CD

『ミューズと前衛』〜革命前夜のロシア・ピアノ音楽 メジューエワ(2CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
WAKA4164
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明

「夢の欠片が、どこまでも透明な輝きを放っているばかりだ」 (浅田 彰)
イリーナ・メジューエワ/『ミューズと前衛』〜革命前夜のロシア・ピアノ音楽


※様々な音楽的実験が繰り広げられていた1910年代、革命前夜のロシア音楽に焦点をあてたアルバム。スクリャービン(1872-1915)後期の「終末」の精神世界。ルリエ(1892-1966)作品にみられる幾何学的要素。プロコフィエフ(1891-1953)の鮮烈なアイロニー。そして「音組織の新体系」へと突き進んでゆくロスラヴェッツ(1881-1944)。いっぽうで保守的な作風を保ちながらも「抒情の革新」を試みたメトネル(1880-1951)。
進境著しいロシアのピアニスト、メジューエワ独自のパースペテクティヴにより、この時代のロシア音楽の豊穣さが改めて浮き彫りにされます。なお、アルバム・タイトルはメトネルの著書名『ミューズと流行(ファッション)』(1935)に掛けたもの。超難曲として知られるメトネルのソナタ『夜の風』のライヴ録音も話題を呼びそうです。(TOBU)

(ライナーノートより)
「メジューエワは、かつてのアヴァンギャルドの音楽を、また、当時保守的と言われた音楽をも、等距離から読み解き、あくまで端正な音楽として現代に甦らせる。…一世紀近い時間を氷に閉ざされて生き延びてきた夢の欠片が、どこまでも透明な輝きを放っているばかりだ」 〜 浅田 彰 (京都造形芸術大学大学院長)

「メジューエワのスクリャービン演奏は、まさに、そのようにして世界が溶けるさまを、あたかもクリスタルガラスに盛りつけるかのようにして明晰に構造化している。無機的なものと神秘的なものとのまれな融合――」
〜 亀山郁夫 (ロシア文学者、東京外国語大学長)

【収録情報】
disc-1
・スクリャービン:5つのプレリュード Op.74
・スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第10番 Op.70
・スクリャービン:2つの詩曲 Op.69
・ルリエ:大気のかたち
・プロコフィエフ:風刺 Op.17
・ロスラヴェッツ:5つのプレリュード(1919-22)より第2番・第4番・第5番

disc-2
・メトネル:ピアノ・ソナタ ホ短調 Op.25-2『夜の風』

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

 録音:
 2012年5月、新川文化ホール(スクリャービン&ルリエ)(DSD録音)
 2010年9月、新川文化ホール(プロコフィエフ&ロスラヴェッツ)(digital録音)
 2009年10月2日、HAKUJUホール(東京)におけるライヴ録音(メトネル)(digital録音)

ユーザーレビュー

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私も、ここに収められているソナタ「夜の風...

投稿日:2014/03/05 (水)

私も、ここに収められているソナタ「夜の風」を実演で聴いていましたが、途中で寝てしまったので、後から録音として聴けるのはうれしい限りです。内容は、同じレーベル(若林工房)から出ている旧盤よりも音の抜けが良く、それでいてホールトーンも捉えられており、ライブ録音であるにもかかわらず、セッション録音の旧盤を上回る出来です!演奏は、旧盤より若干テンポが遅いため、当盤のほうが重量感があります。スクリャービンの詩曲や第10ソナタは、この奏者では雰囲気が重くなりすぎるのではないかという不安もありましたが、調律の影響もあるのか、さすがにソフロニツキーやアウストボほど軽やかではないものの、彼女の演奏で、楽曲の魅力を再認識させられました。ロスラヴェッツは、解説にあるようにスクリャービンを模した作風で、初めて聴きましたが、スクリャービンよりも単調で、あまり面白くありませんでした。むしろ、意外に良かったのはルリエ。無調の作品ながら、演奏時間が短いこともあって、飽きずに聞けます。「大気のかたち」というタイトルですが、空中を漂うように高音を断片的に紡いでいくフレーズだけでなく、低音を強打する場面も多いので、積乱雲が発達して雷が鳴るような現象もイメージされます。彼女の演奏を聴いたことがある方なら、買って損はない1枚でしょう。

のろま さん | 東京都 | 不明

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「夜の風」について書きます。 先に出てい...

