CD 輸入盤

交響曲第7番 ザンデルリング&シュトゥットガルト放送交響楽団(1999)

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
93027
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Germany
フォーマット
:
CD

商品説明

ブルックナー:交響曲第7番
ザンデルリング&シュトゥットガルト放送交響楽団

1999年リーダーハレでのデジタル録音。意外にもブルックナー録音の少ないザンデルリングですが、過去の第3番の凄い演奏にみられるように音楽的な適性は抜群です。
 この第7番でも遅めのテンポ(70分強)で重厚な仕上げがほどこされたスタイルが特徴的ですが、ここでのザンデルリングには、3番でみられたような力みや力技は一切無く(あれはあれでまた魅力的でしたが)、作品の流れを自然に受け入れたかのような美しい進行がとても印象的で、特に前半2楽章の感動の深さはただごとではありません。
 7番の旋律美と和声の魅力を非常に深いレベルで表現したみごとなアプローチであり、打楽器を使用せずとも十分過ぎるほどのエネルギー感で頂点をきわめる第2楽章の素晴らしさは、録音状態も含めて格別なものがあります。
 後半2楽章も素晴らしく、武骨で逞しいスケルツォに、実演のザンデルリングならではの高揚感を満喫させるフィナーレが、前半2楽章の荘重な美をみごとに収斂しつつ解き放つさまは真に優れた演奏の証とも呼べるものでしょう。盛大なブラヴォーにも思わず納得です。(HMV)

【収録情報】
・ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB.107 [71:14]

 シュトゥットガルト放送交響楽団
 クルト・ザンデルリング(指揮)

【プロフィール】
重厚長大スタイルながら情感が非常に豊かな演奏を聴かせたドイツの大指揮者、クルト・ザンデルリングは、ヴァント[1912-2002]やチェリビダッケ[1912-1996]、ショルティ[1912-1997]、マルケヴィチ[1912-1983]と同年の生まれ。
 2002年、90歳の歳に引退するまで積極的に指揮活動を展開するなど、老いてますます盛んなのはヴァントと同様でしたが、ザンデルリングの場合は独墺系基幹演目のほかにも、マーラーやショスタコーヴィチ、シベリウスなども重要なレパートリーとしていたのが大きな相違点でした。それにはザンデルリングが辿った音楽家としての道筋も大きく影響していたものと思われます。
 1912年9月19日、東プロイセンのアリスに生まれたクルト・ザンデルリング(ザンデルリンクとも)は、個人教授を受けて音楽を学び、1931年にベルリン国立歌劇場の練習指揮者として採用。しかしユダヤ系ドイツ人だった彼はナチスの台頭を嫌って1935年にスイスを経てソ連に亡命、翌年、モスクワ放送交響楽団を指揮して正式なデビューを果たします。
 ザンデルリングはこれをきっかけに同オーケストラの副指揮者に就任、その後、ハルコフ・フィルを経て1941年、疎開のためノボシビリスクに長期滞在中のレニングラード・フィルにムラヴィンスキー音楽監督のもと、指揮者陣の一人として迎えられます。
 以後、1960年まで20年間続くこのレニングラード・フィル時代には、ムラヴィンスキーと共に同オケの黄金時代を築き上げ、数多くの演奏会を指揮、1958年には日本ツアーにも同行するなど活躍したほか、メロディア・レーベルなどへのレコーディングも相当数おこなっていました。中でもドイツ・グラモフォンに録音したチャイコフスキーの交響曲第4番は、ディスク大賞を受賞するなどザンデルリングの名を大いに高めてもいます。
 1960年になるとザンデルリングは、東ドイツ政府からの要請により、設立間もないオーケストラであるベルリン交響楽団の首席指揮者に就任してレベル向上に努め、1977年の退任までのあいだに同オケの実力を一気に高めることになります。退任後も、このオケとの関係は深いものがあり、引退までの40年以上に渡って良好な関係が継続されました。
 その間、ザンデルリングは1964年から67年にかけてはシュターツカペレ・ドレスデンの指揮者も兼務し、さらにゲヴァントハス管弦楽団とも密接な関係を保って、海外公演なども精力的に展開。
 ベルリン交響楽団首席指揮者退任前後からは、世界各地のオーケストラを積極的に訪れ、日本でも1976年以来読売日本交響楽団に客演、1979年には名誉指揮者に就任し、以後たびたび来日して素晴らしい演奏を聴かせていました。
 なお、夫人のバーバラはコントラバス奏者で、子息のトーマスとシュテファンは指揮者、ミヒャエルはチェリストという音楽一家でもあります。(HMV)

