CD 輸入盤

ピアノ協奏曲全集 クリスチャン・ツィメルマン、レイフ=オヴェ・アンスネス、エレーヌ・グリモー、ピエール・ブーレーズ&シカゴ響、ベルリン・フィル、ロンドン響

バルトーク (1881-1945)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4775330
組み枚数
:
1
レーベル
:
Dg
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

バルトーク:ピアノ協奏曲全集

@ピアノ協奏曲第1番
  クリスティアン・ツィメルマン(P)
  シカゴ交響楽団
Aピアノ協奏曲第2番
  レイフ=オヴェ・アンスネス(P)
  ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
Bピアノ協奏曲第3番
  エレーヌ・グリモー(P)
  ロンドン交響楽団

 ピエール・ブーレーズ指揮
録音:2001年11月、シカゴ、シンフォニー・ホール@
    2003年2月、ベルリン、フィルハーモニーA
    2004年10月、ロンドン、St.ルークス・ジェルウッド・ホールB

ブーレーズ恐るべし! バルトークのピアノ協奏曲全集が驚異の顔ぶれで登場!!

バルトークのピアノ協奏曲3作品が、巨匠ピエール・ブーレーズの指揮のもと、あっと驚く形で録音された。何しろ、3作とも演奏しているピアニストとオーケストラが違うのだ。それも第1番がツィメルマンとシカゴ響、第2番がアンスネスとベルリン・フィル、第3番がグリモーとロンドン響という、これ以上望みようのないほど贅沢かつ絶妙な組み合わせ。“適材適所”という言葉はこういう時にこそ使うべきだろう。こんなことを実現してしまうなんて、ブーレーズ恐るべし、である。
ここ10年ほどの間に彼がドイツ・グラモフォンから出した録音は粒揃いの名盤ばかりだが、とりわけバルトークに関しては、いずれもマスターピースと呼ぶにふさわしい出来を示している。《中国の不思議な役人》にしても、《オケコン》にしても、《弦チェレ》にしても、この人の手にかかると、奇抜な発想に満ちた作品というより、堂々たる様式美をたたえた古典的名作のように聴こえてくるからおもしろい。“バルトークが奇抜? 難解? それは指揮者が遅れてるだけだ”といわんばかりである。
バルトークのピアノ協奏曲といえば、この作曲家へのエントランスとも言われる人気作品。しかし、ブーレーズが昔ダニエル・バレンボイムと組んで録音した第1番と第3番は、指揮者と独奏者のテンションの差が出た、ぎこちない演奏であった。彼自身、いつか再録音を、と機会を窺っていたに違いない。そして今回、機は熟し、意図通りの“キャスティング”で、彼らしい完璧な録音を世に送り出したわけである。
ピアノを打楽器的に扱った第1番では、ツィメルマンがコントロールのきいた、それでいて勢いのある演奏を聴かせる。熱さと力強さを維持しつつ、細かな音のニュアンスをおろそかにしないオケの力量も大したものだ。ポリーニ/アバド盤以来の理想的なアプローチ、と私は言いたい。バルトークの遺作で、《オケコン》《弦チェレ》と共に最も親しまれている第3番では、グリモーが限りない慈しみを込めたタッチで、作曲家の晩年の境地を表現。“宗教的に”と指示された第2楽章でのオケとのやさしい対話はなかなか感動的だ。ただ、なんといっても、この協奏曲全集の白眉は第2番である。全3作の中では、作曲者自身の「親しみやすく気楽な性格を持っている」という言葉にもかかわらず、ニューロティックで、とっつきにくい印象のある第2番。それがこの演奏で聴くと、うどんでものみこむように楽々とのみこめてしまう。アンサンブルのバランス感覚のすばらしさ(ほかの2作にも共通することだが、ブーレーズは木管の音を際立たせ、美しく響かせる名人である)、テンポ設定のうまさ、アンスネス&ベルリン・フィルの卓越した技術、洗練された音色、どこをとっても文句のつけようがない。そして、すべてが調和している。——なんとなく、この録音を終えた後のブーレーズの満足げな表情が見えてくるようである。(阿部十三)

収録曲   

  • 01. Concerto for Piano no 1, Sz 83
  • 02. Concerto for Piano no 1, Sz 83
  • 03. Concerto for Piano no 1, Sz 83
  • 04. Concerto for Piano no 2, Sz 95
  • 05. Concerto for Piano no 2, Sz 95
  • 06. Concerto for Piano no 2, Sz 95
  • 07. Concerto for Piano no 3, Sz 119
  • 08. Concerto for Piano no 3, Sz 119
  • 09. Concerto for Piano no 3, Sz 119

総合評価

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ツィマーマン、アンスネス、グリモー、それぞれ独立したオケ...

投稿日:2015/07/03 (金)

ツィマーマン、アンスネス、グリモー、それぞれ独立したオケも豪華で素晴らしいのですが、バルトーク独特なパーカッシブなサウンド、又それらの音作りがとても心地好く魅力的です!さすがブーレーズ。お見事!

