Blu-ray Disc

『魔笛』全曲 カーセン演出、ラトル指揮、ベルリン・フィル(日本語字幕付)

モーツァルト(1756-1791)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
KKC9060
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
Blu-ray Disc

商品説明


モーツァルト:『魔笛』全曲
ラトル&ベルリン・フィル
日本語字幕付き!


2013年4月、バーデン=バーデン復活祭音楽祭で上演されたサイモン・ラトル指揮、ロバート・カーセン演出によるモーツァルトの『魔笛』が映像作品として登場。

【ベルリン・フィルの魔笛】
戦前のビーチャム盤、1964年のベーム盤、1980年のカラヤン盤という3つのスタジオ録音盤で知られるベルリン・フィルの『魔笛』は、どれも評価の高い演奏として知られていましたが、コンサート・オーケストラということもあり、『魔笛』を実際の舞台で上演したのはこれが初めてということです。
 カラヤン盤から33年を経ての演奏であり、古楽から現代作品まで多様な表現スタイルを身につけた現在のベルリン・フィルの持てる力を駆使したここでの演奏は、録音バランスが良いこともあり、楽譜を入念にトレースした情報量の多さと、随所で聴かれる力強く厚みのある響き、細部のメリハリと生き生きした表情、演奏の流れの起伏の豊かさが印象的なものとなっています。

【主な歌手】
この『魔笛』の配役の特徴は、主役級にはヨーロッパ各国の体力万全な30代の歌手を起用し、脇役にはベテランを中心に配するというもので、3人の侍女は40代の有名どころで固め、そして弁者役には、カラヤン盤でザラストロを歌っていた72歳のジョゼ・ヴァン・ダムが迎えられています。
 夜の女王役のアナ・ドゥルロフスキは、マケドニア出身のソプラノ。コロラトゥーラを駆使しながら誘惑者としてのエロティックな演技も万全にこなしています。
 ザラストロ役のディミトリー・イヴァシュチェンコはロシア出身のバス。なめらかに広い帯域を歌える逸材。
 パミーナ役のケイト・ロイヤルは、イギリス出身でキャスリーン・フェリア賞授賞で注目を集めたソプラノ。パミーナは定評ある持ち役。
 タミーノ役のパヴォル・ブレスリクは、スロヴァキア出身のテノール。甘い美声と容姿により役柄にふさわしい演技を見せてくれます。
 パパゲーノ役のミヒャエル・ナジはハンガリー系のドイツ人で、この役を得意としているほか、バイロイトなどにも出演。
 パパゲーナ役のレグラ・ミューレマンは、スイスの若手ソプラノ。ハーディング指揮のオペラ映画『魔弾の射手』でエンヒェン役を可憐に演じていました。
 第1の侍女役のアニック・マシスはフランスのソプラノでバロック・オペラまでカバーする広いレパートリーでも知られています。
 第2の侍女役のマグダレーナ・コジェナーは、チェコ出身のメゾ・ソプラノで、古楽から現代歌曲まで広い範囲で活躍。
 第3の侍女役のナタリー・シュトゥッツマンは、フランス出身のコントラルトで、指揮者としても活動する才人。
 弁者役のジョゼ・ヴァン・ダムは、ベルギーのバリトンで、カラヤンに重用されたことはよく知られています。

【演出】
1954年トロント生まれのカナダの演出家で俳優のロバート・カーセンは、演劇を学んでいますが、10代前半の時期に接していた小澤征爾指揮トロント交響楽団の演奏会からは、大きな刺激を受け、演技と音楽を結びつけるオペラの演出という仕事で大きな成果をあげるようになります。
 カーセンが得意とするのは、台本解釈の斬新さで、その読み替えともいわれる舞台構築は、人物の動作に対する具体的なアプローチや、装置を駆使した象徴表現などにより、音楽と劇の関わりについて深く追求、可能性を探って行くというもので、これまでいろいろな解釈がおこなわれてきた『魔笛』でも、カーセン流の面白い演出で楽しませてくれます。(HMV)

