CD 輸入盤

スクリャービン:『法悦の詩』ピアノ版、メシアン:『幼子イエスに注ぐ20のまなざし』より、ケルケル:スクリャービンの記念碑、他 レットベリ

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
ES2058
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Germany
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


スクリャービン『法悦の詩』ピアノ版、、他
マリア・レットベリ(ピアノ)


2007年に発売したスクリャービンの ピアノ独奏曲全集が高く評価され、現代屈指のスクリャービン弾きとして知られるようになってきたマリア・レットベリは、ラトヴィアに生まれ、サンクト・ペテルブルグ音楽院で学んだスウェーデン国籍のピアニスト。
 今回のアルバムは、スクリャービンらしい魅力が詰まったオーケストラ名曲、『法悦の詩』をピアノ独奏用に編曲したヴァージョンを中心に、スクリャービン由来の作品や、スクリャービンに通じる部分を持つ作品を集めたものです。
 『法悦の詩』のピアノ編曲というとこれまで4手ピアノ用のものが知られていましたが、今度はロシアのセルゲイ・パヴチンスキによるピアノ独奏版というのが注目されるところです。パヴチンスキはワーグナーの「葬送行進曲」「森のささやき」「ワルキューレの騎行」のピアノ編曲をおこなっていた人物でもあります。(HMV)

【収録情報】
● スクリャービン:法悦の詩(S.パヴチンスキによるピアノ編曲版)
● リスト:悲しみのゴンドラ第2番
● ハラルト・バンター[1930-]:誕生と旅立ち−スクリャービンへのオマージュ
● マンフレート・ケルケル[1929-1999]:スクリャービンの記念碑
● メシアン:幼子イエスに注ぐ20のまなざし〜第1番『父のまなざし』
● メシアン:幼子イエスに注ぐ20のまなざし〜第20番『愛の教会のまなざし』


 マリア・レットベリ(ピアノ)

 録音時期:2014年11月4-6日
 録音場所:ベルリン、スタジオ・ブリッツ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

その他のバージョン

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収録曲   

ユーザーレビュー

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2004年にCD8枚からなるスクリャービン(Ale...

投稿日:2021/07/08 (木)

2004年にCD8枚からなるスクリャービン(Alexandre Scriabine 1872-1915)のピアノ独奏曲全集を録音したスウェーデンのピアニスト、マリア・レットベリ(Maria Lettberg 1970-)が、スクリャービンの没後100年となる2015年を記念してリリースした企画盤。収録された作品のうち、冒頭曲は、レットベリの意向に基づいて、ロシアの作曲家、パヴチンスキがあらたにピアノ編曲を手掛けたものだが、その他の作品は、スクリャービンに深く傾倒するレットベリ自身によって、スクリャービン作品との関係性から、本アルバムに取り上げられたもの。当盤は輸入盤なのだが、ありがたいことに、ブックレットに収録されているレットベリのインタビューには日本語訳も添付してあるため、これらの作品の背景について容易に知ることが出来る。それによると、ドイツの作曲家バンターは、ヘンツェに師事し、ボーダレス的な音楽活動を行っている人物で、スクリャービンの象徴的なアイデアを、自作に取り込んだ作品を手掛けている人物とのこと。また、同じドイツの作曲家ケルケルは、メシアンの弟子で、スクリャービンの未完の大作「神秘劇」の序幕のスケッチを研究し、これの編作を試みた人物とのこと。ちなみに、その「神秘劇」の序幕」部分は、ネムティンにより総譜が補筆完成され、アシュケナージ指揮で録音されたものがある。また、メシアン、リストの作品には、それぞれスクリャービン的な効果が含まれている楽曲を選んだらしい。私は、当盤を聴きながら、その曲目リストを眺め、リットベリのインタビューを読んでいると、2011年にフランスのピアニスト、エマールが録音した「ザ・リスト・プロジェクト」というアルバムのことを思い出した。それはリスト作品と、その影響を受けた作曲家の作品を交互のペアで弾くというスタイルで、エマールは冒頭にリストの「悲しみのゴンドラ」を弾き、6曲目にスクリャービンのピアノ・ソナタの第9番を弾いていた。いま、そのアルバムを引っ張り出してみると、その前後は、リストの凶星!とロ短調ソナタになっている。レットベリはリストの後期の作品に、スクリャービンを思わせる音色が多く使用されていることに言及していて、それはエマールの意図と重なるところがあるのかもしれない。また、当盤を通して聴いてみると、メシアンの「父のまなざし」と、リストの「悲しみのゴンドラ第2番」にも、とても似通った雰囲気が流れていることにも気づかされる。そのようなわけで、曲目だけでも十二分に興味深いアルバムなのだが、演奏もなかなか魅力的だ。レットベリの演奏は、リズムにそれほど厳格な感じはしないが、やや丸みをもった音色が雰囲気豊かで、これらの楽曲の表情にとてもよく合致している。「法悦の詩」は、編曲も健闘していて、原曲の面白みを精一杯鍵盤上で復元している。もちろん、この曲の場合、音色や感情表現の豊かさという点において、オーケストラの音色は必須なものだ、と私は思うのだけれど、それでもピアノでもここまで出来るというのは、立派な試み。他の楽曲も、リットベリの前述のスタイルが、よりスクリャービンを思わせる味わいに近づけていて、互いの曲の位置関係を接近させ、アルバムの目論みを成功に導いた感がある。とにかく、バンター、ケルケルの初めて聴いた作品は、私には面白く、スクリャービンの影響力を改めて思い知った。

ココパナ さん | 北海道 | 不明

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