怪物はささやく

パトリック・ネス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488593070
ISBN 10 : 4488593070
フォーマット
出版社
発行年月
2017年05月
日本
追加情報
:
254p;15

内容詳細

真夜中過ぎ、墓地にそびえるイチイの大木の怪物がコナーのもとに現われて言う。「おまえに三つの物語を話して聞かせる。わたしが語り終えたら、おまえが四つめを話すのだ」母の病気の悪化、学校での孤立、そんなコナーに怪物は何をもたらすのか。心締めつけられる物語。(ゴヤ賞本年度最多9部門受賞)

【著者紹介】
パトリック・ネス : 1971年米国バージニア州生まれ。南カリフォルニア大学卒業後、1999年に渡英。一般向けの読み物二冊を発表後、YA向けの“混沌の叫び”三部作を刊行。第一部『心のナイフ』でガーディアン賞、第二部『問う者、答える者』でコスタ賞児童書部門、第三部『人という怪物』でカーネギー賞を受賞。その後、シヴォーン・ダウド原案の『怪物はささやく』で二度目のカーネギー賞を受賞した

シヴォーン・ダウド作 : 1960年英国ロンドン生まれ。オックスフォード大学卒業。デビュー作A Swift Pure Cryでブランフォード・ボウズ賞を受賞。死後刊行された『ボグ・チャイルド』でカーネギー賞を受賞した。2007年没

池田真紀子 : 1966年東京生まれ。上智大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • masa さん

    僕らは皆、善悪の間で揺れている。これは人を救うための嘘だと、誰よりそれを欲している自分に嘘をつくこともある。巨悪を滅ぼす代償に、この命を捧げられるだろうか?僕の中に棲む怪物と対峙できるだろうか?ごまかしのような真実から、言葉を救い出せるだろうか?入口しかない井戸みたいな世界に疲弊する。例えば君からの返事すら失った僕は今日、世界から不在だ。僕らは都合のいいものしか見ない。身勝手に苦痛からの解放を望む。だけど、誰かの不幸なんて望んでないんだ。信じてよ。Can I say this story is love?

  • Rin さん

    心の複雑さ。物語の真実と怪物の目的。何よりもコナーが語ることになる真実の物語。それらが明らかになると苦しさが増す。語られる三つの物語とコナーの現実がもどかしくて。コナーの態度にはイライラさせられることもあるけど彼の年齢を考えると、その矛盾も受け止めることができる。先生の言う罰を与える意味や悪夢の本当の姿に。コナーの抱える重たい問題と勇気、母の強さ祖母の愛。全部に胸が熱くなる。真実を語ることの意味。想像することと、行動に移すことの大きな違い。怪物が教えてくれることは苦しくても大切なことをばかりでした。

  • あたびー さん

    両親の離婚、母の病、気の合わない祖母。それに加えて学校でのイジメ、母の病のせいで腫れ物に触るような周囲。13歳のコナーの生活はまるで針のむしろ。或る夜、コナーの元をイチイの樹の精とも取れる巨人の怪物が訪れる。怪物は三つの物語をするから、コナーに四つ目の物語をしろと言った。哲学的とも言えるそれらの物語は、普通の物語のような結末を持っていない。お前を癒すために来たと怪物が言う意味は?ローティーンには難しい内容だと言う気もするが、大人にも同様に難しかった。

  • さっとる◎ さん

    どうして?どうして。どうして。この世界では理不尽で悲しいことが襲ってくるから、私たちはいつだって闘わなくてはならない。どうして?日頃の行いも人柄も関係なく襲ってくるそれには、怒ってもいい。でも、誰も助けてくれない。本当にキツいのは現実に起こっていることなんかじゃなくて、向き合う中で育ついくつもの真実が、自分の信じたくない自分を見せつけてくること。ねぇ、こんなこと、私思いたくないんだよ。だから、自分に嘘をつく。騙しきれないと知っていても。抱えきれないから苦しい。助けて。次はひとりで泣く前に、この本を開こう。

  • 南雲吾朗 さん

    伊藤計劃原案の円城塔が書いた屍者の帝国みたいな感じで、原案はシヴォーン・ダウドだが、この物語は間違えなくパトリック・ネスのものだと思う。児童書だが深い。父親や校長先生が言った「罰など与えて何になる?」という箇所が、特に深い。人間は、罰を与えられることで、許された気がして精神的負担が軽くなる。それでは根本的な問題の解決にはならない。怪物は言う、「人間の心は、毎日、矛盾したことを幾度となく考える。そして人の心は、嘘と真実を同時に信じた自分に罰を与えようとするものだ。」。これって児童には難しいと思うのだが…。

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