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レアード・ハント

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022515094
ISBN 10 : 4022515090
フォーマット
出版社
発行年月
2017年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
249p;19

内容詳細

南北戦争がはじまって、インディアナの農場で暮らす主婦コンスタンスは男のふりをして戦争に参加する。訥々とした女語りの雄弁さ、死と痛みに浸された世界、色彩たっぷりの自然描写、静かで容赦ない声。ポール・オースターが絶賛した長篇を柴田元幸の見事な訳でおくる。

【著者紹介】
レアード・ハント : 1968年シンガポール生まれ。作家。デンヴァー大学英文科教授

柴田元幸 : 1954年東京生まれ。アメリカ文学研究者、翻訳家。文芸誌「MONKEY」編集人。東京大学特任教授。著書に『生半可な學者』(講談社エッセイ賞受賞)、『アメリカン・ナルシス』(サントリー学芸賞受賞)など。訳書にトマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』(日本翻訳文化賞受賞)など。2017年、第6回早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    南北戦争を描くのに南軍と北軍の戦いだけですむはずはない。チラと登場した者達の心の一つ一つにも想いを向けさせるコンスタンツの語り。兵士として戦う女の苦しみより、逃げ続ける黒人女の抱える更なる地獄。それぞれが自分の語りたいことを語れば、話の辻褄が合わなくなる。それが人の間に起こる軋轢のもとだろうか。自分のもとから奪われた物を取り返しに荒野へ1人で入っていった女の話は、優しく触った男ことは伊達者アッシュの糧になったかもしれない。マッカーシーの『ブラッド・メリディアン』のように自分の中を侵食されたような読後感。

  • yumiko さん

    奴隷制にリンカーン、南北戦争における知識は悲しいかなそれくらい。国を二分する5年に渡る戦いに、女性もいたとは初めて知った。徐々に焦点がぼやけていくコンスタンスの姿が痛々しくて、読み進めるのが辛かった。このまま動き続けたらあなたはきっと壊れてしまうよ…と何度も声をかけたくなった。題名は造語とのこと。homeという温かな響きにneverが付くことで帯びる絶望感。我が家を遠く離れ戦うということの残酷さを、これ以上に表せる言葉はおそらく他にない。戦いから戻っても、そこはもう同じhomeではありえないだろうから。

  • 南雲吾朗 さん

    なんで今まで積んでおいたのだろう。これほど面白いとは…、もっと早く読めばよかった。南北戦争において史実で実際にあったように、男性に変装し戦争に出かけて行った女性の話。語り手のおおらかな性格のおかげで悲観にくれるような印象は受けないが戦争の悲壮感はじわじわと伝わってくる。戦争に行った者と、残された者とのギャップ。戦後の人の変容や、心と体に負った傷、それらと共に余生を過ごさなくてはならない覚悟。色々なものが感じ取れる。柴田元幸氏の訳も絶妙なので、読み終わるのがもったいないくらいにあっという間に読んでしまった。

  • nobi さん

    南北戦争は19世紀のできごとなのに、素性の知れない志願兵の語る世界に少しづつ入り浸っていってしまう。いくさのなかでひとがいかに感覚をまひしてゆくか、重症を負い疲労困憊したにんげんのたよりなげな思考とゆめとうつつの境がなくなるような身体感覚。それは今世界で起きていることと繋がってくる。敵味方は南軍北軍に限らない。親切にしてくれた人、子供たち、たまたま誘った相棒…もいつ敵に変身するやも知れず、自らも誰かの敵になってゆく。その語りには虚飾がない。遂にはシンクロしてどのできごとも自然ななりゆきに見えてきてしまう。

  • Willie the Wildcat さん

    「Home」の定義を問い続ける旅。結びつける共通項も物心様々。主人公にとって前者が血縁、後者は軍隊。これらを縦軸とすると、横軸に親子・夫婦、上下官といった役割。加えて奴隷制も踏まえた帰郷の過程で巡り会う人々を通して振り返る「Home」。主人公が母に告げた”逃げない”でたどり着いたのが、首題という感。将軍夫妻それぞれとの交流が、主人公の心底に抱えた問いへの解を明確にした気がする。中でも、監獄での将軍との”存在論”の件が印象的。最後の場面の保安官の”思い込み”。これが問いであり解ではなかろうか。

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