CD 輸入盤

『天地創造』 ハイティンク&バイエルン放送交響楽団、バイエルン放送合唱団(2CD)

ハイドン(1732-1809)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
900125
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ハイドン:オラトリオ『天地創造』全曲(2CD)
ハイティンク&バイエルン放送交響楽団


ハイティンクはこれまでハイドンをほとんど録音しておらず、僅かな交響曲しかなかったので、今回初挑戦となる『天地創造』の登場は驚きをもって迎えられるところです。
 バイエルン放送交響楽団と合唱団による『天地創造』といえば、バーンスタインやショルティ、クーベリック、ヨッフムといった名指揮者たちによる演奏がこれまでに高い評価を得ており、その演奏力には定評があります。

【優秀録音】
今回のハイティンク盤は、バーンスタインやショルティらと同じく間接音豊かなミュンヘンのヘルクレスザールで収録されているため、音響面での条件もたいへん良好。バイエルン放送としても力の入った録音だったのか、ライヴ録音ながらセッション録音なみのクオリティが確保されており、高域から低域まで伸びのよい音質に加え、フォルテピアノの通奏低音含め、オーケストラの各楽器がきちんと解像するマイク・セッティングの巧みさは、こうした大がかりな作品にはたいへん有り難いところです。
 3人のソリストの声の美しい質感、精度の高い合唱の厚みと迫力ある響きも申し分なく、躍動感に富みながら壮大さも兼ね備えたハイティンクのみごとな指揮の魅力もよく伝わってきます。

【高水準な演奏】
ベートーヴェン以降の作品を得意とし、大規模作品を指揮することにかけては無類の才能を発揮してきたハイティンクが、年齢を重ねた上で敢えて挑んだハイドン晩年の大作『天地創造』は、高度なアンサンブルに加えて古典派的なリズムの心地よさも申し分の無い、演奏者たちの真摯な姿勢の結実した素晴らしいものとなりました。
 ソリストは兼務型の3人編成で、スウェーデンのソプラノ、カミラ・ティリングに、イギリスのテノール、マーク・パドモア、ドイツのバス・バリトン、ハンノ・ミュラー=ブラッハマンという明晰系の歌手が起用されています。
 また、合唱指揮は、澄んだ響きと動的な仕上げでは定評のあるダイクストラ(ディークストラ)が受け持っており、合唱の仕上がりの美しさと瞬発力も申し分ありません。

【天地創造】
ハイドンの『天地創造』は、『四季』と並び愛され続けている傑作。ミルトンの『失楽園』や聖書から採り出した言葉を元にイギリスの詩人リドリーが書いた台本に基づくオラトリオです。通常は、この台本をヴァン・スヴィーテン男爵が翻訳したドイツ語ヴァージョンで上演されますが、当盤では、もともとの英語台本を用いて演奏しています。
 『天地創造』は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン[1732-1809]、が総力を注いでつくりあげた大傑作。晩年、2度にわたって英国に長期滞在したハイドンは、その地で『メサイア』を筆頭にヘンデルの大作に強い感銘を受け、もともとヘンデルのオラトリオのために書かれたとされる英語台本をウィーンに持ち帰り、友人のゴットフリート・ファン・スヴィーテン男爵に翻訳台本の作成を依頼するのです(ちなみにスヴィーテン男爵は、モーツァルトにドイツ語版『メサイア』の編曲を依頼した人物であり、さらに、ハイドンの『四季』の台本を書いたことでも有名)。
 台本の題材は、旧約聖書の「創世記」と「詩篇」、ミルトンの「失楽園」によるもので、キリスト教思想に基づく宇宙の創造の様子がわかりやすく綴られたものでした。
 これにハイドンが熟達の筆致で音楽を付けているのですが、そこでの数々の猛獣や動物、鳥たちのオーケストラによる巧みな描写や、対位法を駆使した合唱の面白さは比類のないもので、映像的ともいえるほどの効果を発揮しています。ハイドンが念頭に置いたライヴァルは、創世を描いた画家たちによる名作絵画の数々と、当時のロンドンを席巻していた『メサイア』などのヘンデル作品ではなかったかと思わせる、無類に手の込んだ傑作がこの『天地創造』なのです。
 かのアーノンクールはこの作品について次のように語っています。
「『天地創造』は、あらゆる時代の子供たちを興奮させる面白さを持ったオラトリオとなっている。この作品では、言葉と音楽によって描かれた情景が次々と変化してゆく様を、聴き手はわくわくしながら見守るのである。巨匠たちが描いてきた天地創造をテーマとする数多くの絵画と同様に、この音画ともいうべきオラトリオは、神による創造の行為を率直に、純粋に表現した作品であり、あらゆる世代の人間に訴えかける力強さを持った傑作である」