投稿日:2012/09/17 (月)

「夜の風」について書きます。 先に出ている2003年録音のCD(WAKA-4107)は、長年クラシックを聴いてきた私に、もう一度ピアノ音楽を真剣に聴いてみようと思わせてくれた記念碑的な存在でした。私がピアノに求める全てがそこにあり、私の「無人島に待っていく1枚」となりました。 今回のDisc-2の2009年10月2日のHAKUJUホールの演奏を、私は第1列の中央(メジューエワさんに一番近い席)で聴きました。実は、メトネルの最高傑作であり難曲であるこの曲を、はたして実演で完璧に演奏することができるものなのか、少し心配しながら席につきました。CDの印象が崩れてしまうのではないかと恐れたのです。しかし、最初のダン・ダ・ダ、ダン・ダ・ダ(G-E-E)という力強い3音の繰り返しが、確信を持って鳴らされた瞬間に、私の杞憂は吹っ飛び、以前のCDの演奏をはるかに凌ぐスケールの音楽が始まることを実感しました。メジューエワさんが、この曲を公開の席で演奏するのは8年ぶりだったそうですが、おそらく以前の演奏とは比べ物にならないくらい成熟した演奏になったのだと思います。最後の1音まで緊張が途切れることがなく、聴き手にとっても稀有な体験でした。たった1台のピアノをたった1人のピアニストがたった10本の指で弾いているとことが、目の前で見ていても信じられないくらいです。そこには、ただ偉大な音楽が流れているだけです。メジューエワさんは、ひたすら音楽に没頭し、音楽に奉仕しています。私は、メジューエワさんと同じ時代に同じ東京に生きており、こんなすごい演奏を聴かせていただいたことを奇跡のように感じ、感謝しました。演奏後、メジューエワさんの目も潤んでおり、会心の演奏であったことが分かりました。私は、「おめでとう、ありがとう」と心の中でつぶやきました。 当日、演奏の収録があることはアナウンスされていましたが、CDはなかなか発売されず、どうなったのかと思っていました。今回、CDを聴いて、あの日が蘇りました。音は、私の席で聴いたのよりも残響が多く、少し違和感を覚えますが、音色はよく再現できており、スケール感も十分です。Disc-1も含め、この素晴らしいCDを、心ある人々が(だけが)繰り返し聴いてくださることを期待します。

楽響の時 さん | 東京都 | 不明

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今年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポ...

投稿日:2012/09/13 (木)

今年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」の演奏会で、メジューエワさんはこのCDにも収録されているプロコフィエフ:風刺、ロスラヴェッツ:5つの前奏曲より第2番・第4番・第5番を弾かれています。そしてアンコールに演奏したのがルリエ:大気のかたち、でした。当日は初めてメジューエワさんの演奏を聴く方も多かったようで、このプログラムに少し戸惑っている様子でした。私も随分と渋いプログラムだなぁと感じて、終演後にご本人に「ずいぶん渋い選曲でしたね」とお話ししますと「そうですね、渋すぎましたかなね」と微笑んでおられました。私も不勉強で、ロスラヴェッツもルリエも初めて聴いたので、そのことをメジューエワさんの関係者の方に正直にお話したのですが、「プロコフィエフと1歳違いの作曲家で音楽関係者でも知ってる人は少ないですよ」とのことでした。その時は次回のアルバムにこれらの曲が収録されるとは思ってもいなかったので、このアルバムの発表を知って驚きました。メジューエワさんの録音を全て聴いているファンの一人としてはこのような「やや渋い」選曲のアルバムは大歓迎で、まだCDを聴いてはいないのですが、前途の演奏会でのプロコフィエフ、ロスラヴェッツ、ルリエの気合の入った素晴らしい演奏を聴いているので、ここでは満点とさせていただきます。皆様御存知のように、メジューエワさんはいつでも私達の期待を裏切ることはないからです。2枚目のメトネル:夜の歌ですが、こちらは2009年10月2日にHAKUJUホールで行われたリサイタルのライブですが、当日の演奏会も聴いていますが、この難曲を一瞬たりとも弛緩することがなく強い緊張感をたたえた名演で、CDに収録する予定だと伺っていたので、いつになるのかなぁと鶴首していた音源・演奏であります。それに加えて私の好きなスクリャービンも収録されているので、個人的には今年一番の楽しみなアルバムであります。

アンフォルタス さん | 東京都 | 不明

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