【中古:盤質A】 ヴィルヘルム・ケンプ　コンチェルト・レコーディングス（１４ＣＤ）

ケンプ／協奏曲録音集
ベートーヴェン、モーツァルト、シューマン、ブラームス、リスト

ベストセラーとなった「ソロ・レコーディングス」に続き、今度はピアノ協奏曲を集めた「コンチェルト・レコーディングス」１４枚組ボックスの登場です。
　独墺音楽ファンに人気の高い有名録音をお買得価格で手軽にコレクションできるほか、珍しい初期の録音も含む聴き較べも楽しい内容は、コレクターやマニアの方にも歓迎されることでしょう。

【ケンプのピアニズム】
教会オルガニストの家庭に生まれたケンプは、ピアノ、オルガンのほか、作曲と音楽史、哲学も学んでいます。ケンプの演奏には、いわゆる行間を読むアプローチともいうべき、独特の味わいのあるものが多く、60年代以降は特にそうした傾向が強くなり、独墺系のレパートリーに無類の強さを発揮してもいました。一方でケンプの演奏は、ブレンデルが称えたようにリズミカルな性格の面白さも備わっており、それらは50年代までの演奏に顕著に表れていたようにも思います。

【聴き較べの面白さ】
今回のセットでは、ケンプのそうした二つの側面、詩的な美の世界と、雄弁なリズムの世界を堪能できる盛りだくさんな内容となっており、たとえばベートーヴェンのピアノ協奏曲ではそうしたケンプの魅力を味わうことができます。
　50年代のケンペン指揮ベルリン・フィルとの全集では、生き生きと躍動する壮健な名演を聴かせ、60年代のライトナー指揮ベルリン・フィルとの全集では、奥行きのある解釈によってロマンを深く掘り下げています。さらにここでは、20年代の第1番、30年代の第5番、40年代の第3番と第4番も聴くことができるため、ケンプの芸風の変遷を追うという意味でも非常に興味深い構成と言えると思います。
　シューマンは50年代のクリップスとの共演と、70年代のクーベリックとの共演を収録。どちらもシューマンの抒情を大切にした演奏ですが、クーベリック盤では自在な表現がケンプ晩年の境地を伝えて感動的な仕上がりとなっています。
　その他、ここではモーツァルトとブラームス、リストの協奏曲も収められ、ケンプならではの豊かな表現により、隅々まで音楽の表情を楽しむことができます。（ＨＭＶ）

【収録情報】
Disc1-2
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第1番ハ長調 op.15
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.19
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第3番ハ短調 op.37
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58

　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
　フェルディナンド・ライトナー（指揮）
　録音時期：1961年6月、7月
　録音場所：ベルリン、UFAトンスタジオ
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

Disc3
・ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73『皇帝』
　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
　フェルディナンド・ライトナー（指揮）
　録音時期：1961年7月
　録音場所：ベルリン、UFAトンスタジオ
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

・モーツァルト：ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
・モーツァルト：コンサート・ロンド K.382
　ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
　パウル・ヴァン・ケンペン（指揮）
　録音時期：1941年
　録音場所：ベルリン
　録音方式：モノラル

Disc4-5
・モーツァルト：ピアノ協奏曲23番イ長調 K.488
・モーツァルト：ピアノ協奏曲24番ハ短調 K.491
　バンベルク交響楽団
　フェルディナンド・ライトナー（指揮）
　録音時期：1960年4月
　録音場所：バンベルク、クルトゥーラウム
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

・モーツァルト：ピアノ協奏曲第8番ハ長調 K.246『リュッツォウ』
　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
　フェルディナント・ライトナー（指揮）
　録音時期：1962年1月
　録音場所：ベルリン、UFAトンスタジオ
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

Disc6
・モーツァルト：ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
・モーツァルト：ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
　バイエルン放送交響楽団
　ベルンハルト・クレー（指揮）
　録音時期：1977年5月
　録音場所：ミュンヘン、ヘルクレスザール
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

Disc7
・シューマン：ピアノ協奏曲イ短調 op.54
・シューマン：ピアノ小協奏曲（序奏とアレグロ・アパッショナート）ト長調 op.92
　バイエルン放送交響楽団
　ラファエル・クーベリック（指揮）
　録音時期：1973年12月
　録音場所：ミュンヘン、ヘルクレスザール
　録音方式：ステレオ（アナログ／セッション）

Disc8-9
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第1番ハ長調 op.15
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.19
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第3番ハ短調 op.37
・ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73『皇帝』
　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
　パウル・ヴァン・ケンペン（指揮）
　録音時期：1953年5月
　録音場所：ベルリン、イエス・キリスト教会
　録音方式：モノラル（セッション）

Disc10
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
　パウル・ヴァン・ケンペン（指揮）
　録音時期：1953年5月
　録音場所：ベルリン、イエス・キリスト教会
　録音方式：モノラル（セッション）

・ブラームス：ピアノ協奏曲第1番ニ短調 op.15
　シュターツカペレ・ドレスデン
　フランツ・コンヴィチュニー（指揮）
　録音時期：1957年5月
　録音場所：ドレスデン、十字架教会
　録音方式：モノラル（セッション）

Disc11
・モーツァルト：ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271『ジュノーム』
・モーツァルト：ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450
　シュトゥットガルト室内管弦楽団
　カール・ミュンヒンガー（指揮）
　録音時期：1953年9月
　録音場所：ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール
　録音方式：モノラル（セッション）
　音源：DECCA

Disc12
・シューマン：ピアノ協奏曲イ短調 op.54
　ロンドン交響楽団
　ヨゼフ・クリップス（指揮）
　録音時期：1953年9月
　録音場所：ロンドン、キングズウェイ・ホール
　録音方式：モノラル（セッション）
　音源：DECCA
　
・リスト：ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124
・リスト：ピアノ協奏曲第2番イ長調 S.125
　ロンドン交響楽団
　アナトール・フィストゥラーリ（指揮）
　録音時期：1954年6月
　録音場所：ロンドン、キングズウェイ・ホール
　録音方式：モノラル（セッション）
　音源：DECCA

Disc13
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第1番ハ長調 op.15
　ベルリン国立歌劇場管弦楽団
　指揮者不詳
　録音時期：1925年9月
　録音方式：モノラル

・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第3番ハ短調 op.37
　ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
　パウル・ヴァン・ケンペン（指揮）
　録音時期：1942年6月
　録音場所：ベルリン
　録音方式：モノラル

Disc14
・ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
　ドイツ・オペラ管弦楽団
　パウル・ヴァン・ケンペン（指揮）
　録音時期：1941年4月
　録音方式：モノラル

・ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73『皇帝』
　ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
　ペーター・ラーベ（指揮）
　録音時期：1936年6月
　録音場所：ベルリン、ポリドール・スタジオ
　録音方式：モノラル（セッション）

　ヴィルヘルム・ケンプ（ピアノ）