 『天地創造』は3つの部分から成っており、創世の時系列的な進行をそれぞれに割り振っています。以下にその流れを記しておきます。(HMV)

第1部〜カオスの描写から神による創造の4日間
 第1日:混乱が去り、秩序が形成
 第2日:自然は天空とその下の水に分離される
 第3日:陸地と海が分けられる
 第4日:昼と夜、季節、日や年を分け、地を照らす光が出現
第2部〜天地創造の第5日と第6日
 第5日:水と大空に生き物の出現
 第6日:陸地に生き物の出現
第3部〜アダムとイヴの登場

【収録情報/トラック・リスト】
ハイドン:オラトリオ『天地創造』Hob.21-2
Disc1
第1部
1.第1曲a 混沌の描写 /Die Vorstellung des Chaos [05:57]
2.第1曲a レチタティーヴォと合唱 : 「はじめに神は天と地を創造られた」(天使ラファエル)/Im Anfange schuf Gott Himmel und Erde [01:18]
3.第1曲a 合唱:「そして、神の霊が水のおもてをおおっていた」/Und der Geist Gottes [01:42]
4.第1曲b アリア:「いまや聖なる光の前に」-「絶望と激怒と恐怖が」(天使ウリエル)/Nun schwanden vor dem heiligen Strahle [04:02]
5.第2曲a 伴奏付きレチタティーヴォ:「神はおおぞらを造り」(天使ラファエル)/Und Gott machte das Firmament [01:50]
6.第2曲b ソプラノ独唱付き合唱:「喜ばしき天使たちの群れは驚きをもって」-「そして、彼らの喉から声高く」(天使ガブリエル)/Chorus: Mit Staunen sieht das Wunderwerk [02:13]
7.第3曲a レチタティーヴォ:「また神は言われた。天の下の水は一つ所に集まり」(天使ラファエル)/Und Gott sprach: Es sammle sich das Wasser [00:39]
8.第3曲b アリア:「泡立つ波をとどろかせて」(天使ラファエル)/Rollend in schaumenden Wellen [03:46]
9.第4曲a レチタティーヴォ:「神はまた言われた。地に青草と」(天使ガブリエル)/Und Gott sprach: Es bringe die Erde Gras hervor [00:39]
10.第4曲b アリア:「いまや野は爽やかな緑をさしいだして」(天使ガブリエル)/Nun beut die Flur das frische Grun [05:19]
11.第5曲a レチタティーヴォ:「やがて天使たちの軍勢が」(天使ウリエル)/Und die himmlischen Heerscharen [00:12]
12.第5曲b 合唱:「弦の調べを合わせよ」/Stimmt an die Saiten [02:07]
13.第6曲a レチタティーヴォ:「神は言われた。昼と夜とを分け」(天使ウリエル)/Und Gott sprach: Es seien Lichter an der Feste des Himmels [00:40]
14.第6曲b 伴奏付きレチタティーヴォ:「いまや輝きにみちて、陽は」(天使ウリエル)/In vollem Glanze steiget jetzt die Sonne [03:06]
15.第6曲c 独唱付き合唱:「もろもろの天は神の栄光をあらわし」-「この日は訪れくる日に」(天使ガブリエル、天使ウリエル、天使ラファエル)/Die Himmel erzahlen die Ehre Gottes [04:13]

