フランシス・スコット・フィッツジェラルド

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夜はやさし

フランシス・スコット・フィッツジェラルド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784861824807
ISBN 10 : 486182480X
フォーマット
出版社
発行年月
2014年07月
日本
追加情報
:
595p;20

内容詳細

失意と苦悩のなかで書き継がれたフィッツジェラルドの最後の長篇!附:森慎一郎編訳「小説『夜はやさし』の舞台裏―作者とその周辺の人々の書簡より」小説の執筆が始まった1925年から作者が没する1940年までの『夜はやさし』に関わる書簡を抜粋・選録。

【著者紹介】
F.スコットフィッツジェラルド : 1896‐1940。アメリカの小説家。いわゆる「ロスト・ジェネレーション」を代表する作家。プリンストン大学中退後、第一次世界大戦に従軍を志願。アラバマ駐屯地でゼルダ・セイヤーと出会い、1920年、処女作『楽園のこちら側』刊行後、結婚。妻ゼルダとともに当時の若者のライフスタイルに大きな影響を与えた時代の寵児となる。晩年はアルコールに溺れ、精神を病んだゼルダとの葛藤など、失意の中で生涯を閉じる

森慎一郎 : 1972年岡山市生まれ。京都大学大学院文学研究科准教授。専攻はアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Book & Travel さん

    フィッツジェラルド最後の長編作品。精神科医として成功し、社交的で誰からも好かれるディック・ダイヴァー。彼の抱える妻ニコルの問題、そこから少しずつ崩壊していく姿が描かれる。最初は読み辛く感じたが、彼の状況が判るにつれ、美しい文章と脆く儚い物語に惹き込まれ、後半は一気読み。特にあがき続けるようなラストは胸に残った。巻末の村上春樹氏と訳者の解説、著者の書簡で、『グレートギャツビー』の成功後、本作の執筆が進まず、妻が精神を病み、自身も崩れていく作家の姿を知る。完成された芸術作品のような『ギャツビー』も良かったが⇒

  • たーぼー さん

    昨年翻訳されたものだが、その読み易さに驚く。ニコル「頭のいい人はみんなダメになるのね最近は」。ディック「最近だけじゃない」。こんな何気ない男女の会話の直後に男から発せられる或る言葉が小説を超え現実を突きつける。そしてローズマリーの痛々しいまでに偽りのない告白。やはり、フィッツジェラルドの審美眼の確かさ、人と人を通わせる精神的手段の豊かさは唯一無二だ。繰り返される失意と再生。彼らもまた人の輪廻に飲み込まれる。しかし何も特別なことはない。それは暗闇と狂気の上に陽の輝きがあることと同じではなかろうか。

  • 田中 さん

    以前に読んだ改訂版(谷口睦男訳・角川文庫)より、このオリジナル版の方が断然に良かった。詩情的で美しい文章に触れる。森慎一郎の翻訳が優れている。いつも軽口を叩き、座を和ませるディックは人気者だ。妻のニコルは、精神が病んでいるため発作的な狂態をさらすことがある。夫はいつも献身的に妻を庇護し愛する。でも美貌のローズマリーと恋仲に陥りディックの良質さが失われていった。繊細な妻に滋養を与え続けたことで自己の魂がいつの間にか損耗した。ニコルの精神が緩慢に回復していくのとは逆に、ディックには哀しい道筋になるのだ。

  • 春ドーナツ さん

    昔々ホーム社版を読んだことがある。再読にあたって「夜の場面」を意識して追ってみたいと思う。「天地を隔てる虚ろな空間」で、ディックは「司祭の上祭服のような黒い上着」を着ていた。彼女たちにとって彼の心の内も黒いヴェールで覆われている。黒と黒が混じりあうことはなく、影絵のお芝居のようにそれぞれが際立っているように感じる。例えば、カメラのフラッシュが焚かれる。夜を背景にして残像がしばらく残る。それを私は「未練」と名付けたいと思う。連想の流れはパチパチ爆ぜて何だか切ない線香花火を呼び寄せる。夜は心を映す鏡でもある。

  • ゆき さん

    ディックは愛されたかった、誰よりも若い頃から、愛されることが一つの習慣になっていた、ニコルのため、ローズマリーのため、彼は完璧であろうと思い、酒に溺れ崩壊していく彼が切なかった。

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