【収録情報】
・モーツァルト:歌劇『魔笛』全曲 K.620
 アナ・ドゥルロフスキ(夜の女王)
 ディミトリー・イヴァシュチェンコ(ザラストロ)
 ケイト・ロイヤル(パミーナ)
 パヴォル・ブレスリク(タミーノ)
 ミヒャエル・ナジ(パパゲーノ)
 レグラ・ミューレマン(パパゲーナ)
 アニック・マシス(第1の侍女)
 マグダレーナ・コジェナー(第2の侍女)
 ナタリー・シュトゥッツマン(第3の侍女)
 ジョゼ・ヴァン・ダム(弁者)
 ジェイムズ・エリオット(モノスタトス)
 ダーヴィット・ローター(童子)
 セドリック・シュミット(童子)
 ヨシュア・アウグスティン(童子)
 アンドレアス・シャーガー(第1の僧侶)
 ジョナサン・レマル(第2の僧侶)
 ベンジャミン・ヒュレット(第1の武者)
 ダーヴィット・イエルザレム(第2の武者)
 ベルリン放送合唱団
 サイモン・ハルジー(合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 サー・サイモン・ラトル(指揮)

 演出:ロバート・カーセン
 装置:マイケル・レヴィン
 衣装:ペトラ・ラインハルト

 収録時期:2013年4月1日
 収録場所:バーデン=バーデン祝祭劇場

・ボーナス映像:サイモン・ラトルとロバート・カーセンによる作品解説

【BD仕様】
画面:1080iFull HD 16:9
音声:PCM Stereo, DTS-HD, Master Audio 5.1
字幕:日本語、英、独、仏、西
リージョン:0
本編:163分、ボーナス:43分

 演出について(ベルリン・フィル・ラウンジより転載)

《魔笛》ゲネプロ。R・カーセンが演出について語る
 この映像では、演出家のロバート・カーセン、装置家のマイケル・レヴィン、小道具係のアンドリュー・マーフィーが、《魔笛》制作の舞台裏を紹介しています。司会を務めるのは、ベルリン・フィル、ホルン奏者のサラ・ウィリス。デジタル・コンサートホールでもすでに「看板娘」となった彼女の、愛嬌あるコメントも新鮮です。

サラ・ウィリス(司会・ホルン奏者)「(ホールの前で)私たちはすでにバーデン・バーデンで数日を過ごしていますが、今日は《魔笛》のゲネプロです。プロダクションの関係者に、お話を聞こうと思います」

(暗転)

ウィリス「マイケル・レヴィンをご紹介します。彼は《魔笛》の装置を担当しています。今日は、元々の舞台のモデルを持ってきていただきました。あなたはすでに3つの異なった《魔笛》の舞台を作っているそうですが、今回は以前とはどのような違いがありますか」

マイケル・レヴィン(装置家)「それは共演する演出家によっての差ですね。この舞台は、ロバート・カーセンとの協議のなかで生まれてきたものです」

ウィリス「モデルでは、何が表現されているのでしょう」

レヴィン「この舞台装置では、上の世界と下の世界を表現する、ということがポイントとなっています。《魔笛》という作品では、この上下が対置されています。ここではその差を表現しているのですが、とりわけ第2幕では、死の世界が意識されています」

ウィリス「プレミエでは、安心して音楽に身をゆだねることができますか」

レヴィン「それは大丈夫です。その時点では、成功するかしないかは、他の人の手に掛かっているので(笑)。ここのチームはとてもいい感じですね。もちろんパリ・オペラ座のような巨大なチームではありませんが、非常に熱心で、いい舞台を作ろうという気持ちがあります」

(暗転)

