メシアン、オリヴィエ(1908-1992)

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CD 輸入盤

峡谷から星たちへ エッシェンバッハ&ロンドン・フィル、ツィモン・バルト(2CD)

メシアン、オリヴィエ(1908-1992)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
LPO0083
組み枚数
:
2
レーベル
:
Lpo
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


メシアン:峡谷から星たちへ(2CD)
エッシェンバッハ&ロンドン・フィルハーモニック、バルト
「よみがえりしものとアルデバランの歌」では12分を超えるテンポを採択!
多くの楽器が活躍する作品が実際の演奏会でどう響くか確認できる注目盤!


オリヴィエ・メシアン[1908-1992] の管弦楽作品中、最大の規模を誇る傑作『峡谷から星たちへ』(1971-1974)は、アメリカ建国200周年(1976年)を祝う目的で、ニューヨーク楽壇の大パトロンでもあるアリス・タリー女史から作曲を委嘱されした作品です。
 創作にあたり、メシアンは「世界の驚異」と題された一連の書物を調べるうちに、アメリカのユタ州にある峡谷を偶然見つけ、そしてその光景を実際に自分の目で確かめるため、1972年に取材旅行に出かけます。
 メシアンは、このザイオン国立公園とブレイス・キャニオンへの旅で、雄大な自然から大きな霊感を得ることとなり、大胆かつ華麗な色彩にあふれたスタイルを獲得。巨大な峡谷と、エキセントリックなまでの威容を湛えた岩石群、果てしない宇宙に広がる星たち、そして多彩な鳴き声で呼び交わす鳥たちの様子を通して、人智を超えた自然に対する畏怖と神への畏敬の念を表すことに成功しています。
 演奏時間は約89〜103分(3部12曲)、ラテン系の楽器まで用いた打楽器部隊を要するユニークな編成のオーケストラによる斬新で個性的なサウンドは、オーディオ的にも注目度抜群。
 全曲は大きく分けて3つの部分から成り、それぞれのブロックは、砂漠、星、鳥の声から開始され、いずれも峡谷の壮大な風景描写で締めくくられています。
 楽器編成は、独奏セクションに、ピアノ、ホルン、シロリンバ、グロッケンシュピール、オケ・セクションに、ピッコロ、フルート2人、アルト・フルート、オーボエ2人、イングリッシュ・ホルン、クラリネット3人、バス・クラリネット、ファゴット2人、コントラ・ファゴット、ホルン2人、トランペット3人、トロンボーン2人、バス・トロンボーン、、ヴァイオリン6人、ヴィオラ3人、チェロ3人、コントラバス、ジェオフォーン(サンドマシーン)、エオリフォーン(ウィンドマシーン)、パーカッション5人(タムタム、ゴング、クロタル、チューブラー・ベルズ、マラカス、クラベス、ウッド・ブロック、グラス・チャイムズ、シェル・チャイムズ、ウッド・チャイムズ、トライアングル)というもの。 シロリンバなる楽器は名前の通り、シロフォンとマリンバの特質をあわせ持った楽器です。
 クラーベはキューバ系の打楽器で、そのラテン音楽でおなじみのサウンドは、硬質の木で作られた2個で1組の楽器から生み出されています。
 クロタルは、元来は古代エジプトから伝わる祭祀用の小型シンバル、あるいはそれに類する楽器を指し、アンティック・シンバルとして、ラヴェルのバレエ音楽『ダフニスとクロエ』などでも使われていました。

【じっくり聴かせる見事な演奏&優秀録音】
エッシェンバッハの解釈はいつもながら細部情報まで掘り起こしてじっくり聴かせるもので、演奏時間もカンブルラン盤に次ぐ100分50秒となっています。サロネン盤は89分、デ・レーウ盤は91分、チョン・ミョンフン盤は92分なのでかなりの差がありますが、なんといっても印象的なのは、第3部の最初の曲である「よみがえりしものとアルデバランの歌」で12分を超える遅いテンポを採択している点でしょう。この部分は、最速のチョン・ミョンフン盤では8分23秒なのでほぼ1.5倍の時間感覚ということになります。エッシェンバッハの演奏で聴くとこの部分は、星のまたたきを示すかのような冴えた点描的な音が、澄み渡った広大な空間に響き渡るという趣きで、音が良いこともあって情報量も多く、瞑想的な宇宙的クール感覚(?)はこれまでの録音で最も強いように思えます。
 クリストフ・エッシェンバッハは、濃厚な情感表現や劇的な表現のうまさでも知られる指揮者で、メシアンではユース・オケと共演した『キリストの昇天』や、ピアニストとして演奏した『世の終わりのための四重奏曲』といった録音があったほか、実演では何度もメシアンの音楽をとりあげています。
 今回はロンドン・フィルを指揮したライヴ録音ですが、大編成ゆえに特に力を入れたのか、音質は非常に水準の高いものとなっており、ソロ楽器や特殊楽器が大活躍するこの作品の、実際のコンサートでの響き具合を確認できるのが大きな注目ポイントともなっています。
 大活躍するホルンやウィンドマシーン、各種打楽器も、音響的な解像度が高いため魅力的なサウンドで収録されていますし、また、重要な役割を果たすピアノも、オーケストラとちょうど良いバランスで聴こえてくるのが嬉しいところです。また、こうした作品ですから、ツィモン・バルトもいつものエキセントリックな解釈はせずに、膨大な楽器奏者の中の一員として冷静に演奏しています。
 この作品の録音は、サロネン、チョン・ミョンフン、デ・レーウの「速め系」と、エッシェンバッハ、カンブルラン、コンスタンの「遅め系」に2分されますが、エッシェンバッハの演奏は、音が良いこともあって、「遅め系」の代表的存在となりそうです。
 大編成のさまざまな楽器を個別に聴くことのできる情報量の多い録音と、細部まで入念に解釈したうえで各情景をじっくり演奏するというスタンスにより、メシアンの描いた大自然と神への賛歌を、隅々まで楽しむことのできる見事な演奏の登場です。(HMV)

【収録情報】
● メシアン:『峡谷から星たちへ』[100:50]

Disc1
第1部」[30:55]
・「砂漠」[04:29]
・「ムクドリモドキ」[06:10]
・「星たちの上に書かれているもの」[07:21]
・「マミジロツグミヒタキ(マミジロオニヒタキ)」[04:25]
・「シーダー・ブレークスと畏怖の贈り物」[08:30]

第2部」[20:10]
・「恒星の呼び声」[05:11]
・「ブライスキャニオンと赤橙色の岩」[14:59]

Disc2
第3部」[49:45]
・「よみがえりしものとアルデバランの歌」[12:08]
・「マネシツグミ」[11:22]
・「モリツグミ」[04:42]
・「オマオ(ハワイツグミ)、ソウシチョウ、ハワイヒタキ、シキチョウ」[09:56]
・「ザイオン公園と天国」[11:37]

 ツィモン・バルト(ピアノ)
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)

 録音時期:2013年11月2日
 録音場所:ロンドン、サウスバンク・センター、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)


【演奏時間比較】

収録曲   

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