総合評価

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ブルックナーを心より愛する者の一人として...

投稿日:2017/11/25 (土)

ブルックナーを心より愛する者の一人として、この指揮者の遺したブルックナー録音が少ないことはとても残念だと感じさせるディスク。息の長いフレーズ、弦楽器の艶やかな響きの上に木管楽器が対話する辺りはブルックナーファンにとっては涙が出るほど感動的だ。第一楽章のコーダもしかり、第二楽章にも随所でこうした美しい音楽が流れる。第三楽章は直線的にならず広がりを持ち、躍動的で雄渾な音楽は本当に87歳の指揮者によるものかと驚かされる。全体的に音楽はゆったりと流れるが、その流れがとても自然で、恣意的にならない。このマエストロがこのように素晴らしいブルックナー録音を遺してくれた事に心から感謝したい。最後に、シュツットガルト放響はこんなに美しい響きをもつオーケストラだったのかと自分の認識不足を恥じ入るばかり。

かんたあびれ さん | 神奈川県 | 不明

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もう5年前だったかに1回投稿したのがまだ...

投稿日:2013/07/13 (土)

もう5年前だったかに1回投稿したのがまだ残っていた。あの頃は、今でも好きなんだが、マズア/LGOのが気に入っていた頃だった。もちろん、朝比奈・ヴァント等も多く出ていた時代に敢えて、第2楽章のアダージョのクライマックスでのあのうるさいシンバルがないこと、そしてその直前のヴァイオリンの3連符の和音の美しいことなどを考えてマズアに1票入れてあげたのだった。このザンデルリンクの盤ももちろんハース版にて、あのうるさいだけのシンバルが入ってないので安心して聴ける。テンポはインテンポではなく微妙に動いて聴こえるが、ライブなのでそれも良いと思う。小生はブル7を聴く時は、特に初めてその演奏を聴く時は、アダージョのクライマックスを聴くことにしているがこの盤も素晴らしい演奏だった。後になってアーベントロートのを聴くことが出来たが彼の演奏も引き締まった素晴らしい演奏だった。ただし彼の演奏にはティンパニだけが低く入っていた気がしたが(インバルの演奏もそうだった)、こういう解釈もあるんだなあ、と感心させられたものだった。朝比奈もヴァントもハース版だった。どうして最近の指揮者はノヴァークのあの「雑音入り」を好むのだろうか?もう半世紀も前のアーベントロート演奏が昨今のやたら綺麗なだけの演奏よりよっぽど素晴らしく聴こえるのは小生だけだろうか?話が横道にそれたがこのザンデルリンクの演奏はもっともっと評価されて良い演奏である。小生の未だに好きなマズアのものと共に・・・。

mid-massa さん | 三重県 | 不明

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数多くのコメントの中に,はっきりした指摘...

投稿日:2012/07/03 (火)

数多くのコメントの中に,はっきりした指摘が無いのが不思議な気がするが,第2楽章のはじめ,第1主題部の遅さとピアニッシモに驚かされる。深い悲しみに沈潜するかのようなその味わいは格別である。親しみやすい第2主題からはやや速くなり,弛緩した演奏にはなっていない。この曲の魅力ある演奏の一つとして,是非とも聴いて頂きたい。

スカルダネリ さん | 東京都 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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