ベルリオーズ(1803-1869)

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CD 輸入盤

幻想交響曲&レリオ ムーティ&シカゴ交響楽団(2CD)

ベルリオーズ(1803-1869)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
CSOR9011501
組み枚数
:
2
レーベル
:
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ベルリオーズの『幻想交響曲』&『レリオ』
ムーティ指揮シカゴ響音楽監督就任記念ライヴ
名優ドパルデューによるナレーション


ベルリオーズの『幻想交響曲』は、『ある芸術家の生活のエピソード』という標題のもとに書かれた二部作の第一部にあたり、『レリオ』はそれに続く完結篇として1831年に完成しています。
 このアルバムは、リッカルド・ムーティが2010年9月のシカゴ響音楽監督就任記念コンサートで、1832年の『レリオ』初演時と同じく『第一部、第二部として通しで演奏するように』というオリジナル・コンセプト通りに演奏したライヴ録音からのCD化です。
 大女優ハリエット・スミスソンへの熱狂的な恋愛感情と失恋の痛手が作曲の動機付けとなった『幻想交響曲』と同様に、ベルリオーズ自身の個人的体験が『レリオ』の成立に直接的な影響を及ぼしています。それは、ローマ大賞の作曲コンクール優勝と『幻想交響曲』初演の成功という絶頂から一転、フィアンセで新進ピアニスト、カミーユ・モークに婚約破棄を通告されて逆上し、その殺害を図ったというあまりに劇的で驚くべきもの。
 抒情的独白劇『レリオ』を構成する6曲は、第1曲が1828年頃の歌曲、第2曲が1829年のローマ大賞コンクール用カンタータ『クレオパトラの死』第2曲『瞑想』、第3曲が1829年頃の歌曲の改作、第4曲と第5曲ともに1827年のローマ大賞コンクール用カンタータ『オルフェウスの死』の改訂、そして第6曲は『レリオ』初演以前の1830年作曲、オペラ座初演という具合に、それぞれ別個に作曲されたもので、ベルリオーズ自身を模した作曲家レリオのモノローグを介してつなぎ合わされています。
 第1曲やコーダをはじめ、『レリオ』においては重要なポイントで『幻想交響曲』の固定楽想(イデ・フィクス)が現れて全体の統一感をもたらしていますが、同時に全曲を通じて中心となる『語り』の役割がきわめて重要なため、歌手ではなく、すぐれた第一級の演劇俳優が演じるよう指定されています。
 ベルリオーズの指定はさらに続き、本番で舞台上には語り手のみが立ち、開始から第5曲まではオーケストラ、独唱者、合唱団は舞台に下ろされたままのカーテンの背後で演奏、第6曲の演奏時にのみカーテンが上げられます。これは第6曲以外の全てをレリオの空想上のこととするためで、こうした細部に亘るこだわりにも作品の特異性が際立っています。
 独創的なアイディアと天才的力業とでもいうべき画期的な表現が発揮された『レリオ』ですが、ムーティがここに至る過程で、その上演に情熱を傾けてきたのは熱心なファンのあいだでよく知られるところです。
 2007年8月にザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルと、2008年6月にラヴェンナ・フェスティバルでケルビーニ管弦楽団およびイタリア・ユース管弦楽団の合同オケと、2009年2月にパリ・シャンゼリゼ劇場でフランス国立管弦楽団と、ムーティはひとりの指揮者としては異例ともいえる頻度でこの作品を演奏しており、シカゴ響を指揮したこのたびの内容はこうした実演でのじゅうぶんな成果を踏まえた流れのなかに位置するものといえます。
 当時、この公演の模様は大きく取り上げられましたが、これには『レリオ』の要となる語り手にふさわしく、ムーティによる上記の実演全てに参加していた名優ジェラール・ドパルデューの存在も見逃せません。ムーティとの呼吸もさすがで、フランス語の味わい深いディクションからは、あらためて作曲者の意図を知る思いがします。
 なお、ムーティは『幻想交響曲』を、1984年にフィラデルフィア管を指揮してセッション録音、2007年にケルビーニ管弦楽団とイタリア・ユース管弦楽団の合同オケを指揮してライヴ録音していたので、このたびが3種目、『レリオ』については上記ラヴェンナでの公演を収めたライヴ映像作品があったので、2種目となります。(キングインターナショナル)

【収録情報】
● ベルリオーズ:幻想交響曲op.14
 @夢、情熱15:19 A舞踏会6:46 B野の風景16:07 C断頭台への行進6:40 Dワルプルギスの夜の夢9:56

● ベルリオーズ:レリオ(または『生への回帰』)op.14b
 語り2:32‐@漁師(テノール独唱とピアノ伴奏)6:22‐語り2:22‐A亡霊の合唱(管弦楽と合唱)5:48‐語り3:36‐B山賊の歌(バリトン独唱、男声合唱と管弦楽)4:19‐語り1:46‐幸福の歌(テノール独唱と管弦楽)6:26‐語り1:46‐Dエオリアン・ハープ−思い出(管弦楽)3:57‐語り5:08‐Eシェイクスピアの『テンペスト』にもとづく幻想曲(管弦楽と合唱)14:18‐語り0:49‐コーダ1:05(語りと管弦楽)