井熊 さん | 静岡県 | 不明

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 3曲それぞれがとても聴きやすく、いろん...

投稿日:2013/06/04 (火)

 3曲それぞれがとても聴きやすく、いろんな音が耳に飛び込んでくる。そもそも「聴きやすい」のはバルトークにとっていいことなのかよくないことなのか分からないが、古典の名曲のようにお行儀よくきれいに聴こえるCDだ。こう書くとなにやら悪口に聴こえてしまいそうだがいい意味で書いている。3人のピアニストに3つのオーケストラを使う贅沢もすごい・・・。ピアノの音とオケとのバランスの良さから一番気に入っているのはツィメルマン、オケとの掛け合いを楽しみたい時ならアンスネス、疲れた時に聴きたくなるのはグリモーと使い分けができるのもCDならでは。本当にぜいたくなCDだと思う。

うーつん さん | 東京都 | 不明

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本盤にはブーレーズが、各曲毎に異なったピ...

投稿日:2011/08/24 (水)

本盤にはブーレーズが、各曲毎に異なったピアニスト、オーケストラと組んで演奏を行ったバルトークのピアノ協奏曲全集がおさめられているが、いずれも素晴らしい名演と評価したい。それどころか、バルトークのピアノ協奏曲の演奏史上でも、フリッチャイがゲーザ・アンダと組んでベルリン放送交響楽団を指揮した歴史的な超名演(1960、1961年)に次ぐ至高の超名演と高く評価したい。ブーレーズは、1960年代から1970年代にかけては、前衛的とも言えるような先鋭的なアプローチによって聴き手を驚かすような衝撃的な名演の数々を成し遂げていた。しかしながら、1990年代に入ってDGと専属契約を締結した後は、すっかりと好々爺となり、かつてと比較すると随分とノーマルな装いの演奏を繰り広げるようになったと言える。もちろん、ブーレーズの芸風の基本は徹底したスコアの読み込みにあることから、そのスコアに対する追及の度合いはより深まったと言えなくもない。ただ、それを実際に音化する際には、おそらくは円熟の境地に去来する豊かな情感が付加されるようになってきたのではないだろうか。かかるブーレーズの円熟のアプローチが今一つしっくりこない楽曲(とりわけ、ストラヴィンスキー、ドビュッシー、ラヴェル)もあるが、他方、バルトークについては、各楽曲が含有する深遠な世界がより巧みに表現されることになり、むしろ功を奏していると側面もあると考えられる。とりわけ、ピアノ協奏曲については、バレンボイムと組んで行った演奏(1967年)(ただし、第1番及び第3番のみ)が、指揮者とピアニストの呼吸が今一つであったことからしても、本演奏の圧倒的な優位性にいささかの揺らぎはないものと考えられる。それにしても、本盤における各曲におけるピアニストやオーケストラの使い分けには抜群のセンスの良さを感じさせる。第1番は、3作品の中では最も前衛的な装いの楽曲であると言えるが、ツィメルマンの卓越した技量や、トゥッティに向けて畳み掛けていくような気迫と強靭さは、同曲のアプローチの規範となるべきものと言える。シカゴ交響楽団の超絶的な技量も本名演に華を添えているのを忘れてはならない。第2番は、気鋭の若手ピアニストであるアンスネスが、強靭で迫力ある演奏を行いつつも、祖国の大作曲家グリーグの抒情小曲集で披露したような繊細なピアニズムを随所に聴かせてくれるのが素晴らしい。バルトークが「親しみやすく気楽な性格を持っている」と評したわりには、きわめて晦渋な音楽との印象を受ける同曲ではあるが、ベルリン・フィルの圧倒的な技量も相まって、おそらくは同曲演奏史上最も明瞭で美しい演奏に仕上がっていると言えるのではないだろうか。第3番は、バルトークの最晩年の作品だけにその内容の奥深さには尋常ならざるものがあると言えるが、グリモーの強靭な打鍵から繊細な抒情に至るまでの桁外れの表現力の幅の広さが、本演奏における彫の深い表現の醸成に大きく貢献していると言えるだろう。ロンドン交響楽団も、最高のパフォーマンスを発揮していると評価したい。いずれにしても、バルトークのピアノ協奏曲各曲の性格を的確に把握し、それぞれに最適のピアニストとオーケストラを配したキャスティングの巧妙さにも大きな拍手を送りたいと考える。音質は鮮明で素晴らしいものであると言えるが、同曲演奏史上でもトップの座に肉薄する名演であることもあり、今後はSHM−CD化、さらにはSACD化を図るなど、更なる高音質化を大いに望んでおきたい。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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バルトーク (1881-1945)

【新編名曲名盤300】 管弦楽のための協奏曲 | 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 | 弦楽四重奏曲(全曲)

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