CD 輸入盤

ピアノ協奏曲第1番 クリスチャン・ツィメルマン、サイモン・ラトル&ベルリン・フィル

ブラームス(1833-1897)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4775413
組み枚数
:
1
レーベル
:
Dg
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
ツィメルマン、ラトル&ベルリン・フィル
デジパック装丁限定盤

ラトル&ベルリン・フィルが珍しくドイツ・グラモフォンに録音したことでも話題になったツィメルマンとのブラームスのピアノ協奏曲第1番は、録音会場も含めて興味深い条件が揃っています。

【孤高のピアニスト、ツィメルマン】
「私は1つの曲を完璧に準備するのに10年を要します。」世界的な名声に溺れることなく、納得のゆくまで自己のレパートリーを磨き上げ、その解釈を徹底的に掘り下げることで知られる孤高のピアニスト、ツィメルマンのブラームス。
 レコーディングに厳しく、再録音をあまりおこなわないツィメルマンとしては珍しい約20年ぶりのこの録音では、作品の正しいテンポを考えるために80種以上ものレコードに耳を傾けるなど、いつも以上の入念な準備を経て演奏に臨んだというだけあって、素晴らしい成果が示されています。

【不満な点もあった旧録音】
ツィメルマンは1984年にバーンスタイン指揮でこの作品を録音して、評判を呼んでいますが、ライナーノートに記されたインタビューでツィメルマンは「録音とはすべて一瞬の記録」といかにも彼らしい思慮深い発言のあと、実はレコーディング用に選んだ楽器が交通事故で届かず、まったく予定外のピアノを弾かされたこと、映像収録も兼ねたセッションだったため照明や吸音材等に取り巻かれていたことなど、そのレコーディングが悔いの残るものであったことを明かしていました。

【万全の体制で臨んだセッション録音】
それだけに、今回の録音には万全が期されたのでしょう。通常のコンサート・ホールではなく「スコアリング・ステージ」というレコーディング専用スタジオが選ばれ、なによりラトル&ベルリン・フィルという強力なパートナーをEMIから借り受けて、望みうる最上の環境が用意されているのです。

【ベルリン・フィル本来の響きに圧倒】
そうした諸条件の良さもあり、仕上がりはまさに圧巻のひと言。まずはベルリン・フィルの凄い迫力に驚きで、ヴァイオリンを左右にふり分けた対向配置によって翼のように広がった高弦の張りつめた響き、左手奥から聴こえてくる低弦の重厚な厚みと、時に荒々しいまでの威力がたまりません。録音スタジオでのセッションであることも功を奏したのでしょうか、既に相当な数になるラトルとベルリン・フィルのCDの中でも、リアルな迫力ということではズバ抜けた仕上がりとなっています。

【協奏曲の醍醐味を伝えるツィメルマンの熱演】
対するツィメルマンのソロも気合い充分。ベルリン・フィルの圧倒的な勢力をたったひとりで押し返す剛毅な表現と輝かしい音色が目覚しく、第1楽章展開部冒頭の強烈な打鍵(トラック1、11分27秒付近)、同じく展開部後半から再現部にかけてのオケとの凄絶な競り合い(トラック1、13分23秒〜)など、これこそコンチェルトの醍醐味といいたくなります。しかも、そんな力技の応酬のさなかにあって豊富なニュアンスが一瞬も失われていないのですから、その高度な技量には恐れ入るばかりです。
 ツィメルマンの神経こまやかな表現力は、静謐な第2楽章でより明瞭に聴くことができますが、ここでも毅然とした雄々しさを常にたたえているところが、旧盤とは異なる今回の演奏のポイントです。ラトルの細心をきわめたサポートにも注目で、複雑な味わいを秘めた木管楽器の響きなど筆舌に尽くせません。
 第3楽章はピアノ、オケともに切れ味バツグン。作曲当時26歳だったブラームスの覇気をダイレクトに体現したかのような躍動感が秀逸、カデンツァに相当するピアノ・ソロ(トラック3、08分04秒〜)も、その輝きといいしなやかさといい文句なし。フィナーレ直前にあらわれるヴァイオリンの主題が左右に飛び交う効果(トラック3、10分45秒〜)も満点です。

【ツィメルマンとラトルそれぞれの別録音】
ちなみに、ツィメルマン、ラトルともに、同曲は2度目のレコーディング。バーンスタイン指揮によるツィメルマン旧盤の演奏時間は54分03秒、アンスネス独奏によるラトル旧盤は49分03秒、バレンボイム独奏によるラトルのDVDは53分24秒でした。(HMV)

【収録情報】
・ブラームス:ピアノ協奏曲第1番ニ短調 op.15[50:58]
 第1楽章:Maestoso [23:16]
 第2楽章:Adagio [15:38]
 第3楽章:Rondo : Allegro non troppo [12:04]

 クリスチャン・ツィメルマン(p)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 サー・サイモン・ラトル(指揮)

 録音時期:2003年12月
 録音場所:ベルリン、スコアリング・ステージ
 録音方式:デジタル(セッション)

収録曲   

  • 01. Concerto for Piano no 1 in D minor, Op. 15
  • 02. Concerto for Piano no 1 in D minor, Op. 15
  • 03. Concerto for Piano no 1 in D minor, Op. 15

総合評価

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高級食材を使った料理を食べたが、さっぱり...

投稿日:2019/10/05 (土)

高級食材を使った料理を食べたが、さっぱり美味しくない。それがこの演奏。何か入れ忘れている感じ。

じゅんとねね さん | 北海道 | 不明

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今更ですが本盤はツィマーマンのショパン協奏曲ポーラン...

投稿日:2015/05/10 (日)

今更ですが本盤はツィマーマンのショパン協奏曲ポーランド祝祭管盤と同格のクオリティーを持った超高音質録音盤です。ツィマーマンのこだわりが見えます。名盤!

井熊 さん | 静岡県 | 不明

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バーンスタインとの2番が充実したできだっ...

投稿日:2014/01/04 (土)

バーンスタインとの2番が充実したできだったので、当演奏にも興味がもたれたが、反面もうひとつ奏者が曲に合わないのではないかという思いもあった。その理由として、ツィマーマンのスタイルは確かに曲の音楽的側面にも充分に心くばりされたものではあるが、それが内面の直接的放射というより一旦デジタル的に解析され客観化されたものの集積のように感じられるからである。言葉を換えれば下書きされたものを塗り絵で埋めていくような印象があるわけである。それで1番というのは2番のような老獪な複雑さがないかわりに青春的な叙情が純粋に表現されていると考えられ、その点で奏者とのスタイルと合うかということではあるが、聴いてみてはからずも、その予感は的中してしまった気がする。そもそも正直なところ第1番の演奏で小生の限られた聴験の中で納得したものは正規録音ものとしてはセル/フライシャー盤のみである。バックハウスもギレリスもポリーニもアシュケナージも余り良くなかった。その理由としては第一楽章の第2主題をはじめとするピアノパートの透き通るような和音のデリカシーにあるのではと考えられる。これなくして音楽にある濃密な夜の叙情と青春の息吹というべきものは伝わって来ない。

M さん | 愛知県 | 不明

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人物・団体紹介

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ブラームス(1833-1897)

1833年:北ドイツのハンブルクでヨハネス・ブラームス誕生。 1843年:演奏会にピアニストとして出演。作曲家、ピアニストのマルクスゼンに師事。 1852年:ピアノ・ソナタ第2番が完成。 1853年:ピアノ・ソナタ第1番、ピアノ・ソナタ第3番が完成。 1854年:ピアノ三重奏曲第1番、シューマンの主題による変奏曲が完成。

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