魔法の樽 他十二篇 岩波文庫

マラマッド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003234013
ISBN 10 : 4003234014
フォーマット
出版社
発行年月
2013年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
400p;15

内容詳細

とりあえず、結婚だ。―宗教者をめざして勉強する青年は決断した。しかし現れた仲介業者がどうも怪しい。“樽いっぱい花嫁候補のカードだよ”とうそぶくのだが…。ニューヨークのユダヤ人社会で、現実と神秘の交錯する表題作ほか、現代のおとぎ話十三篇。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    ニューヨークのユダヤ人として生まれた作者による、人生のほろ苦く、温かい寓話。浮かび上がるのは、収容所やイスラエルへの強制送還などの仄暗さが呪詛のように付き纏う。人口比によるアメリカ社会での立場の逆転を描いた『天使レヴィン』、とある人の言葉から意識し、周囲を気にせず、読書にのめり込む姿を描いた『ある夏の読書』、とある過去を刻印する事実による別離の『湖の令嬢』、忌々しい押し売りと思いきや解脱を果たした途端に立場が逆転した『最後のモヒカン族』が印象的。『どうか憐みを』はどちらの立場に置いても解釈が異なりそう。

  • こばまり さん

    しみったれていて読んでいると気が滅入る。ついでに不穏なる幻想の世界にも連れて行かれる。でもこの陰々滅々、決して嫌いではないです。むしろ好き。書店でふと手に取るまで、20世紀アメリカのこの偉大なユダヤ人作家について何も知りませんでした。反省。

  • 星落秋風五丈原 さん

    「魔法の樽」の主人公はラビになるには既婚者であった方がいいという理由で相手を探すフィンクル。誰だって幸せになりたい。少なくともいい思いはしたい。ところが人が欲望を抱くと、欲望を見抜いた人がすり寄ってきて、「望みを叶えます」と言葉巧みに説き伏せ、あなたのなけなしの金を奪い取ろうとする。振り払おうとしながら一粒の欲が邪魔をする。騙される側にも隙がある。飛び切りの大金持ちではなく、少しだけ裕福な者を貧しい者が追いかけて金をかすめ取ろうとする構図がパターンを変えてしつこいほど登場する短編集。

  • nobi さん

    第2次世界大戦の傷跡が人々の生活と記憶に根強く残っていて、ユダヤ人としての境遇が輪をかけている。うらぶれていてお金に纏わる話が多い。他人に構う余裕がない笑いに転化する余裕もない暮らし振りと憐憫の情とが拮抗して物語が生まれる。あるいは追跡が始まる。謎に向けて憧れに向けて盗られたものに向けて。次第にクレッシェンドし時には激しい転調を伴って。全体にモノクロ映像的。その中イタリア滞在ものには色彩を感じる。戦争で疲弊していてもそこはかつての栄光の地。その地での思わぬ夢実現!?の期待膨らむ。と、匕首のような結末が…。

  • Kouro-hou さん

    渋い人生短篇x13。どれも人種問題や貧困などで生活に行き詰っていたり、なけなしのお金をはたいてイタリア留学したらヒドイ目に合う話(複数)とか、生活には困ってないけど嫁を探そうとしたら大変な事に(複数)等々。何とも言えない閉塞感とファンタジー要素をもってしても救いがあるとは言えないどん詰まり感、しかしちょっとしたユーモアと諦めた先に見える安堵感もあってどうしようもなく絶望的というわけでもない。そんな中で登場する食事風景もどうしようもなく侘しく貧しいのですが、魅力的に感じさせるのはやはり上手いのでしょうね。

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