ドナルド・r・キルシュ

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新薬の狩人たち 成功率0.1%の探求

ドナルド・r・キルシュ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784152097729
ISBN 10 : 4152097728
フォーマット
出版社
発行年月
2018年06月
日本
追加情報
:
318p;20

内容詳細

ケシの実、青カビ、ブタの膵臓…人類はあらゆる材料を駆使して新薬をつくりだしてきた!科学者の創薬プロジェクトが医薬品に結実する可能性は、わずか0.1%にすぎない。ペニシリンやアスピリン、インスリンなど、現代の私たちが恩恵を受ける薬の数々は、そうした困難な研究プロセスを経て実用化にいたった、まさに「夢の薬」なのだ。新薬の狩人たちの挑戦の歴史を、創薬の第一線で35年にわたり活躍する研究者が描き出す。薬に対するあなたの理解を一変させる科学ノンフィクション。

目次 : イントロダクション バベルの図書館を探索する/ たやすいので原始人でもできる―新薬探索の嘘みたいな起源/ キンコン伯爵夫人の治療薬―植物性医薬品ライブラリー/ スタンダード・オイルとスタンダード・エーテル―工業化医薬品ライブラリー/ 藍色や深紅色やスミレ色―合成医薬品ライブラリー/ 魔法の弾丸―薬の実際の働きが解明される/ 命を奪う薬―医薬品規制の悲劇的な誕生/ 新薬探索のオフィシャルマニュアル―薬理学が科学になる/ サルバルサンを超えて―土壌由来医薬品ライブラリー/ ブタからの特効薬―バイオ医薬品ライブラリー〔ほか〕

【著者紹介】
ドナルド・R・キルシュ : 35年以上の経歴をもつ新薬研究者(ドラッグハンター)。ラトガース大学で生化学の学士号を、プリンストン大学で生物学の修士号と博士号を取得。スクイブ社(現ブリストル・マイヤーズ・スクイブ)、アメリカン・サイアナミッド社・ワイス社(ともに現ファイザー)、カンブリア・ファーマシューティカルズ社で抗感染症薬や抗真菌薬、抗ガン剤の開発や機能ゲノミクス研究に携わる。これまでに医薬品関連の特許を24件取得、50本を超える論文を執筆している。バイオ/製薬業界コンサルタントとして活躍するほか、ハーバード大学エクステンション・スクールで新薬探索の講義を担当する

オギ・オーガス : サイエンスライター。“ウォール・ストリート・ジャーナル”紙や“ボストン・グローブ”紙、“ワイアード”誌などに寄稿

寺町朋子 : 翻訳家。京都大学薬学部卒業。企業で医薬品の研究開発に携わり、科学書出版社勤務を経て現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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本文は300ページ足らずだが、人類がどのよ...

投稿日:2018/12/11 (火)

本文は300ページ足らずだが、人類がどのように薬を発見してきたのか、様々な例を紹介しながら分かりやすく書かれている。 植物から始まり、工業、合成医薬品、土壌由来薬品、抗菌薬、組み換えDNA技術などについて、それぞれに関わった人たちの努力と苦闘、偶然がもたらした発見も含め、今も私たちに日常に欠かせない薬品類が誕生したドラマを描き出している。 興味深いのは、センメルヴェイスやリンドのケーのように医学上の知見は同時代にはスムースに理解できないことがしばしばあることだ。また、アスピリンの開発に関わる部分では、ナチスの反ユダヤ主義ゆえにアルトゥル・アイヒェングリュンの功績が「消され」、バイエルが戦後になってもそれを正そうとしなかったことが明らかにされている。お金や名誉が絡むゆえなのかもしれないが、新薬の陰には人間臭い欲望が見え隠れしている。 成立事情などが書かれているアメリカ食品医薬品局(FDA)や植物由来の新薬に関しては他の本を読んだりすると、かなり「影」の部分がある。ドラッグハンターがメインであることに加えページ数の関係で難しいのだろうが、こういった部分にももう少し切り込んで欲しかった。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • まーくん さん

    著者は製薬会社で長年、創薬の研究に従事。人類は長い歴史の間、だれもが新薬の狩人であり、苦痛を和らげてくれることを願って当てずっぽうに木の根や葉っぱを噛んだ。細菌もウイルスも知らない時代、たまさかの幸運により幾つかの薬草が得られた。近代に入り化学の知見に基づき、アヘンやキニーネそして合成化学による鎮痛薬(アスピリン)、微生物由来の抗菌薬(ペニシリン)、バイオ医薬品としてインスリンなどが開発されてきたが、創薬プロジェクトには臨床試験を含め、莫大な資金と時間が必要。薬として世に出るのは僅か0.1%に過ぎない。

  • 夜長月🌙@5/19文学フリマQ38 さん

    過去を振り返って人類の輝かしい成功の影にある忘れられたストーリーと共に画期的な医薬品を紹介しています。ペニシリン、アスピリン、初めてのワクチンなどに知られざる歴史があることがわかります。ついで未来の新薬の発見について考える時、科学技術が進歩しても次々と新薬がでる時代ではなくなっていることに気付かされます。それほど人体の仕組みとは複雑でまだまだブラックボックスなのです。

  • TATA さん

    先史からの製薬産業の成り立ちから化学者達の苦悩迄をつぶさに語る一冊。前半は植物由来の薬が徐々にその原料の範囲を広げ、また合成化学の手法を活用するに至るまでを詳述。後半は安全性審査やピルが社会に与えた影響にも言及。まるでサイモン・シンの作品を読んでるかと思うほどの迫力です。筆者は製薬業界で長年尽力した方。自身の経験も交えて非常に興味深く読まされます。理系の話に興味がある方にはオススメです。

  • くさてる さん

    面白かった!薬の開発の話、ということで難しい化学式が並ぶような内容かと思ってたら、ずっとドラマティックで小説のように読みやすかったです。新薬開発の歴史といまでも使われている有名薬の誕生秘話、いまだに「どうして効いているのか分からない」けれど効く薬が広く使われていることまで、興味深く読めました。おすすめです。

  • zoe さん

    多分、初心者向けだと思うのです。訳者の方や解説の方は既に、それぞれの人生を歩んでおられると思います。後書きや解説を読んでみると、かなりの確率で選んだかもしれないもう一つの人生を想像しているかもなと思いながら読んでしまいました。とても変な気分です。

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