CD 輸入盤

交響曲第2番『復活』 テンシュテット&ロンドン・フィル(1989 ステレオ)(2CD)

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
LPO0044
組み枚数
:
2
レーベル
:
Lpo
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

テンシュテットのマーラー『復活』ライヴ!
音質抜群、演奏内容最強の大注目盤!

演奏・音質ともに申し分のない『復活』。鬼才クラウス・テンシュテット[1926-1998]の代表作と呼ばれること間違いなしの素晴らしいアルバムの登場です。

【高水準なライヴ録音】
テンシュテットのライヴ録音は名演揃いですが、EMIの公式ライヴ盤以外は、演奏内容は良いものの、音質がいまひとつというケースが少なからずありました。
 しかし、今回登場する『復活』のライヴ録音は、ロンドン・フィルのアーカイヴ用のレコーディングながら、名エンジニア、トニー・フォークナーが担当したものだけあって、音質が大変良好なのがポイント。
 野太い低域からドラマティックな高域まで、音の生々しさやステレオ感も申し分なく、オーケストラのうねりまで伝える表現力の凄まじさは、テンシュテットの残した数多いライヴ録音のなかでも、最高のクオリティに達しているとさえ言いたくなるほど。第1楽章冒頭からドスの効いた低弦の迫力と鮮烈な高音の切れ味には驚くほかありません。さすがフォークナーです。

【絶好調のテンシュテット】
この演奏がおこなわれたのは1989年の2月20日。前年10月に日本公演で大成功を収め、12月にはロンドンでマーラーの5番を指揮してそれをEMIがライヴ録音、翌1月にはフィラデルフィアとニューヨークで指揮、そしてロンドンでこの『復活』を指揮すると、翌3月にはEMIに『ツァラトゥストラ』をセッション録音するという具合で、体調は良好だった様子がうかがえます。

【テンシュテットと癌】
テンシュテットは1985年、アメリカ演奏旅行中に喉に違和感を訴え、病院で診察を受けると喉頭癌であることが判明、その後、治療を続けながら指揮する道を選び、1993年の春までの7年半も活動を続行、数々のコンサートで多くの人々に感動を与えることとなります。
 しかし1993年後半から病状が悪化し、その後は治療に専念するものの、5年後の1998年1月12日、北ドイツのキールの自宅で静かに世を去ることとなります。

【スタジオ盤との大きな違い】
今回のライヴ盤、基本的な解釈は、1981年におこなわれたセッション録音と大きく変わることはありませんが、ここでの演奏は、テンポ変化の説得力や細部表現の彫拓、見通しの良い巨大な造型感覚といった面でセッション録音盤を大きく引き離しており、感銘の深さは桁違いです。
 違いの要因としては、まず実演であるということと、テンシュテットがロンドン・フィルの音楽監督に就任したのが1983年のことで、1981年時点でもすでに親密だったとはいえ、後年ほどにはオーケストラを深く掌握していなかったことが挙げられるほか、癌発病という大きな衝撃の4年前と4年後という時期の問題も挙げられるものと思われます。

【92分近い演奏時間】
演奏時間トータルは、1981年盤の約88分に対して4分ほど遅くなって実測値で約92分となっています。『復活』の速い演奏としては、クレンペラー&シドニー響の約67分や、クレンペラー&コンセルトヘボウ管の約71分が知られており、最長タイムは、クレンペラー&ニュー・フィルハーモニアの約99分(廃盤)となっているので、今回のテンシュテット盤は、約93分のバーンスタインのDG盤と同じくかなり遅い部類に属するものといえます。
 演奏もバーンスタインと同じく極限の世界に迫るものですが、ヒューマンな感動を志向する熱く開放的なバーンスタインに対し、テンシュテットの場合はより求心的で緊張感が強く、ひとりの人間の葛藤と相克、そして救済といった印象を与えるのが大きな違いでしょうか。

