DVD 輸入盤

『ヴォツェック』全曲 チェルニャコフ演出、クルレンツィス&ボリショイ劇場、ニグル、バイヤーズ、他(2010 ステレオ)

ベルク(1885-1935)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BAC068
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD
その他
:
輸入盤

商品説明

鬼才チェルニャコフ、快心のキレッキレ『ヴォツェック』!
血走るクルレンツィスとボリショイに、狂いっぱなしのニグル


注目の上演の映像が登場! 今猛烈に冴えてキレまくっている鬼才ディミトリ・チェルニャコフが、ベルクの傑作『ヴォツェック』を演出、期待に違わぬ見事な出来栄えです。
 舞台は現代の中流集合住宅。12の住居(の一部屋が見られるという設定)と、1階には広いバー。ヴォツェックは集合住宅の一室に暮らす勤め人風。大尉はアーミー・オタク、医師はマッド・サイエンティスト風、そしてヴォツェックは徹頭徹尾狂いっぱなし。チェルニャコフは「日常の中に紛れ同居している異常さ」を鋭く描いています。通常だとマリー殺害とヴォツェックの溺死の後、緊張が急激に解けてしまうところを、チェルニャコフは彼らしい視点で見るものを最後まで惹き付けさせてくれます。
 舞台に負けず演奏がまた凄い。テオドール・クルレンツィスは、1972年2月24日、ギリシャに生まれたまだ若い指揮者。2004年から2010年までノヴォシビルスク歌劇場の首席指揮者を務め、その才能が大きな評判になりました。現在はペルミ・オペラ・バレエ劇場の音楽監督を務めています。将来のロシアの音楽界を背負って立つこと間違いなしの逸材です。ボリショイ劇場ではこれが『ヴォツェック』初演だそうですが、そうとは思えぬほどオーケストラを見事に操り、切れ味鋭く緊張感のある音楽を作りつつ、必要な時にはお家芸のブラス群をパワフルに爆発させて血走った音楽を鳴らす。これぞロシアン・ベルク!
 ヴォツェック役のゲオルク・ニグルは、1972年、ウィーン生まれのバリトン。かつてウィーン少年合唱団のスター・ソリストだった人で、変声後にバリトンに転向、バロック・オペラと現代オペラを両軸に活躍しています。ヴォツェックはウィーンやミュンヘンでも歌っている得意の役柄。ここでは、普通の一般人なのに完全に狂気に侵されているという役作りが見事です。マリー役のマーディ・バイヤーズは、米国出身のドラマティック・ソプラノ。アイーダやトスカを得意とし、近年はワーグナーのソプラノ役も多く歌っています。この二人以外は皆ボリショイ劇場で活躍する実力のあるロシア人歌手ですが、中には大尉役のマキシム・パステルのようにビックリするほどうまい人もいます。カーテンコールでの観客の大喝采まで一緒に楽しめます。(キングインターナショナル)

【収録情報】
・ベルク:歌劇『ヴォツェック』全曲

 ゲオルク・ニグル(Br ヴォツェック)
 マーディ・バイヤーズ(S マリー)
 マキシム・パステル(T 大尉)
 ピョートル・ミグノフ(Bs 医師)
 ロマン・ムラヴィツキー(T 鼓手長)
 ロマン・シュラコフ(T アンドレス)
 ヴァレリー・ギルマノフ(Bs 第一の徒弟)
 ニコライ・カザンスキー(Br 第二の徒弟)
 レオニード・ヴィレンスキー(T 白痴)
 アレクサンドル・ネスポヴィティ(マリーの息子)
 ボリショイ劇場管弦楽団&合唱団
 テオドール・クルレンツィス(指揮)

 演出:ディミトリ・チェルニャコフ
 舞台、衣装:エレナ・ザイチェヴァ、ディミトリ・チェルニャコフ
 照明:グレブ・フィリシチンスキー

 収録時期:2010年11月
 収録場所:モスクワ、ボリショイ劇場

・ボーナス:メイキング映像

 収録時間:135分
 画面:カラー、16:9
 音声:PCM Stereo, 5.1 Dolby Digital
 字幕:英仏独西
 NTSC
 Region All

ユーザーレビュー

総合評価

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これが『ヴォツェック』のモスクワ初演とは...

投稿日:2013/04/01 (月)

これが『ヴォツェック』のモスクワ初演とは驚くが、いつもながら綿密なクルレンツィスの指揮のもと、ボリショイの面々がいつものルーティン・レパートリーとは全く違った緊張感を持って取り組んでいるのが分かる。チェルニャコフの現代版演出も良くできていて、主人公は現代の企業戦士たるサラリーマンだが、最初の場の「大尉」は軍隊フェチのおじさんとのロール・プレイとするなど、的確に読み替えられている。ジャケ写真の通り、方形に区切られた集合住宅が舞台で、その一室で殺人が起こっても、他の人々の暮らしは何の変化もなく続いてゆく。マンションの一角に設けられた深夜のバーで演じられる第2幕第5場(ここにいないはずのマリーも出てくる)、死んだ母親と(この演出では)心神喪失状態の父のいる室内で子どもが無邪気にテレビゲームを続ける最終場などは元の設定以上に秀逸。ただし、マンション内に「沼」を作るわけにはいかないし、「赤い月」を昇らせるわけにもいかないので、さすがに第3幕になると読み替えがちょっと苦しい。ビエイト演出ではちゃんと描かれていた「階級」「身分」の差がなくなってしまったのも、やはりまずかろう。グラマラスなマリーはやや大味だが、主役ニグル以下、歌手陣もおおむね好演。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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人物・団体紹介

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ベルク(1885-1935)

“アルバン・マリア・ヨハネス・ベルク[1885-1935]は、新ウィーン楽派の一員として、シェーンベルク、ヴェーベルンと共に活躍したオーストリアの作曲家。師のシェーンベルクのもと、ヴェーベルンが未来を志向したと言われるのに対し、ベルクは過去と密接に繋がって、無調や十二音の作品でさえ後期ロマン派的で濃密な気配を感じさせたのがポイント。 裕福な商人の家庭に生まれたベルクは、最初、文学や演劇に関心を持っ

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