ピアノ協奏曲『ドリームスケープ』、ヴァイオリン協奏曲、面影　シル＆メトロポリス・アンサンブル、ハニック、Ｋ．リー

ヴィヴィアン・フング：ドリームスケープ

カナダのエドモントンに生まれ、現在はニューヨークに住む女性作曲家、ヴィヴィアン・フング（1975-）。彼女の両親はベトナム生まれの中国人亡命者であり、もちろん彼女もアジアの影響を強く受けていることは間違いありません。このアルバムに収録された３つの作品は、インドネシアのガムラン音楽に起源を持ち、東洋と西洋の文化が見事に融合された響きをみせてくれています。完成されたばかりのヴァイオリン協奏曲は、彼女の良き理解者であるヴァイオリニスト、クリスティン・リーのために作曲されたものです。2009年にピアノ協奏曲が初演された時にリーがコンサート・マスターを務めていて、その時に意気投合したという二人。このヴァイオリン協奏曲を作曲する際も、連れだってバリへ行き、様々な要素を吸収してきたのだとか。2006年に書かれたプリペアド・ピアノのための『面影』は、明らかにジョン・ケージからヒントを得ている曲ですが、その響きは多彩であり、ゲーム音楽に慣れた現代の人の耳には、却って懐かしささえ感じさせる音かもしれません。（NAXOS）

【収録情報】
ヴィヴィアン・フング：
1.　ヴァイオリン協奏曲 (2010-2011)
2.　プリペアド・ピアノのための『面影』 (2006) （kotekan／雪／聖歌）
3.　ピアノ協奏曲『ドリームスケープ』 (2009)

　クリスティン・リー（ヴァイオリン：1）
　コナー・ハニック（ピアノ：2,3）
　メトロポリス・アンサンブル（1,3）
　アンドリュー・シル（指揮：1,3）

　録音時期：2011年9月（1,3）、11月（2）
　録音場所：タングルウッド、セイジ・オザワ・ホール（1,3）　ニューヨーク、オクタヴェン・オーディオ（2）
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）