殺人者たちの午後 新潮文庫

トニー パーカー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784102200315
ISBN 10 : 4102200312
フォーマット
出版社
発行年月
2016年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
375p;16

内容詳細

「あなたはなぜ、人を殺したのですか?」死刑制度のないイギリスで、殺人事件を犯した後、仮釈放され社会のなかで罪を償うことになった終身刑受刑者たちに取材した驚愕の告白録。息子を殺し、自らの狂気におびえ続ける男。祖父をハサミで刺殺し、刑務官になることを夢見る青年。人を殺めたのち、奇妙な自由のうちに生き続けることを命じられた10人の魂の独白。

目次 : 第1話 過去のない男/ 第2話 ノー・プロブレム!/ 第3話 とんでもないことが起きてしまった/ 第4話 涙なんて流しても/ 第5話 マラソン・マン/ 第6話 恋に落ちて/ 第7話 記憶の闇/ 第8話 サイコパス/ 第9話 この胸の深い穴/ 第10話 神様と一緒に

【著者紹介】
トニー・パーカー : 1923‐1996。イギリス・ランカシャー生れ。作家、ジャーナリスト。市井の人々を取材し、優れたモノローグとして発表

沢木耕太郎 : 1947年東京生れ。作家、翻訳家。『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞を受賞。『深夜特急』三部作ではJTB紀行文学賞を受賞した。『凍』で講談社ノンフィクション賞を、『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • びす男 さん

    「社会は俺に当然の報いを与えた。でもそれは社会の人が思っているよりずっときついものなんだ」。殺人を犯し終身刑を命じられた10人の告白。卓越したインタビューによって引き出された話からは、殺人や、殺人者たちのさまざまな内面を垣間見ることができる。普遍化できるかどうは問題ではない。一つ一つがそれぞれ、面白くて貴重な証言であると感じた。

  • SAT(M) さん

    日本でこの手の犯罪者ドキュメントをやると、「とんでもないことをしてしまった。遺族に申し訳ない」路線か、その路線に行かなければ、”ヤバい”殺人鬼扱いかの二択になりがちですが、ここに出てくる犯罪者達はどちらでもなく、あたかも他人事のように淡々と自身の殺人や、かつての過ちとは切り離されたかのような平穏な今の生活を語っているケースが多いです。日本だったら「反省が足りない!」と言われそうですが…。単にイギリスとのお国柄の違いなのか、それとも、一旦過ぎ去ってしまうとどんどん遠ざかってしまうのが犯罪のリアルなのか。

  • さゆき さん

    10人の殺人者へのインタビューをアレンジしたノンフィクション短編集。インタビュアーのコメントは淡々と事実を述べるだけにとどめ、受刑者の告白から読者が直接何かを読み取れる形になっている。受刑者の多くが出所後の再出発を法に阻まれたと告白しているのが印象的。保護観察などの法制度は理に適っている一方、受刑者ひとりひとりの状況に合わせて対応することはやはり難しいのか。

  • vaudou さん

    死刑制度の存在しないイギリスで終身刑を宣告された殺人者たち。もう何十年も昔の出来事だったり、喚起を拒絶した記憶がトニー・パーカーとのダイアローグによって引き出される。向き合い方はそれぞれあるが、(一時の過失で済ますもの、残りの人生を贖罪と悔悟に暮らすもの、新たな出会いや宗教に救われる人)回想による語りはすべからく揺曳を伴う。これからも正気で生きていくための、ある種の歪み。

  • 2018Hiro さん

    @英国の殺人者へのインタビュー集A人が人を殺すケースの多様さと共通項を発見できるB映画や漫画のサイコと比べると現実のそれにはギャップがある。 時として英雄視されたり、カリスマとして扱われる殺人者の実際を、この本は極めて客観的で供述に忠実な文章によって教えてくれる。意外な部分もイメージ通りの部分もそれぞれが発見だった。読後も、殺人者の背景に不運な家庭と人生の混乱があると言う説に説得力を感じる。 ところで不思議なのは彼らには大抵彼らを検診的に愛してくれる女性がいると言うことだ。

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