ウィリス「(舞台上で)ゲネプロの直前です。皆が準備しています。私の手にはほら、魔法の笛が。でもこれ、本物でちゃんと吹けるのかしら。どうやって持っていいかも分からないのだけれど…。私にはむしろ魔法の角笛が必要です(笑)。でも、舞台の上から見ると、祝祭劇場は大きいですね。すごい大きさです(収容人数は2400人)。
 これは舞台の上からピットを見た映像です。このように非常に開いたピットで、結構歌手がピットのなかに落ちてしまわないか、と思うくらいなのですが、同時にオケが舞台の一部であるという一体感があります。ピットの前の壁は、そのまま花道になっていて、歌手は前まで歩いてきます。お客さんもピットのなかを見れるようになっていて、音楽がすべての中心であることが分かります」

(暗転)

ウィリス「(舞台裏:第1幕冒頭の蛇を手にして)これは、舞台で見るよりもずっと大きいですね。怖いです(笑)」

アンドリュー・マーフィー(小道具係)「これは最初出来てきた時は、もっと色が薄かったんです。それで、もう一度色を手で塗りなおしました」

ウィリス「思ったよりずっと重いですね(笑)」

マーフィー「(コンセントの付いたタバコを手にして)これはパパゲーナが吸うタバコです。でも電気製なんです。だから、コンセントでチャージするようになってます(笑)」

ウィリス「(骸骨を指差しながら)これは本物の骨ですか」

マーフィー「いやいや、本物ではないです。そう見えるだけですね。標本を作るための素材でできています。こうして色をつけて、人間が死んで風化した感じに作ってあります。汚くなるので、このテーブルの上にいつも置くようにしています」

(暗転)
ウィリス「(カーセンとの対話)今日はお越しいただいてありがとうございました。サー・サイモン・ラトルは、《魔笛》は難しい作品で、“演奏するのは墓穴を掘るようなもの”と言っています。実際、彼はこの作品を指揮するのを避けてきたのだそうです。演出家にとってもそうですか」

ロバート・カーセン(演出家)「そうですね。たいへん難しいと思います。“墓穴を掘る”というのはいい表現で、この作品には“死”ないし”死ぬ“という言葉が60回以上も出てくるのです。それはともかく、指揮するのも演出するのも難しい。というのは全体にとても断片的で、様々な側面があり、同時にシンプルだからです。シンプルなものというのは、非常に扱いづらいのです。展開のテンポを作りながら、シンプルであるというのは難しい」

ウィリス「バーデン・バーデンは仕事しやすかったですか」

カーセン「(にやりとしながら)本当の意見が聞きたいですか(爆笑)。いや、とてもよかったです。もちろん色々とたいへんなことは多かったです。というのは、登場人物が多いんです。18人もいるんですよ。でもそれがうまく行けば、《魔笛》はどんなオペラよりも素晴らしい結果を出せる作品だと思います」

ウィリス「この《魔笛》を観なければならない理由はなんですか(笑)」

カーセン「現在望みうる最高のキャストが揃っていること。最高の指揮者が指揮すること。素晴らしい合唱…」

ウィリス「そして世界最高の演出家!」

カーセン「それは私は言ってませんよ(苦笑)」

(暗転)

カーセン「(ゲネプロの開始。カーセンが、招待された聴衆に挨拶する)皆さん、これはゲネプロといって、普通の上演のように中断なしで上演が行われます。オケにとっても、歌手にとっても、技術の人にとっても、チェックをする最後の機会です。でも、お客さんもその一部です。《魔笛》では、“(フリーメーソンの)秘密を知る人々”という言葉が出てきますが、あなた方もこの上演の“秘密”を知る立場になります。というわけで、どうぞよろしく!」

ヴィデオ2:フェスティヴァル総括
 この映像では、すべての公演を終えたベルリン・フィルのメンバーが、フェスティヴァルの印象について語っています。《魔笛》最終公演舞台裏の光景、演奏、カーテンコールの様子も楽しめますが、団員の素顔が見られる点も魅力でしょう。

(《魔笛》の舞台)

ラウレンティウス・ディンカ(第1ヴァイオリン)「バーデン・バーデン万歳、ですね。とっても良かったです。来年も楽しみにしています」

シュテファン・シュルツェ(第2ヴァイオリン)「素晴らしい選択だったと思います。皆、非常に歓迎してくれて、我々がここで演奏するのを本当に望んでくれているんだと実感しました。環境そのものもとても美しいですし、同時に数多くの室内楽の演奏会をすることができました」

