室内楽作品集　アンサンブル・フォルミンクス

フルートによるヒョロヒョロかっぽん！
〜あとは殆ど何も聴こえない究極の極小音量世界

「特殊奏法のデパート」ヘルムート・ラッヘンマン（1935−）の作品集。フルート一本と声、チェロによるお化け屋敷の再現風作品『tem A』以外、ボリュームをかなり大きくしても殆ど何も聴こえない極小音量で展開される作品ばかりのキワモノ的一枚。
　�Aのヴァイオリン・ソロの『トッカーティーナ』は、ボリュームを最大限に上げても何をしているかあまりよくわかりません。
　�Cの無題の作品も極小音量作品ながら、しかしよくよく耳を澄ましてみると、超絶技巧が展開されているもよう。演奏者はややマゾヒスティックな快感をおぼえる人物でないと演奏できないものと思われます。
　これらはすべて、作曲をとおして楽器を人々に再認識させる、というラッヘンマンの独特な思考の産物。たしかに、たとえば�Cでは、クラリネット奏者がキーをタポタポ押すだけで、こんなにも色々な音色が出るものかと驚かされます。（キングインターナショナル）

ラッヘンマン：
�@tem A（フルート、歌声とチェロのための）
�Aトッカーティーナ（ヴァイオリン・ソロのための練習曲）
�Bプレッション（一人の女性チェリストのための）
�CDal niente（一人の女性クラリネット奏者のための）
�Dアレグロ・ソステヌート（クラリネット、チェロとピアノのための）
　アンサンブル・フォルミンクス

　録音：2005年、2006年（デジタル）