Disc2
第2部
1.第7曲a レチタティーヴォ:「神はまた言われた。水は、生命をもち」(天使ガブリエル)/Und Gott sprach: Es bringe das Wasser in der Fulle hervor [00:32]
2.第7曲b アリア:「力強い翼を広げて」(天使ガブリエル)/Auf starkem Fittiche schwinget sich der Adler stolz [07:35]
3.第8曲a 伴奏付きレチタティーヴォ:「神は、大きな鯨と」(天使ラファエル)/Und Gott schuf grosse Walfische [02:39]
4.第8曲b 三重唱:「若々しき緑に飾られて」(天使ガブリエル、天使ウリエル、天使ラファエル)/In holder Anmut stehn [04:39]
5.第8曲c 独唱付き合唱:「主は、その御力によりて大いなり」/Der Herr ist gross [02:15]
6.第9曲a レチタティーヴォ:「神はまた言われた。地は生きものを」(天使ラファエル)/Und Gott sprach: Es bringe die Erde hervor lebende Geschopfe [00:24]
7.第9曲b 伴奏付きレチタティーヴォ:「大地はただちにその胎を開き」(天使ラファエル)/Gleich offnet sich der Erde Schoss [03:00]
8.第9曲c アリア:「いまや天は光にあふれて輝き」(天使ラファエル)/Nun scheint in vollem Glanze der Himmel [03:11]
9.第10曲a レチタティーヴォ:「そこで神は、その御姿に従って」(天使ウリエル)/Und Gott schuf den Menschen nach seinem Ebenbilde [00:41]
10.第10曲b アリア:「威厳と気高さを身につけ」(天使ウリエル)/Mit Wurd' und Hoheit angetan [03:37]
11.第11曲a レチタティーヴォ:「そこで神が、つくられたすべてのものを」(天使ラファエル)/Und Gott sah jedes Ding, was er gemacht hatte [00:22]
12.第11曲b 合唱:「大いなる御業は成りぬ」(天使ガブリエル、天使ウリエル、天使ラファエル)/Vollendet ist das grosse Werk [07:59]

第3部
13.第12曲a ラルゴ-伴奏付きレチタティーヴォ:「薔薇色の雲をやぶり」(天使ウリエル)/Aus Rosenwolken [03:58]
14.第12曲b 二重唱と合唱:「おお主なる神よ、天地はあなたの御恵みに」-「主の御力に祝福あれ」(イヴ、アダム)/Von deiner Gut', o Herr und Gott [08:53]
15.第13曲a レチタティーヴォ:「われらは創造主に感謝を捧げ」(アダム、イヴ)/Nun ist die erste Pflicht erfullt [02:37]
16.第13曲b 二重唱:「やさしき妻よ、おまえの傍らにあれば」(アダム、イヴ)/Holde Gattin! [07:05]
17.第14曲a レチタティーヴォ:「おお幸いなる夫婦よ、持てるものより多くを欲し」(天使ウリエル)/O glucklich Paar [00:27]
18.第14曲b 終曲合唱:「すべての声よ、主に向かって歌え」/Singt dem Herren alle Stimmen [03:28]

 カミラ・ティリング(ソプラノ:ガブリエル/エヴァ)
 マーク・パドモア(テノール:ウリエル)
 ハンノ・ミュラー=ブラッハマン(バス・バリトン:ラファエル/アダム)
 バイエルン放送合唱団
 ペーター・ダイクストラ(合唱指揮)
 バイエルン放送交響楽団
 ベルナルド・ハイティンク(指揮)

 録音時期:2013年12月19-20日
 録音場所:ミュンヘン、ヘルクレスザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

内容詳細

ハイティンクの健在ぶりが嬉しい。弦の音色にやや違和感があるもののアンサンブルは整っているし、表現もドラマティックで終始飽くことがない。独唱陣の力量も伯仲。意を解した各自の表現は柔軟性に富み説得力がある。支柱であるコーラスも得難く、同作品の理想的な演奏として推せる。(弘)(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

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ハイドン(1732-1809)

ハイドンは1732年に生まれ、1809年に亡くなっています。その77年の生涯は、29歳から58歳までを過ごした30年に及ぶエステルハージ時代を中心に、それ以前とそれ以降の3つの時期に分けて考えることができます。「エステルハージ以前」の28年間は、幼少期の声楽やさまざまな楽器演奏の修行、青年期に入ってからの作曲の勉強に

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