スタンリー・ドッズ(第2ヴァイオリン)「単に素晴らしいというだけでなく、オーケストラの全容が分かる内容になっていました」

(室内楽演奏会や室内オペラの上演が行われた会場が次々と映し出される。弦楽四重奏《死と乙女》の演奏)

ミヒャエル・ハーゼル(フルート)「芸術的に、とても成功でした。オペラは大評判でしたし、室内楽演奏会、オーケストラ演奏会は、全部売切れでした。お客さんもとても喜んでいました。最高です」

アマデウス・ホイトリング(第2ヴァイオリン「バーデン・バーデンはとっても良かったです。ほとんどザルツブルク以上でした。お客さんも素晴らしかった」

マルティン・ハインツェ(コントラバス)「最初のフェスティヴァルだったので、どうなるかドキドキでしたが、私は素敵な町と人々にとても感激しました」

(《魔笛》最終公演の舞台裏)

ドッズ「バーデン・バーデンに来れば、ベルリン・フィルの世界にどっぷり、という感じですね」

クシシュトフ・ポロネク(第1ヴァイオリン)「来年がとても楽しみです。皆さんとても親切で、町の人にしても、聴衆にしても、劇場のチームしても実に素晴らしかった」

シュルツェ「とても感激しています。来年来るのが楽しみです」

ルイス・フェリペ・コエッリョ(第1ヴァイオリン)「次が楽しみです。2014年ですよね?」

ティンカ「また、お会いしましょう!」


内容詳細

BPOの自主レーベルからの発表となる、ザルツブルグからバーデン=バーデンに場所を移した2013年最初の復活祭音楽祭の目玉演目「魔笛」の映像盤。豪華な歌手陣と鬼才カーセンの大胆な演出で大きな話題を呼んだ舞台だ。(CDジャーナル データベースより)

ユーザーレビュー

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細かいところでは、あちこち齟齬があっても...

投稿日:2014/05/24 (土)

細かいところでは、あちこち齟齬があっても、作品の「核心」だけは絶対にはずさない、またしても見事なカーセンの読み替え演出。夜の女王とザラストロは最初からグルで、すべては子供たちの成長を促し、タミーノとパミーナを結びつけるためのお芝居、イニシエーション劇だったという設定変更で、女性差別ともからんで厄介な「光=男=啓蒙」対「闇=女=無意識」という対立軸をはずしてしまった。だから「夜の女王とその取り巻きたちが地獄に落とされる」はずの最終場などは茶番に過ぎなくなるが、パミーナが(彼女に一番、嫌なことをしたはずの)モノスタートスに手をさしのべ、仲間に入れてやるというエンディングは実に感動的。暗い地下の世界を抜けた果ての緑の芝生も美しいし、モーツァルトが最も喜びそうな最終景ではないか。 ピリオド・スタイルを十分に踏まえたラトルの指揮は、圧倒的名演とは言えぬにしても、みずみずしく、好ましい。それに小編成でもさすがベルリン・フィル。響きの美しさは比類ない。歌手陣もブレスリクのタミーノ以下、粒が揃っている。ただし、「人形のような」ロイヤルだけは、私にはまだ良さが分からない。少なくともパミーナ向きではないと思う。パパゲーノが伝統的な三枚目ではなく、孤独の影を感じさせる現代の青年になっているのは、演出家の意図でもあろうが、喜劇的効果はややもの足りぬとしても、なかなか面白い。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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人物・団体紹介

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モーツァルト(1756-1791)

1756年:ザルツブルクで誕生。 1761年:最初の作曲(『アンダンテ ハ長調 K.1a』)。 1782年:オペラ『後宮からの誘拐』初演。 1783年:大ミサ曲ハ短調 K.427(417a)を上演。 1785年:弦楽四重奏曲集(ハイドン・セット)をハイドンに献呈。 1786年:オペラ『フィガロの結婚 K.492』初演。 1787年:父レオポル

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