カプリチョス第１番『ロルカへのオマージュ』、第５番『アルベニスへのオマージュ』、他　テーメス＆イベリア室内管、ピエトゥ、Ａ．マータ、他

バラダ：カプリチョス第１番、第５番

ＮＡＸＯＳレーベルが殊の外力を注ぐ作曲家の一人が、このバラダです。民族性と伝統、アバンギャルドと現代性。これらを融合させ（かなり）スパイスを利かせた味わいは、まるで匂いの強いチーズのような味わいであり、好きになったら手放せない中毒性を帯びています。
　この『カプリチョス』は、どちらも偉人たちへのオマージュと銘打たれていますが、内容はギターとチェロの協奏曲風な作りです。とにかく内容がエキサイティング。まさに血わき肉躍るといった表現がぴったりです。かき鳴らされるギター、叩き付けるようなヴァイオリン。「なぜここまで？」と思うほどに激しく、胸を打つ音楽が押し寄せてきます。『子守歌』でさえ、ゆったりとしたギターの歌は不安げな弦にかき消されるかのようです。アルベニスのピアノ曲からインスピレーションを受けた『第５番』も強烈な音楽です。著しく変貌したモーツァルト風の『夜の音楽』、扇情的な『リフレクションズ』。もうやめられません。（NAXOS）

【収録情報】
バラダ：
1.　カプリチョス第1番『フェデリコ・ガルシア・ロルカへのオマージュ』（2003）
　（4人のろばひき男たち／ラ・タララ／巡礼／セヴィリアーナ／遠くへ／子守歌／ザパテアード）
2.　カプリチョス第5番『イサーク・アルベニスへのオマージュ』（2008）
　（トリアーナのクリスタル／セヴィリア聖体祭りのクリスタル／エヴォカシオンのクリスタル／セヴィリアとエルバイシンのクリスタル）
3.　ハーレムの小さな夜の音楽（2006）
4.　リフレクションズ（1988）

　ベルトランド・ピエトゥ（ギター：1）
　アルド・マータ（チェロ：2）
　タチアナ・フランコ（フルート：4）
　イベリア室内管弦楽団
　ホセ・ルイス・テーメス（指揮）

　録音時期：2010年6月
　録音場所：スペイン、レオン市オーディトリアム
　録音方式：デジタル（セッション）