リチャード・ベッセル

人物・団体ページへ

ナチスの戦争1918‐1949 民族と人種の戦い 中公新書

リチャード・ベッセル

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784121023292
ISBN 10 : 4121023293
フォーマット
出版社
発行年月
2015年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
339p;18

内容詳細

ナチスが主導した「民族と人種の戦い」とは何だったのか。第一次世界大戦の敗北からヒトラー独裁体制の確立、第二次世界大戦へ。ユダヤ人の絶滅を標榜しヨーロッパ全土を巻き込んだ戦争は、無差別爆撃と残虐行為を生み、最後には凄惨なホロコーストにまで行き着いた。本書はナチズムの核心を人種戦争と捉え、そのイデオロギーの本質を抉り出し、「狂信的な意志」による戦争の全過程、その余波までを描き出す。

目次 : 第1章 第一次世界大戦の余波とナチズムの台頭(ヒトラーの決意/ ドイツ帝国の崩壊 ほか)/ 第2章 ナチ政権と戦争への道(人種闘争という総合的な目標/ 陸軍とヒトラーの協力体制 ほか)/ 第3章 ナチズムと第二次世界大戦(ヨーロッパの人種構成を塗り替える戦い/ ポーランド侵攻で見えたもの ほか)/ 第4章 第二次世界大戦の余波(総統の自殺/ ナチ幹部の自殺者たち ほか)

【著者紹介】
リチャード・ベッセル : 1948年アメリカ合衆国生まれ。80年、オックスフォード大学で博士号取得(歴史学)。98年よりヨーク大学教授(20世紀史)。『ヒストリー・トゥデイ』編集委員

大山晶 : 1961年生まれ。大阪外国語大学外国語学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
ナチスの人種政策と戦争の関係、そして戦い...

投稿日:2021/07/21 (水)

ナチスの人種政策と戦争の関係、そして戦い破れたドイツ人大衆の被害者意識の変遷について詳細に分析している一冊。新書版で薄く見えても内容は決して薄くはない。ヒトラーが一兵士として第一次世界大戦を終えたころ、ドイツ国内での戦闘が起きないままに降伏したため『背後の一突き伝説』がうまれ、さまざまな状況を経てナチス政権が誕生する。そのあとに経済・再軍備と同等に重視されたノンが人種・民族政策であった。出産奨励・弱者の断種・ユダヤ人政策を国内でやりつくした後にヨーロッパに生存圏を確立するため、「ヨーロッパの人種構成を変える戦い」に踏み切ったと説く。そしてその戦いに敗れ、瓦礫の中で占領軍の暴行や単に生存に必死となって自らを、絶滅戦争の参加者でなく、戦争という災害の被害者にすり替えてしまった過程までを書いている。なんとも同じ敗戦後の国民として他人事じゃない物を感じさせられた。

ニグンノテイオー さん | 沖縄県 | 不明

0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • KAZOO さん

    ナチスが起こした第二次世界大戦を民族と人種のための戦争と位置付けて、第一次世界大戦の敗北から第二次世界大戦の余波ということで1918年から1949年までの出来事を記しています。海外の研究家が書かれたものの翻訳ですが、このようなものにありがちな読みにくさはありません。読みやすくしかも従来の書物にありがちなヒトラーの自殺で終わっているケースが多いのですがその後の状況まで分析していてハンナ・アーレントのドイツ訪問で終わっています。

  • skunk_c さん

    再読。日本が原爆投下や空襲の被害を受けたことで、さらにはシベリア抑留などもあり、中国などでの行為を忘却して「被害者」となり、それが戦後の立ち直りに影響したのと同様、いやそれ以上に、戦争末期のドイツの悲惨な状況(特にソ連兵などによるレイプやシベリア抑留)が、ナチスの蛮行を覆い隠してドイツ人をして「被害者」たらしめたことが克明に書かれている。だから1918-1949なのだ。最後に登場するハンナ・アーレントの感想が辛辣。自分たちの悪行を忘れたいのは人の性だろうが、だからこそ記録し、記憶に残すべき。自虐にあらず。

  • fseigojp さん

    第一次大戦から第二次大戦までのドイツを真剣に勉強します 打倒ユダヤ・ボルシェビズムという表現をスローガンにしているが、現在ロシアに殆どユダヤ人はいない どうなってるの? だれか、御教示を。 たしかに、レーニンやトロツキーはユダヤだけど。

  • masabi さん

    ナチズムを生み出す土台となった第一次世界大戦の敗戦から第二次世界大戦の敗北と非ナチ化までを扱う。人種政策を核に叙述していくが、翻訳物にありがちな読みにくさもなく一冊で多くのことを知ることができた。ナチズムを受けてドイツ国民なら大小様々な恩恵を受けながらも、敗戦直前の凄惨な戦争体験や敗戦以後の苦境から加害者意識よりも被害者意識は強く残ってしまった。国民を単純にナチズムの被害者としてではなく加害者の面もあったことをはっきりと書いているので、印象に残った。

  • Tomoichi さん

    第二次世界大戦についてどうしてもヨーロッパでの戦いについて二の次になってしまい、今まで余り読んでこなかったのでここでお勉強。対ソ連との戦いについて理解できたのが収穫。ナチの事を国民社会主義ドイツ労働者党って訳されていたが、昔は国家社会主義って訳されていた気がするのですが、まあNational SocialismのNationalをどう訳すという話ですが国家と国民じゃ印象が全然変わってくるよね。閑話休題。通史としてよくできています。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

リチャード・ベッセル

1948年アメリカ合衆国生まれ。80年、オックスフォード大学で博士号取得(歴史学)。98年よりヨーク大学教授(20世紀史)。『ヒストリー・トゥデイ』編集委員

プロフィール詳細へ

哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報

おすすめの商品