 ジェラール・ドパルデュー(語り)
 マリオ・ゼッフィリ(テノール)
 カイル・ケテルセン(バス=バリトン)
 シカゴ・シンフォニー・コーラス
 デュアイン・ウルフ(合唱指揮)
 シカゴ交響楽団
 リッカルド・ムーティ(指揮)

 録音時期:2010年9月23、24、25&28日
 録音場所:シカゴ・オーケストラ・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

【CSO•RESOUNDレーベル】
1891年設立の名門シカゴ交響楽団のライヴ録音専門自主レーベル“CSO・RESOUND(シーエスオー・リザウンド)"。“シカゴ交響楽団はとどろく"という意味のレーベルの名称は、オケそのもの、つまり輝かしい音色で名高いアンサンブルのめざましくパワフルな響きを表しています。

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Rveries - Passions - Chicago Symphony Orchestra
  • 02. Un Bal - Chicago Symphony Orchestra
  • 03. Scne Aux Champs - Chicago Symphony Orchestra
  • 04. Marche Au Supplice - Chicago Symphony Orchestra
  • 05. Songe D'une Nuit Du Sabbat - Chicago Symphony Orchestra

ディスク   2

  • 01. Narration - Grard Depardieu
  • 02. Le Pcheur - Various Performers
  • 03. Narration - Grard Depardieu
  • 04. Choeur D'ombres - Various Performers
  • 05. Narration - Grard Depardieu
  • 06. Chanson Des Brigands - Various Performers
  • 07. Narration - Grard Depardieu
  • 08. Chant de Bonheur - Various Performers
  • 09. Narration - Grard Depardieu
  • 10. La Harpe Eolienne - Souvenirs - Various Performers
  • 11. Narration - Grard Depardieu
  • 12. Fantaisie Sur la Tempte de Shakespeare - Various Performers
  • 13. Narration - Grard Depardieu
  • 14. Coda - Various Performers

ユーザーレビュー

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ムーティがシカゴ交響楽団の音楽監督就任し...

投稿日:2018/01/28 (日)

ムーティがシカゴ交響楽団の音楽監督就任した2010年9月の就任記念コンサートの記録。 就任記念だけあり『幻想交響曲』とその続篇『レリオ』を一つの演奏会に並べた意欲的なプログラム。 『幻想交響曲』では理知的というのかスマートな演奏(指揮)に感じられた。 『幻想交響曲』の後半のグロテスクさにしても、作品のストーリーよりも楽譜に書かれた素材をシンプルに提示しているようだ。 交通整理が行き届いているとでも言おうか。もっともシカゴ交響楽団の特徴なのかもしれない。 『レリオ』はベルリオーズの芝居心と言うのか自己演出に満ちた独特の作品。 『レリオ』は対訳が無いと作品の意味が掴めないが、こCDは日本語訳付きなので大変貴重だ。

ユローヂィヴィ さん | 大阪府 | 不明

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このディスクを誰かに「スカラ・フィルの幻...

投稿日:2015/11/04 (水)

このディスクを誰かに「スカラ・フィルの幻想だぞ」として聞かせてみると、半分は騙されること請け合いだ。すなわち、それだけシカゴ響がムーティの要求に応えているといえよう。明るくスッキリとした歌は、本当にジュリーニ以来だ。お決まりの金管楽器は、押さえに押さえバランスが最上だ(もちろん断頭台は「待ってました!」だが)。幻想はよいとしてレリオが面白い。幻想交響曲のモチーフが登場するので、譜面だけ追っても連続演奏の意義はもちろん重要だ。むしろこの2枚組みを聞き、幻想で奏でた響きを、そのままレリオまで維持する必要性をぼくは感じたのだ。ムーティは曲の解釈をレクイエム寄りに捉えたようで、極上の響きによってフォーレのレクイエムさえも彷彿とさせてくれる(実況でベルリオーズのレクイエムも聞いたが、同じようなバランスだった)。そうなるとベルリオーズがいかに革新的な音楽を書いていたかが浮き彫りになるのだ。と、「幻想曲」の途中まで聴いて確信したのだが、12分過ぎたあたりでオペラっぽくなってくるのだ。そして最後の数小節は・・・これは完全にヴェルディだ。ムーティはここの数小節がやりたくて選曲したのか、とさえ感じてしまうほどヴェルディになっているのは痛快だ。そういう観点で見ると、フォーレのレクイエムからヴェルレクまで話が広まってしまうのだ。ムーティは何でもイタリアとヴェルディに結びつけるのを得意とするので、これは自他共にヴェルディの使途と認めるムーティが、ベルリオーズへのオマージュとして演奏したのでは、と感じてしまったといえよう。もちろん異論はあると思うので、様々な角度からこの演奏を味わっていただきたい。

宇野珍会長 さん | 埼玉県 | 不明

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