トマス・ピンチョン

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ヴァインランド トマス・ピンチョン全小説

トマス・ピンチョン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784105372101
ISBN 10 : 4105372106
フォーマット
出版社
発行年月
2011年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20cm,621p

内容詳細

1984年、夏。別れた妻をいまだ忘れられぬゾイド・ホイーラーは、今年もヴァインランドの町で生活保護目当てに窓ガラスへと突撃する。金もなく、身動きもならず、たゆたうだけの日々。娘のプレーリーはすでに14歳、60年代のあの熱く激しい季節から、どれほど遠くまで来てしまったことか―。だが、日常は過去の亡霊の登場で一変する。昔なじみの麻薬捜査官が示唆したあの闇の男、異様なまでの権能を誇り、かつて妻を、母を、奪い去ったあの男の、再びの蠢動。失われた母を求める少女の、封印された“時”をめぐる旅が始まった。超ポップなのに、この破壊力。作品の真価を示す改訳決定版。

【著者紹介】
トマス・ピンチョン : 25歳で出版した『V』(1963)でウィリアム・フォークナー賞。複雑な謎解きゲームの要素を孕む『競売ナンバー49の叫び』(1966)によってポストモダニズム文学の代表者の一人と目され、超大作『重力の虹』(1973)ではカリスマ的な人気と共に、世界文学の革新的な導き手としての注目を得た。だがその後、初期短篇集『スロー・ラーナー』(1984)を刊行するも完全に沈黙。17年ぶりの『ヴァインランド』で軽やかにカムバックして以降は二篇の超大作『メイスン&ディクスン』(1997)と『逆光』(2006)によって円熟したピンチョン・ワールドを開示した

佐藤良明 : 1950年生まれ。フリーランス研究者。東京大学名誉教授。専門はアメリカ文化・思想・ポピュラー音楽(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    池澤夏樹の世界文学シリーズよりさらに改訂のされた訳がこちらのようだ。そのためか、読みやすかった。読みやすいなんてもんじゃなく、疾走してしまった読書。ポップでパンクでロックで、国家権威なんてバカ野郎、こっちにはヴァインランドだぜ!とでも言おうか。感想にならない。今回は、ピンチョンよりも訳者の佐藤氏の仕事に声もでない。彼のまとめを理解するには、あと2回ほどは読まなくてはいけないだろう。これぞ解説というものではないだろうか。ピンチョン初読みには、こちらがおすすめかと思う。

  • NAO さん

    麻薬汚染、左翼主義、軽快なポップミュージック、台頭してきた日本文化。そういった時代背景の中でピンチョンが作り出した架空世界、ヴァインランド。権力の象徴ともいえるブロック・ヴォンドの存在の、なんとアメリカ的なことか。麻薬中毒ながら懸命に娘を育て、いまだ元妻への思いを断ち切れないゾイド、半端じゃない父親に育てられながらも健気でかわいいプレーリー、くの一のDLと、魅力的な登場人物が縦横無尽に奇想天外な架空世界を駆け巡る。

  • zirou1984 さん

    あ、あ、あほうであるー!読書でこれだけ爆笑したのは何年ぶりだろ。TV番組や映画、音楽など無数の固有記号を散りばめつつハイテンションで突っ走っていく超ポップな物語。とにかく、シャブ中のドスケベジャップ、フミモタ・タケシと怪しい忍術を操るくノ一・DLチェイスティンのコンビが反則級なまでに笑わせてくる。言うもはばかる忍法奥義「チンピラ・ゴジラ」って何なんですか先生。こうした笑いに縦軸としてのアメリカの歴史を組み込んでいく辺りはさすがのピンチョンと言いたい所だけど、まずは単純に快哉を叫びながら楽しむべし。最高だ!

  • らぱん さん

    娘による母探しであり家族(一族)の歴史でもある物語は、反体制と体制や個人と国家といった二項対立を描いており、重要な要素は「カルマ」だ。60年代の学生運動≒革命は成功しなかった。この負の遺産を相続するのが80年代の若者だということになる。ここでのカルマは因果応報ではあるが、人間に限らず、モノやコトもまたそこに含まれ、当人以外にその影響が出ることがしばしば起こる。さらにはカルマ調整師の力で貸借や譲渡も可能で、ピンチョン流の例のエントロピーなのだと気がつく。最後の大団円は未来へ託すひとつのヴィジョンだろう。↓

  • 若布酒まちゃひこ/びんた さん

    エセ忍者、カルマ調整師、語りだす死者、大学での事件と映像集団たち…。暗い歴史の先にある「ホーム」を目指す大作。ピンチョン挫折したとか情けないことをいってる場合じゃない。

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