ミランダ・ジュライ

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最初の悪い男 新潮クレスト・ブックス

ミランダ・ジュライ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784105901509
ISBN 10 : 4105901508
フォーマット
出版社
発行年月
2018年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
352p;20

内容詳細

43歳独身のシェリルは職場の年上男に片想いしながら、孤独な箱庭的小宇宙からなる快適生活を謳歌。9歳のときに出会い生き別れとなった運命の赤ん坊、クベルコ・ボンディとの再会を夢みる妄想がちな日々は、上司の娘が転がり込んできたことにより一変。衛生観念ゼロ、美人で巨乳で足の臭い20歳のクリーだ。水と油のふたりの共同生活が臨界点をむかえたとき―。幾重にもからみあった人々の網の目がこの世に紡ぎだした奇跡。ミランダ・ジュライ、待望の初長篇。

【著者紹介】
ミランダ・ジュライ著 : 1974年ヴァーモント州生まれ。カリフォルニア大学サンタクルーズ校を中退後、ポートランドでパフォーマンス・アーティストとしての活動を開始。2005年、脚本・監督・主演を務めた初の長篇映画『君とボクの虹色の世界』がカンヌ国際映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞)を受賞、大きな注目を浴びる。2007年、初めての短篇集『いちばんここに似合う人』でフランク・オコナー国際短篇賞を受賞。2015年には初めての長篇小説となる『最初の悪い男』を刊行した。2012年に長男を出産、夫で映像作家のマイク・ミルズとともにロサンジェルスに暮らす

岸本佐知子 : 翻訳家。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    偏見がないつもりでいる人も、ジュライの話の進め方にはびっくりすると思う。えっ、そう来るか、そしてまたこうなって、ついに有り得ない方向にいく展開を、読者に自然に受け入れさせちゃう。読者を味方につけ、受け入れられない登場人物達を上から目線で見させる。世間によくいる少し変わっている中年女。長く1人でいて、自分にだけ都合がよく暮らしているから、暮らしに色々と独自の規則が多い。そこに無軌道な21才の女がやって来て好きにしたらどうなるか。行き着くのは本当に思いがけないところ。全ての偏見をぶっ飛ばす名作。

  • 青乃108号 さん

    読み始めた時、父はまだ生きていた。半分程読んだところで、あと数日でしょう、と病院から連絡があった。その言葉通り、3日後に父は亡くなった。俺は少しだけ泣いた。あとは葬儀、火葬、役所、銀行、印鑑、書類、また役所、郵便局、父のいた老人ホームと休む間もなかった。ようやくそれらから解放されて、しばらくぶりに戻ってきたこの物語は【命】の物語だった。人間は時間の内側でしか生きられないと。【生きろ生きろ生きろ】疲れ果てた俺を叱咤激励するように。読みながら時々泣いた。

  • ケイ さん

    読書会のために再読。2回目は、語り手の主人公以外の人達の気持ちを気にしながら読んだ。フィリップは何故電話し続けるのか。 クリーはなぜシェリルのところに行きたかったのか。2人の精神科医の病み方。そして、『最初の悪い男』について。ああ、そうか。最初に2人が同じ話題について、会話した時の言葉なんだ。こんなにぶっ飛んでエキセントリックなのに、じゃあしちゃダメなことは? この中で何が決定的におかしいの?と問うても、おかしいことなんかどこにもなく、既成概念の虜になっていた自分に気付かされるだけ。作者がくれるのは癒し。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    奇妙なルールに自ら、縛られて生活しているシェリル。ぶっ飛ぶかと思いきや、意外とすんなり、受け容れられたのは大なり、小なり、シェリルみたいにルールに縛られて何とか生きている人が結構、多いからではないでしょうか。そんな彼女が本当の自分と出会えるきっかけになったのは、美人なビッチで足がメチャ臭で乱暴者のクリーがいたからだ。そんなクリーもまた、シェリルみたいな人だったからこそ、生まれた愛。対して子供の生物的父親だろうフィリップが赤ちゃんと対面して「余所余所しいから違う」という言葉に思わず、笑ってしまいました。

  • nobi さん

    四十三歳のシェリルのフライパンには干からびた食べ物がこびりついていて、手に負えないからと預けられた二十歳の娘クリーが買うのは、冷凍食品カップヌードルダイエットペプシ…。男と女、女と女の間には間合いと慎しみが欠けている。妄想、脳内会話、二人の関係も相当奇異。でもシェリルの語りはvivid。訳(岸本佐知子)もあってか同時代的な親しみも感じる。その地平に新しい生命の誕生。想定外の状況は二人を否応なく巻き込んで、対話を促し献身の情を呼び覚まし、しなやかな関係を齎す。文化不毛と見えた土壌の種子から再び文化が芽吹く。

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