ドビュッシー(1862-1918)

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SACD

『オマージュ・ア・ドビュッシー〜映像第1集、子供の領分、2つのアラベスク、月の光、他』 工藤セシリア

ドビュッシー(1862-1918)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
MECO1023
組み枚数
:
1
:
日本
フォーマット
:
SACD
その他
:
ハイブリッド

商品説明

工藤セシリア/『オマージュ・ア・ドビュッシー』

ピアノの女神、工藤セシリア・デビュー!
パリから想いを込めて・・・

世界的フルーティスト工藤重典を父に持つピアニスト、工藤セシリア(パリ在住)のデビュー・アルバムです。祖母がピアニスト、父母がフルーティストという音楽一家のもとフランスに生まれたセシリアは、現在に至るまでフランスで音楽教育を受けて育ちました。出場した全てのコンクールで第1位・最高位を獲得してきたサラブレッドが、自身が最も敬愛するドビュッシーへのオマージュを込めて、その大輪の花を咲かせます。(ソニー・ミュージックダイレクト)

【収録情報】
ドビュッシー:
・映像第1集
 第1曲 水に映る影
 第2曲 ラモー賛歌
 第3曲 動き

・前奏曲
 第1巻〜第8曲 亜麻色の髪の乙女
 第2巻〜第1曲 霧
 第2巻〜第6曲 奇人ラヴィーヌ将軍
 第2巻〜第12曲 花火

・子供の領分
 第1曲 グラドゥス・アド・パルナッスム博士
 第2曲 象の子守歌
 第3曲 人形へのセレナード
 第4曲 雪は踊っている
 第5曲 小さな羊飼い
 第6曲 ゴリウォーグのケークウォーク

・アラベスク第1番
・アラベスク第2番
・ロマンティックなワルツ
・『ベルガマスク組曲』〜第3曲 月の光

ラヴェル:
・ハバネラ形式の小品

 工藤セシリア(ピアノ)
 工藤重典(フルート:ラヴェル)

 録音時期:2013年5月7-9日
 録音場所:神奈川県横浜市、みどりアートパーク
 録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
 SACD Hybrid


「工藤セシリアは、ある特別なオーラをもったひとである。
今回のセッション録音、私は少しだけその様子を拝見させていただいたが、演奏中の彼女から放射されるすてきなエネルギーには、やはり周囲の人を動かす力があるなと思った。
これはあらゆる若い音楽家について言えることだが、試験で高い点数をとれるかどうかは、その人の将来にとって一番重要なことではない。もっと、数値化できない、外形的な要素とも違う、その人の核にある“何か”が求められるのだ。
「コンクールはもういいかな…」
と彼女は言う。19歳ごろまではフランス国内の青少年コンクールをたくさん受けてきて、そのすべてが第1位や最高位だったそうだが、そうした「競争に勝つこと」でチャンスを得る、というコンクールの良いところも限界も、早くも悟ってしまったようである。著名なフルーティストの両親のもと、フランスで生まれ育ちながらも、モリエールなどの古典演劇にも親しむのが好きだというキャラクターも、音楽作りの背景として大きなプラスとなっていることだろう。
デビューCDとなるこのドビュッシー作品集、聴いてみて、おや、と思わせられるところがいくつもあった。たとえば最もわかりやすい例を挙げると、「アラベスク第1番」。通常は夢みるように、たっぷりとテンポを動かしながら演奏されることが多い。ところが工藤の演奏はそうではない。クールなまでに端正に、テンポの変化を控えめに、流麗に弾きはじめる。これは確信犯だろう。この曲の題名は、アラビアの装飾文様のことを意味するが、ドビュッシー自身がバッハの音楽について「見事なアラベスク」と述べていることもまた注目に値する。工藤の演奏は、「アラベスク第1番」のアルペッジョをバッハの鍵盤音楽のように見ることも可能なのだ、ということを端的に示している。
「奇人ラヴィーヌ将軍」の開始を、効果を狙って響きを引き延ばすことなく、素早く稲妻のように開始するところも潔くて個性的だ。「花火」にしても、この曲はこうだという独自の閃きと把握があり、協奏曲のカデンツァのように勢いある演奏だ。これらは時に、生きる力のみなぎる音楽としてさえ響く。
いまドビュッシーという作曲家を考える上で、最も大切なことは、「印象主義」という古い先入観から解き放たれることである。象徴主義、怪奇趣味、スペインやロシアや日本への傾倒、バロックへのまなざし、文学との関連など、あらゆる面からドビュッシーは再検討されるべき課題である。何よりもドビュッシーは20世紀音楽への扉を真に切り拓いた響きの革命家であった。そして、演奏家のみならず、すべての聴き手にとって、ドビュッシーの音楽は、多様な感覚をかきたて、自由な想念を許容し、育ててくれる、あまりにも大きな存在なのである。
これからのフランスと日本の文化の架け橋となるであろう工藤セシリアが、デビューにあたってドビュッシーを選んだことは、後々きっと深い意味を持つようになってくるだろう。」 解説:林田直樹(ソニー・ミュージックダイレクト)

