５作品（鈴木啓之）
□ ロック・パイロット／ローズマリー
再び注目したい“アフターGS”2大バンドの重要作が復刻（DJフクタケ）
□ 伊福部昭
映画『ゴジラ』の生演奏版上映も含む伊福部昭音楽祭が開催（上原昭一）


REGULAR CONTENTS
◆リイシュー・アルバム・ガイド
国内外でリリースされた幅広いジャンルの旧音源コンピレーションや再発アルバム、映像作品をくわしく紹介。音楽そのものはもちろん、リマスターやパッケージの出来にまでこだわって、豊富な知識をもつ執筆陣が徹底チェックします
＊今月のリリース情報…紙ジャケット、生産限定盤などの予定も可能な限りお伝えします
＊ニュー・アルバム・ピックアップ…ヴェテランの新作から注目の新人まで、編集部が選んだおすすめの新録アルバム
◆インフォ・ステーション……ニュース、書評、コンサート情報など
◆［連載］写真家ゲレッド・マンコウィッツが語る英国ロックの伝説（佐藤信夫）／ビートルズ来日学（宮永正隆）／ブリティッシュ・ロックの肖像（富岡秀次）／ストリング・ゼム・アロング（ジョージ・カックル）／洋楽マン列伝〜山田正則氏（篠崎弘）／大鷹俊一のレコード・コレクター紳士録／続・蒐集奇談（岡田則夫）／ブラウン管の向こうの音楽職人たち〜椙山由美（濱田高志）／ちょっと一服（コモエスタ八重樫）／ウィ・ヒア・ニュー・サウンズ（武田昭彦）／赤岩和美の海外盤DVD&Blu-rayロック映像情報／和久井光司のアナログ奇聴怪会／ジャズ〜ポピュラー・ヴォーカル新作案内（高田敬三）ほか