【テンシュテット最高の名演】
テンシュテットはマーラーのスペシャリストとして現在でも高い人気を誇っていますが、今回の『復活』は、名演揃いのテンシュテットのマーラー録音の中にあっても、おそらく最高の存在感を誇る演奏として記憶されること間違いなしの凄いものです。
 癌告知後、放射線治療を受けつつ継続された7年半ほどの指揮活動。その折り返し点の時期でもある1989年、『復活』という作品のメッセージでもある「蘇り」に対するテンシュテットの深い思いが、聴き手に痛いほど伝わってくるほとんど奇跡のような演奏の貴重な記録です。

【収録情報】
マーラー:交響曲第2番ハ短調『復活』 [92:11]
 第1楽章 アレグロ・マエストーソ [24:38]
 第2楽章 アンダンテ・モデラート [11:59]
 第3楽章 スケルツォ [11:22]
 第4楽章 「原光」[06:10]
 第5楽章 スケルツォのテンポで、荒野を進むように [38:02]

 イヴォンヌ・ケニー(ソプラノ)
 ヤルド・ファン・ネス(メゾ・ソプラノ)
 ロンドン・フィルハーモニー合唱団
 リチャード・クック(合唱指揮)
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 マルコム・ヒックス(舞台裏指揮)
 デイヴィッド・ノーラン(コンサートマスター)
 クラウス・テンシュテット(指揮)

 録音時期:1989年2月20日
 録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

 レコーディング&バランス・エンジニア:トニー・フォークナー
 CD化プロデューサー:アンドルー・ウォルトン(K&A Productions)
 マスタリング・エンジニア:アンドルー・ラング(K&A Productions)

【参考データ】
テンシュテット1981 24:45+11:19+10:33+07:03+34:09=87:49
テンシュテット1989 24:38+11:59+11:22+06:10+38:02=92:11
バーンスタイン1987 24:53+12:04+11:24+06:18+38:37=93:16

収録曲   

ディスク   1

  • 01. I. Allegro maestoso

ディスク   2

  • 01. II. Andante moderato
  • 02. III. In ruhig fliessender Bewegung
  • 03. IV. Urlicht: Sehr feierlich, aber schlicht
  • 04. V. Finale: Im Tempo des Scherzos
  • 05. V. Im Tempo des Scherzo: Langsam - Misterioso
  • 06. V. Im Tempo des Scherzo: Etwas bewegter

総合評価

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投稿日:2021/02/22 (月)

マーラーの交響曲第2番は「全ての音楽芸術の頂点」とも言うべき凄まじい作品です。 そんなこの曲の決定盤がこのテンシュテットのこの録音。 特筆すべきは最終楽章のフィナーレ!恰幅の良い、大見えを切ったようなクライマックスは説得力抜群。テンポを落としてずっしりと演奏されるフィナーレは90分にも及ぶこの大作を聴きながら、「ああ、まだ終わってほしくない」「もっと聴いていたい」と懇願するリスナーの気持ちに答えるようでもあります。このフィナーレを聴いた後で、メータを聞いても、バーンスタインを聞いても、他のどの名盤を聞いても、物足りなくなること間違いなしでしょう。 ロンドンフィルハーモニーの金管、弦楽器、打楽器の音色はマーラーの交響曲と非常にマッチしており、テンシュテットがマーラーの作品を再現するにあたって最高の楽器を手に入れたとも言うべき名コンビの名盤です。

私的決定盤レビュー さん | 愛媛県 | 不明

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投稿日:2018/08/19 (日)

彼の最初のEMIへのマーラーは強奏部分が歪み、音像がはっきりとせず もやのかかったものだらけだった。 しかしこの「復活」は音質・演奏とも素晴らしい。 この音質ですべての録音がされていたらと思うとほんと残念だ。 そういった意味でEMIの功罪は大きい。

abbadondon さん | 栃木県 | 不明

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投稿日:2016/02/11 (木)

激情型の指揮をするテンシュテットのマーラーは正直あまり好きではない。しかし!終楽章の最弱から始まる合唱がオケと共に、ラストに向けて深化しながら復活を歌い上げる様は本当に感動的だった。聴き終えたあと、納得のできる演奏であることは間違いない。

トリンヌ さん | 神奈川県 | 不明

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人物・団体紹介

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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