パレストリーナ：教皇マルチェルスのミサ、アレグリ：ミゼレーレ、他　プレストン＆ウェストミンスター寺院聖歌隊

パレストリーナ：教皇マルチェルスのミサ、アレグリ：ミゼレーレ、他
サイモン・プレストン＆ウェストミンスター寺院聖歌隊

イタリア・ルネッサンスのアカペラ合唱曲のコレクション。美しい旋律と対位法の効果的な使用により、壮麗でありながらも澄み切った合唱サウンドを響き渡らせることで知られる傑作、パレストリーナの『教皇マルチェルスのミサ』をメインに、超高音によるスパイス効果も満点のアレグリのミゼレーレなど魅力的な作品を多数収録しています。
　演奏はドイツ・グラモフォンのバッハ：オルガン曲全集で知られるサイモン・プレストンの指揮するウェストミンスター寺院聖歌隊によるものです。プレストンは聖歌隊員出身のオルガニスト・指揮者で、レコーディング当時はウェストミンスター寺院の正オルガニストの要職にあり、聖歌隊の指揮も受け持っていました。この聖歌隊はイギリスの聖歌隊に多いボーイ・ソプラノ、カウンターテナー、テナー、バスという構成となっており、ルネッサンスの合唱曲歌唱の経験も十分に積んでいるのと、指揮のプレストンが精度の高いアンサンブルを求めることもあって、ここで雰囲気に流れない構築感ある合唱を聴かせています。
　ちなみに、「ウェストミンスター寺院」の南西800メートルほどの場所にある「ウェストミンスター大聖堂」にも聖歌隊があり、「ウェストミンスター大聖堂聖歌隊」として活躍しています。
　「ウェストミンスター寺院聖歌隊」は英国教会系、「ウェストミンスター大聖堂聖歌隊」はカトリック系という組織の違いはありますが、どちら水準の高い合唱を聴かせることで知られており、ウェストミンスター大聖堂聖歌隊が1987年に大聖堂でレコーディングしたパレストリーナのマルチェルス・ミサはかつてベストセラーを記録してもいました。
　プレストン指揮ウェストミンスター寺院聖歌隊の演奏は、セッション録音で多用されるオール・セインツ教会でのレコーディングで、適度な残響によるクリアな響きによって内声部もよく聴こえ、作品の構造が浮き彫りにされる良さがあります。（HMV）

【収録情報】
● パレストリーナ：教皇マルチェルスのミサ
● パレストリーナ：モテトゥス『汝はペテロなり』
● アレグリ：ミゼレーレ
● アネーリオ：モテトゥス『わがもとに来れ』
● ナニーノ：モテトゥス『この日こそ』
● ジョヴァンネッリ：モテトゥス『喜びたたえよ』

　ウェストミンスター寺院聖歌隊
　サイモン・プレストン（指揮）

　録音時期：1985年2月
　録音場所：ロンドン、オール・セインツ教会
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）