トマス・ピンチョン

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重力の虹 下

トマス・ピンチョン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784105372132
ISBN 10 : 4105372130
フォーマット
出版社
発行年月
2014年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
752p;20

内容詳細

スロースロップはロケットマンとなった。どんなとこでもひとっ飛び!怪盗に依頼されてハッシシを掘り返したり、ねんごろになった女優の娘(超美少女)を探したりしながらも、目指すは“黒の装置”。だが、追う者であり追われる者スロースロップのパラノイアはいつしかアンチ=パラノイアへと転じていく。去った女を偲び、失った友を夢見る日々の中、縮まっていく“かれら”の包囲網―。一方、“ゾーン”で絡み合う“陰謀”の網は巨大な広がりを見せていた。“バックファイア作戦”とは。“ヘルメス計画”とは。謎の物質“イミポレックスG”とは…。“ザ・ファーム”にOSS、NW7、TsAGI、IClにIGファルベン、GE、モーガン、フリーメイスン…虹の彼方、真っ白な闇の果てに“白き冥王”ヴァイスマンは何を夢見たのか。“かれら”に抗う術はあるのか。錯綜する妄想、遁走する意味。ここは哄笑だけが響く迷宮か―文学者をもってして「読解不能」と言わしめた超弩級の怪作を、果敢に解きほぐす渾身の解説、註は必読。

【著者紹介】
佐藤良明 : 1950年生まれ。東京大学名誉教授。1970年代にピンチョン論で出発して以来、アメリカの文学と音楽、ポップカルチャー、表象文化論の分野で執筆を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    これまでに読んだ本の中で、その難解さにおいても、また厄介さにおいても、他をはるかに凌駕するのではあるまいか。メタフィクションー『メトロポリス』をはじめとした映像作品を含む数多の言説が錯綜するかのような小説作法をとっている。ポストモダンーこれがそうだというなら、ポストモダンの実態はますます混沌をきたしそうだ。膨大な数の登場人物に囲繞されているうちに、その延長上にいる「私」が庶幾するものが果たして本当に私自身のものなのかもわからなくなってくる。降参である。

  • ケイ さん

    通読した。独特のリズムや、主人公たちの感傷、特に対女性において見せる感傷的なものが、わからないなりに読み続けさせる原動力となっていたが、下巻も後半になると、読み取れなかったものが堆積してどうしてもその先に進ませなくなってきた。とりあえず結末が知りたくて読み通す。ちょうど半年したら読み直したい。第一次大戦が終了後、第二次大戦がさらに激しくなり世界を巻き込んだ。原子力爆弾がそれを終結させたとしたら、冷戦中にの核の量産の下、こんな怪物のような小説を生み出したのは、恐怖や絶望だったのかもしれない。

  • 扉のこちら側 さん

    2016年694冊め。【194-2/G1000】占領後のドイツ(ゾーン)をめぐる旅と陰謀。誠に残念ながら私の処理能力を超えてしまい、「文字を目で追って読みました」レベルの読了である。「おそろしい作家っ!!」と、『ガラスの仮面』のように白目を剥いている現状。「3回は読まないと理解できない」と言われるだけあって、いつかまた頑張る、のかな私。その頃には電球の話とS装置の話ももう記憶からなくなっていたりして。

  • NAO さん

    いくつもの話が重なり合った構成は、複雑かつ難解。ヴァイスマンが特殊ロケット開発に執念を燃やし、そのために科学者が犠牲を強いられる話は読んでいてなかなか心に響くものがあったが、それ以外の話は、結局のところ、なんだかよく分からないというのが正直な感想だ。実際のところ、解説にもあったように、本当はこの幾つにも重なり合った話を別々の作品に仕立てた方がきっともっとよく分かる話になっただろうに、と思わないでもない。

  • zirou1984 さん

    これは高度な知性と技術によって構築されたロケットそのものであり、同時にまた破壊された情報と文化の残骸でもあるのだろう。超然とそびえ立つ本作は確かに難解で複雑だが、二項対立が無化され権力がシステマチック化された現実ほどではない。エロも戦争も科学も映画も並列して存在する20世紀、そんな不思議の国に起立するバベルの塔の様な本作は自分にとって歴史という罪への、敗北したカルチャーへの供物のように感じられた。時代が勝者によって作られようとも、ピンチョンが打ち込んだ楔は誰も消し去れやしない。そして驚くことにまだ笑える!

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