ベートーヴェン(1770-1827)

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CD 輸入盤

ピアノ協奏曲第5番『皇帝』 ギーゼキング(1945年ステレオ)

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
M&ACD1145
組み枚数
:
1
レーベル
:
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ギーゼキングの『皇帝』
戦時下のステレオ録音!


往年のドイツの名ピアニスト、ワルター・ギーゼキング[1895-1956]の弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と第5番『皇帝』を収録。
 両曲ともにピアノの粒立ちのよい冴えた演奏ですが、有名なのは何といっても『皇帝』。1945年1月23日(かつては1944年秋とされていました)、戦時下のベルリンでおこなわれたマグネトフォンによるステレオ・レコーディングで、クラシック音楽のまとまった作品全曲のステレオ・テープ録音としては、現存する最古のものとされています(光学式も含めると1940年のステレオ商業録音であるストコフスキーのファンタジアが最初)。
 当時のベルリンは連合軍から空爆を受けており、この『皇帝』の録音でも一部の弱音部で爆撃とも高射砲ともとれる音を遠くに聞くことができます。そうした危険な環境下で、このような見事な演奏がおこなわれたことには驚くほかありませんし、また、ギーゼキングのほかの『皇帝』(ワルター&VPO、カラヤン&PO、カンテッリ&NYP、ガリエラ&PO)と較べても、この演奏が抜きんでているように感じられるのは音質のせいだけではないものとも思われます。
 リマスタリングは、アーロン・Z・スナイダーがおこなっており、歪みこそいくらかあるものの、とても戦時中とは思えない高音質に感動。これまで何枚ものCDが発売されてきたこの録音ですが、音質はこれが一番かもしれません。1960年代の録音といわれても不思議ではないくらいで、当時のドイツの技術水準の高さを改めて確認できます。
 なお、ブックレットには録音に関しての詳細な記事も載っており(英語)、優れた音質とともに、文字情報からもギーゼキングの名演を味わえるアルバムに仕上がっているのが嬉しいところです。
 ちなみに、同じ1945年1月23日のベルリンでは、日中にフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルのコンサートもおこなわれており、ブラ1の4楽章のみ残された録音からは凄絶な演奏を聴くことができます。

【収録情報】
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15 [31:16]
 I. Allegro con brio [12:18]
 II. Largo [09:21]
 III. Rondo: Allegro scherzando [09:37]

 ワルター・ギーゼキング(P)
 フィルハーモニア管弦楽団
 ラファエル・クーベリック(指揮)
 録音:1948年10月13日、ロンドン(EMI)

・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』[36:22]
 I. Allegro [19:16]
 II. Adagio un poco mosso [07:29]
 III. Rondo: Allegro [09:37]

 ワルター・ギーゼキング(P)
 ベルリン放送管弦楽団
 アルトゥール・ローター(指揮)
 録音:1945年1月23日、ベルリン

収録曲   

  • 01. Concerto for Piano no 1 in C major, Op. 15
  • 02. Concerto for Piano no 1 in C major, Op. 15
  • 03. Concerto for Piano no 1 in C major, Op. 15
  • 04. Concerto for Piano no 5 in E flat major, Op. 73 "Emperor"
  • 05. Concerto for Piano no 5 in E flat major, Op. 73 "Emperor"
  • 06. Concerto for Piano no 5 in E flat major, Op. 73 "Emperor"

総合評価

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試験的ステレオ録音の皇帝は、1945年と知ら...

投稿日:2013/10/13 (日)

試験的ステレオ録音の皇帝は、1945年と知らないと、1954年録音と思うほどの音質のクオリティ。1944年の有名なカラヤンのブル8の一部の録音よりも安定した音だ。音のひずみはあるが、当時のドイツの音響通信技術は先駆的な水準だったことの証左である。ギーゼキングの演奏はフルトヴェングラーやメンゲルベルクとの共演とは打って変わって節度のあるものだが、大戦中でもあり、独特の緊張感や切迫感にに富んでいる。1945年1月といえば、ちょうど、このころ、フルトヴェングラーがベルリンやウィーンでコンサートをこなした後、監視の目を逃れ、スイスに亡命している。ローターの指揮は強い個性はないが、ドイツ的な剛毅さに富み、ただの伴奏にとどまらない力を発揮している。微かに聞こえる爆音のようなものは、空爆や対空射撃の音とははっきりとは知らなかったが、戦後のフルトヴェングラーのライヴに聴かれるソ連のベルリン封鎖に対抗する西側の輸送機の騒音同様、演奏ぶりとともにベルリンという都市の歴史の影の部分をすくい取り、今につたえている。クーベリックとの第一番は、打って変わって、平素聴くギーゼキングらしい演奏ぶりで、指揮者の若々しさが印象に残る。EMIによるモノラル録音だが、これは比較的聴きやすいほうだ。異様な緊張がない分、平和をかみしめて演奏しているのだろうかという印象も受ける。こういうレア物は廃盤になるのも早いが、ネット配信でもいいから、カタログから消さないでほしいと願う。

eroicka さん | 不明 | 不明

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第二次大戦中にドイツの帝国放送局が行なっ...

投稿日:2012/10/30 (火)

第二次大戦中にドイツの帝国放送局が行なったステレオ録音のテープは現在、五点が確認されていますが、その中で唯一、全楽章が収録されているものがこれです。(他は全て楽章の抜粋)。 少し歪みなどがあるものの、カップリングの第一番(戦後収録)と比べれば、格段に音が良いうえにステレオなので、臨場感は抜群です。 戦後、ベルリンを占領したソ連軍が放送局の機材やアーカイブを全て持ち去ってしまい、ステレオ録音技術が断絶してしまったことが残念でなりません。 この後、1954年に至るまでステレオ録音は行われませんでした。

望月ハルヒ さん | 愛知県 | 不明

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第2次世界対戦の戦時中、高射砲の轟音がと...

投稿日:2012/06/29 (金)

第2次世界対戦の戦時中、高射砲の轟音がとどろくベルリンで、こんなコンサートが開かれていたとは驚きですが、しかも、それをステレオ録音していたとは!!! まさに命がけの演奏と録音を、すばらしい音質で聴くことが出来ます。十分鑑賞に堪えます。フルトヴェングラーの第9なんかよりずっと良い音質。本当にびっくりしました。これこそ人類の誇るレコード芸術!クラシックファン必聴です。

かくとしらじ さん | 愛知県 | 不明

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ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

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