【工藤セシリア Cecilia KUDO】
1986年フランスのリルに生まれる。本名は工藤セシリア祐意。セシリアはクリスチャンネーム。祐意は“ゆい”という響きに魅かれてご両親によって命名された。4歳よりピアノを始め、1999年パリ国立地方音楽院に入学。J.シン、J.M.コテ、B.リグット、J.ルヴィエ、B.ベルマン、A.コンタルスキー、S.ペルティカローリ、A.ナセトキン、鷲見加寿子、L.ベルリンスカヤの各氏の下で研鑽を積む。
幼少の頃よりフランス国内の多くのコンクールにおいて、第1位・最高位を獲得している。8歳のとき、フランスと日本で初めてコンサートに出演。最近では東京や札幌、横浜、浜松などでソロや室内楽の公演を行っている。海外ではフランス国内が最も多くビル・ダブレー城でのリサイタルをはじめ、「サンテミリオン音楽祭」への参加や、シンガポールやロシア、韓国では父重典の伴奏ピアニストとしてツアーに参加している。2009年にはラジオ・フランスの番組「若い演奏者たち」で、マティルド・キャルデリーニ(神戸国際フルートコンクール第1位)と共演。この模様はフランス全土に放送された。
2014年7月には銀座・ヤマハホールでデビュー・リサイタルを開催、同時にソニー・ミュージックダイレクトより初のCDアルバム「オマージュ・ア・ドビュッシー」(当CD)をリリース。現在はパリ・ エコール・ノルマル音楽院、ベルリンスカヤのクラスに在籍。

≪コンクール受賞歴≫
Concours de Musique Darius MILHAUD(ダリウス・ミヨー・コンクール最高位)
Concours Flame (categorie A)(フラム・コンクール最高位)
Concours de Piano Steinway-Paris pour les Jeunes Talents(スタインウェイ・コンクール最高位)
Concours Musical de France Concours International de Piano(フランス音楽コンクール第1位)
Concours de Piano de Saint-Nom-la-Breteche(サン・ノン・ラ・ブルテッシュ・コンクール第1位)
Concours Musical Medoc-Aquitaine(メドック・アキテーヌ・音楽コンクール1位なしの2位)
8e Rencontres et Grand Prix National Jeunes Talents Montrond-les-Bains(モンロン・レ・バン・コンクール第1位)
2014年7月現在(ソニー・ミュージックダイレクト)

内容詳細

父はフルーティストの工藤重典で、フランスに生まれ育ったセシリアは、国内コンクールで成績をあげながらパリ・エコール・ノルマルに在籍中。この7月に日本デビューし、このアルバムをリリース。そんな彼女にドビュッシーはぴったりで、瑞々しく美しい。国際的な活躍を期待したい。(堀)(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

  • 01. 映像第1集 第1曲 水に映る影
  • 02. 映像第1集 第2曲 ラモー賛歌
  • 03. 映像第1集 第3曲 動き
  • 04. 前奏曲 第1巻~第8曲 亜麻色の髪の乙女
  • 05. 前奏曲 第2巻~第1曲 霧
  • 06. 前奏曲 第2巻~第6曲 奇人ラヴィーヌ将軍
  • 07. 前奏曲 第2巻~第12曲 花火
  • 08. 子供の領分 第1曲 グラドゥス・アド・パルナッスム博士
  • 09. 子供の領分 第2曲 象の子守歌
  • 10. 子供の領分 第3曲 人形へのセレナード
  • 11. 子供の領分 第4曲 雪は踊っている
  • 12. 子供の領分 第5曲 小さな羊飼い
  • 13. 子供の領分 第6曲 ゴリウォーグのケークウォーク
  • 14. アラベスク第1番
  • 15. アラベスク第2番
  • 16. ロマンティックなワルツ
  • 17. ベルガマスク組曲~第3曲 月の光
  • 18. ハバネラ形式の小品 (ボーナス・トラック)

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「水に映る影 」は遅めのテンポで控えめな...

投稿日:2014/10/06 (月)

「水に映る影 」は遅めのテンポで控えめな表情で始まる。 風や流れの変化で様々な表情を見せる水面の光の反映を充分に感じさせる演奏だ。 最初は力強さが足りないと思ったが聞き込むうちにそれがかえって柔らかさや繊細さを高めている事に気付いた。 「動き」では存分に楽器を歌わせて動的な雰囲気を表現。 「花火」ではテンポもダイナミクスも目一杯動かして、夜空の祭典を表現している。 【子供の領分】は時にはユーモラスに、時にはシリアスに語られるお伽噺を聞いている様な気になる。 「月の光」は満月の降り注ぐテラスにて様々な想いに心を巡らせる、そんな情景が感じられた。 「ハバネラ形式の小品」は伴奏に徹しながらも雰囲気作りに余念がない。 音質は透明感のあるルームエコーがアンビエントな雰囲気を醸し出し、エスプリたっぷりな演奏を引き立てている、そんな印象を受けた。 今後が期待されるアーティストである。

独居人 さん | 東京都 | 不明

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