ユージン・ローガン

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オスマン帝国の崩壊 中東における第一次世界大戦

ユージン・ローガン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560095669
ISBN 10 : 4560095663
フォーマット
出版社
発行年月
2017年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
601p;20

内容詳細

中東混迷の遠因となった「大戦」と戦後処理の過程をトルコ側・アラブ側の体験とともに克明に描き上げた歴史大作。斯界の権威による、学識と読みやすさを兼ね備えた中東近現代史の必読書。

目次 : 革命と三つの戦争―一九〇八‐一九一三/ 「大戦」前の平和/ 世界規模の動員令/ 一斉射撃始まる―バスラ アデン エジプト 東地中海/ ジハード開始―オスマン帝国領コーカサスとシナイ半島での戦い/ ダーダネルス海峡襲撃/ アルメニア人の虐殺/ ガリポリ半島でのオスマン帝国の勝利/ メソポタミア侵攻/ クートの攻囲/ アラブの反乱/ 負け戦―バクダード シナイ半島 エルサレムの陥落/ オスマン帝国の終焉

【著者紹介】
ユージン・ローガン : アラブ近現代史が専門の歴史家。オクスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ・フェロー。同校中東センターで教鞭を執る。子供時代をベイルートとカイロで過ごし、アメリカに戻ってコロンビア大学経済学部に在学中、中東史に関心を持ち、トルコ語とアラビア語を修得。卒業後、ハーヴァード大学で中東研究のM.A.(1984)、Ph.D.(1991)を取得。サラ・ローレンス・カレッジ、ケンブリッジ大学の講師などを経て現職。英国オクスフォード在住

白須英子 : 翻訳家。1958年、日本女子大学英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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勃発から100年を超え、地味ながらも注目を...

投稿日:2018/05/08 (火)

勃発から100年を超え、地味ながらも注目をまた集め始めた第一次世界大戦ですが、 そのなかのオスマントルコと中東戦線という非常にニッチで興味深いテーマの一冊がついに翻訳出版されました。 これまでは、英仏の中東分割・ガリポリの戦い・アラビアのロレンス 青年トルコ党とムスタファ・ケマルの台頭・アルメニア人虐殺といった、 それぞれ独立したワンテーマで触れられることが多かったように思われます。 しかしこの本はオスマン帝国とのかかわりのなかに、それらのテーマをおとしこみ、 一貫した中東の第一次世界大戦史を描いている意欲的な大作となっております。 本筋と関係ないところで印象的なのは、かの菱型戦車が中東の砂漠にも来ていたという 他の日本語で読める第一次大戦の本には書かれていないであろう話に触れられたことです。

ニグンノテイオー さん | 沖縄県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 星落秋風五丈原 さん

    専制君主と中央集権の国家を築き、いっときはウィーン包囲まで行ったオスマン帝国は、キリスト教世界にとって長きにわたって脅威であり続けた。世界史の教科書でも一度は読んだことがあるはずだ。しかしこれだけの大国にしては、その最期があまり伝えられていない、寂しい滅び方であった。強国によってたかって攻められたというのとも違う。第一次対戦の折、ドイツと組み同盟国側で戦ったオスマン帝国は、キリスト教世界によってというより、アラブの反乱によって滅びたと言って良い。その反乱には、アラビアのロレンスが噛んでいる。

  • Miyoshi Hirotaka さん

    ヨーロッパの戦争を「世界大戦」にしたのは中東での戦い。黒海に通じる海峡を支配し、中東を支配していたオスマン帝国はドイツの同盟国として戦争に巻き込まれた。「ジハード」発動を極端に恐れたイギリスは、アラブの分断工作を画策、「アラビアのロレンス」に描かれる英雄譚を含め、中東問題の原点を作った。オスマン帝国は戦闘ではほぼ互角であったが、苛烈な講和で崩壊。帝国のコントロールが失われた地域は暴力の連鎖が続いている。利敵行為に対する極端な取扱い、講和後の勢力圏の拡大というメカニズムは、次の大戦でさらに拡大した負の連鎖。

  • BLACK無糖好き さん

    第一次世界大戦後オスマン帝国が崩壊する様を、主にアラブ側の視点から叙述。メッカの統治者でもあるハーシム王家、カリスマ的な太守フサイン、アラブの独立を目論むアラビストにつけこむ英国との間での「フサイン=マクマホン書簡」などの詳細なやりとりは大変興味深い。そもそもオスマン帝国当局は、1915年以降忠誠心に疑問のある民間アラブ人を大量に追放し始めたそうだ、英仏の帝国主義に翻弄された面だけでなく、オスマントルコ・アラブ側の様々な確執が垣間見えるところが印象に残った。

  • MUNEKAZ さん

    通史本でも「ガリポリ」や「ロレンス」が語られるだけが多いので、本書のようにWWTでの中東戦線がまとまって日本語で読めるのはうれしい。興味深かった点としては、オスマン帝国は決してドイツに一辺倒だったわけではなく、英仏露ともギリギリまで交渉をし、見掛け上は中立を保とうとしたこと。また協商国側も同盟側もグローバル・ジハードの可能性を過大評価し、逆に自らの帝国内にある人種的緊張が悪化してローカルなナショナリズムに足をすくわれる結果になったこと。そして中東にとってWWTは、今も目に見える「傷跡」であること。

  • 健 さん

    第一次世界大戦に巻き込まれたトルコが国土を防衛するため、ロシア、イギリス、フランスとどのような戦いをしたのかが描かれている。コーカサス、ペルシア、ガリポリ、メソポタミア、シナイ半島、パレスチナ、ヒジャーズ、イエメン各地で戦い、敗北し、帝国が崩壊する。オーストリア皇太子が暗殺されて勃発した第一次世界大戦。何故かイギリスが中近東のオスマン帝国の領土を侵略していくわけで、理不尽としか言えない。トルコ頑張れ!!と応援してしまった。分厚くて時間がかかったけど、歴史の理不尽を知る上で大変勉強になった。

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アラブ近現代史が専門の歴史家。オクスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ・フェロー。同校中東センターで教鞭を執る。子供時代をベイルートとカイロで過ごし、アメリカに戻ってコロンビア大学経済学部に在学中、中東史に関心を持ち、トルコ語とアラビア語を修得。卒業後、ハーヴァード大学で中東研究のM.A.(

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