トリスタン・イズー物語 岩波文庫

ベディエ編

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003250310
ISBN 10 : 4003250311
フォーマット
出版社
発行年月
1985年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,303p

内容詳細

愛の秘薬を誤って飲みかわしてしまった王妃イズーと王の甥トリスタン。この時から2人は死に至るまでやむことのない永遠の愛に結びつけられる。ヨーロッパ中世最大のこの恋物語は、世の掟も理非分別も超越して愛しあう“情熱恋愛の神話”として人々の心に深くやきつき、西欧人の恋愛観の形成に大きく影響を与えた。

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ケイ さん

    比類泣き若さと美しさを持つ騎士トリスタン。立派な心も持っている青年が何故横恋慕など…と思えば、恋の秘薬を謝って飲んだがゆえだった。それは白々しい嘘まで二人に付かせてしまう。哀しいかな、恋の魔力により、二人はもう元の二人ではないのだ。引き離してみても、そばにいたとしても。彼らに同情はできぬ。周りに不運をもたらすばかりではないか。身も世もない恋は、ひとえに妄執でしかないと深いため息をつく。嫉妬に鬼になった白い手のイズーも、翻弄されるマルク王も哀れなり。残り香のようなやるせなさは、さすがの古典悲劇かな。

  • ヴェネツィア さん

    ケルトに端を発し、中世フランスの各地に伝えられた物語の断片をベディエが編年体風の物語に再編したもの。イズーとの出会いともなる怪獣退治のくだりなどは、遠くペルセウス・アンドロメダ型神話を思わせるし、また途中にもトロバドゥール達によって謳われたであろう遍歴騎士の物語が散見する。そして彼らが歌うのは愛の絶対化であり、そうした主題にこれほどに相応しい物語もなかった。逆説的に言えば、叶うことがないが故にこその絶対化なのである。物語の舞台となったコーンウオールとブルターニュには、今もケルトの面影が色濃く残っている。

  • syaori さん

    ワーグナーの歌劇で有名な悲劇。この悲劇が幕を開けるのは、媚薬を飲み、二日は耐えた憐れな二人が初めて唇を合わせ「さらば、死よきたれ」と宣言する場面だと思うのですが、そのために彼らは甘美な愛とともにマルク王の苦悩を、可憐なブランジァンの犠牲を、白い手のイズーの嫉妬を飲み、悲劇の結末へとひた走ります。どうしようもない力で惹かれあう恋人たちを待つこの結末は切ないですが同時に甘やかでもあって、人の目には邪な、しかし神の前には清らかなという彼らの愛が全きものになるためにはこの結末が必要だったのだろうとも感じました。

  • 傘緑 さん

    「それは葡萄酒ではない、それは情熱だ、激しい喜悦だ、無限の苦痛だ、それは死だった」トリスタンとイズーは世を追われて森へ逃げる。「私たちは世の人々を、世の人々は私たちを見捨ててしまいました」『虐殺器官』以来、キニャールに惚れ込んでいる。計劃の言葉を借りれば、「ドクインシー以来だろうか。これほど自分の魂にぴったりくる作家は」となる。キニャールと訳者(主に高橋啓)の贅肉を削ぎ落とした詩業による創造的引用は、呪いのように私の骨に刻み込まれる。「私たちは世界を失いました。世界は私たちを失いました。『秘められた生』」

  • fseigojp さん

    惚れ薬でイズーに恋するというのは古臭いようだが、恋の魔法的側面の中世的表現と考えれば現代にも通じる永遠のテーマ 愛してはならない人を愛してしまう.....

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品