CD 輸入盤

交響曲第9番 ヴァント&ベルリン・フィル

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
82876623232
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD

商品説明

ヴァント=ベルリン・フィル/ブルックナー:交響曲第9番
特別寄稿:宇野功芳(音楽評論家)

ギュンター・ヴァントのベストCD!

一作ごとに新境地を開いてゆくギュンター・ヴァントが、ついに窮極のブルックナーとでもいうべき名演を達成した。ただただ畏敬の念に打たれるのみである。
この9番は去る98年9月18日と20日、ベルリンにおけるコンサートをライヴ録音したもので、曲目は本曲とシューベルトの「未完成」、つまり二つの未完成交響曲を並べたわけであり、その演奏会は衛星生中継されたので、われわれは映像の方に先に接していたことになる。
それは得難い体験だった。テレビの音には限界があり、いかなる名演奏といえども、なかなか感動にはつながらない。しかし、ヴァントはその不可能を可能にしたのだ。最初の「未完成」の第一音から別世界に連れ去られてしまったのである。まさにムラヴィンスキー以来といえよう。両者とも聴く者を別世界へ誘うと同時に、なんともいえない神々しさ、崇高さ、独特の静けさによって、われわれを深い感動に包みこんだのである。
そのブルックナーを今CDで聴ける。感動の質には変わりないが、細部まで鮮明に捉えた名録音によって、ヴァントの至芸がよりリアルに再生されることになった。ヴァント/ベルリン・フィルのブルックナーでは、既発売の四番、五番も非常な名演奏だったが、九番はその上をゆく。この曲のCDにはシューリヒト/ウィーン・フィルという牙城がそびえていて、四十年近くもの間、それを超えるディスクが現われなかった。やっと95年に朝比奈/大フィル盤が登場、録音の新しさも加味して九割ぐらいまで肉迫したかと思っていたが、今回のヴァントは間違いなくシューリヒト盤に比肩し得ると思う。もちろん、彼自身の旧盤など問題にならないが、いくら大器晩成とはいえ、八十六歳にしてなお進歩をつづけるなど、もはや人間業とは思えない。
全三楽章、とび切りの名演、美演、凄演である。たとえばアダージョ最後のクライマックスの凄さはどうだろう。もちろんそれは曲自体の凄さなのだが、そのブルックナーの箴言と、聴く者の魂を激しくゆさぶる音楽をここまで表現しきったのは指揮者ヴァントなのだ。申すまでもなく印刷されたスコアは単なる記号にすぎないからである。そして、どれほど音楽が咆哮しようと、威力的なベルリン・フィルはいささかも無機的な音を出していない!
しかし、ぼくはとくに第一楽章に数々の新発見があったことを書き記しておきたい。初めて耳にするようなスタッカート、初めて生きて語りかけた内声のホルン、初めてものを言ったフレージング、初めて意味を持った低弦のリズム、といったように、新鮮なスコアの読みが連続し、しかもよく見れば、どれもこれも作曲者がこうしてほしいと楽譜に書きこんだものばかりなのだ。かくして、ほんのわずかな慣れもなく、最初から最後まで、比類のない高みに魂が張りつめたブルックナー九番がここに誕生したのであった。

データ

曲目:ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
演奏:ギュンター・ヴァント指揮ベルリン・フィル
録音:1998年9月、ベルリン

収録曲   

  • 01. Symphony no 9 in D minor, WAB 109
  • 02. Symphony no 9 in D minor, WAB 109
  • 03. Symphony no 9 in D minor, WAB 109

総合評価

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なかなかブル9番の決定盤に出会わないのが...

投稿日:2014/01/26 (日)

なかなかブル9番の決定盤に出会わないのが正直な気持ち。指揮者、オーケストラで期待したが、響きがやや暗め(録音のせいか)どちらかというとあっさり感。粘り気味の演奏が好きなので少し期待外れ。宇野氏は絶賛だと思うが・・・。シューリヒト盤は、1・2楽章までは完璧なのに、3楽章の突風のようなテンポ設定は興ざめだし。ヴァントでは、ミュンヘン・フィル盤が好きである。

k.k さん | 大阪府 | 不明

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NDR盤やMPO盤等と聴き比べると、その差は歴...

投稿日:2011/12/16 (金)

NDR盤やMPO盤等と聴き比べると、その差は歴然としている。本盤の方が桁違いに気迫が漲っている。桁違いに気力が充実している。指揮者もオケも最高のコンディションだったに違いない。半永久的ではなく、永久に本盤を超える演奏は現れない。私が世界遺産に指定する。

ひろの さん | 東京都 | 不明

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僕も当時テレビで観、CD初出時にも飛び付い...

投稿日:2011/09/21 (水)

僕も当時テレビで観、CD初出時にも飛び付いたが、正直ちょと期待外れだった。2日分のテイクを使ったようだが、テレビで聴いた演奏より弛いと感じた。今じゃNDR、MPOなどの超絶ライヴが正規盤で出ているので残念ながらBPO盤にはあまり惹かれない。確かにBPOパワーは強大だがチト濁り気味で進行もよろけ気味。スケルツォは低音に独特の凄みがあるし、第3楽章もガッチリした造形美で聴かせるが他の盤の方が完成度高く聴き所も多い。ちなみに僕はヴァントのブル9だとNDR(01年)とSRSOを最高位に置く。

ワレンペラー さん | 広島県 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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