マイケル・オンダーチェ

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名もなき人たちのテーブル

マイケル・オンダーチェ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784861824494
ISBN 10 : 4861824494
フォーマット
出版社
発行年月
2013年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;20

内容詳細

11歳の少年の、故国からイギリスへの3週間の船旅。それは彼らの人生を、大きく変えるものだった。仲間たちや個性豊かな同船客との交わり、従姉への淡い恋心、そして波瀾に満ちた航海の終わりを不穏に彩る謎の事件。映画『イングリッシュ・ペイシェント』原作作家が描き出す、せつなくも美しい冒険譚。

【著者紹介】
マイケル・オンダーチェ : 1943年、スリランカ(当時セイロン)のコロンボで、オランダ人、タミル人、シンハラ人の血を引く裕福な両親のもとに生まれる。54年に母親とともにイギリスに渡り、62年にはカナダに移住。トロント大学、クイーンズ大学で学んだのち、ヨーク大学などで文学を教える。詩人として出発し、71年にカナダ総督文学賞を受賞した『ビリー・ザ・キッド全仕事』ほか十数冊の詩集がある。76年に『バディ・ボールデンを覚えているか』で小説家デビュー。92年の『イギリス人の患者』は英国ブッカー賞を受賞(アカデミー賞九部門に輝いて話題を呼んだ映画『イングリッシュ・ペイシェント』の原作)

田栗美奈子 : 翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • (C17H26O4) さん

    静かな美しい文章で綴られた物語は、まるで一作の映画のようだった。セイロンからイギリスへ。11才のマイケルの21日間の一人旅。あんなにもスリルと冒険に満ちたオロセイン号での船旅も、大人になり振り返れば微かに紗がかかったようで遠い。キャッツ・テーブル、つまりもっとも優遇されないテーブルで彼が出会った2人の少年と幾人かの大人たち。大人の訳ありの世界をのぞき、子供ながらに理解していたと思っていた出来事も、もう同じに見えることはない。哀愁を感じた。何かを失い何かを得て、自分も友もあの頃には二度と戻れない。

  • アン さん

    少年マイケルが大型客船に乗り、スリランカから母の待つイギリスへひとり旅をする物語。同船した対照的な二人の少年達との友情、美しい従姉に抱く淡い恋、謎めいた大人達との交流、危険な犯罪や衝撃的な事件。数奇な運命の渦に巻き込まれ、無垢な眼でしか捉えられなかった世界に思いを馳せた時、少年時代とは違う景色がセピア色に染まりながら浮かんできます。人生に大きな影響を及ぼした思い出は、大人になっても忘れる事はなく、生き抜く力ともなるのかもしれません。オンダーチェの文章は詩情に溢れ美しく、読み応えもあり素晴らしかったです。

  • キムチ27 さん

    20C半ばの英国社会・・といえども大半、舞台は豪華客船。そしてキャットテーブルという設定(歓迎されざる人らが座る席)オンダーチェといえば『イギリス人の患者』余りにも衝撃を受けた忘れられぬ名前の作家。だがこの作品、意外と入りやすく、情景を浮かべられる。もっとも装丁の素晴らしさにも一因有りそう。。ターコイズブルー、銀色文字、そして遥かに眺める感のオロンセイ号。11歳という少年期から脱しつつあるマイケルの目に映る世界を多感な想いで綴られる。後半のともすると痛い展開が「人生学」にも思われて「いい映画」を見た気分

  • ally さん

    同じ時に同じ場所で同じ方を見ていても、同じものを見ているとは限らない。故郷からイギリスへ渡る三週間、出発前と到着後にはがらりと変わってしまう人生のほんの一時を過ごす船の上、その間だけ確かに同じものを見ていた少年たちと、一見平凡な人達の人生の重み。とても綺麗な文章で、作者の人間や人生に対する愛情が感じられる。情景がくっきりと浮かぶような繊細な描写、その後の人生を形成する三週間に詰められた色々な想いが切なく、でも温かい。作者の言葉「フィクションの力は強く、ときに事実をもしのいでしまうのです」が良かった。

  • 帽子を編みます さん

    素晴らしい小説でした。スリランカからイギリスへの船旅、11歳の少年が21日間の一人旅をします。食事のテーブルで出会った仲間二人と船での冒険が楽しい、走り回り、こっそり隠れて、はしゃぎまわります。大人になった現在の出来事も挟まれ、楽しいだけの船旅ではなかったことが暗示されます。旅の途中の犬をめぐる不思議な出来事。犯罪の陰、関わる人々も秘密を持っているようです。旅の最後の悲劇は彼らの心に大きな傷をつけ無邪気な少年時代を終わらせます。現在と過去の交差、謎の解決、傷をおった心の再生、人生の深みが描かれています。

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