トニー・マラーノ

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  • 『大正論』が190ページほどの本なのに対し、本書は220...

    投稿日:2014/08/08

    『大正論』が190ページほどの本なのに対し、本書は220ページあり、その分じっくりと読ませる内容になっている。訳者が違うせいもあるだろう。『大正論』の訳者はテキサス親父事務局の人で、テキサス親父氏の話し言葉のニュアンスを忠実に再現しようと試みているのに比べると、今回の訳者はジャーナリストということもあり、かっちりとした文章として読ませることを意識したような訳になっている。 内容は今回も読み応えあり。『大正論』ほどポップな文章ではないので読み通すのにはやや時間がかかるが、「う〜む」とうならせる内容である。テキサス親父氏の指摘は鋭くあざやかで、かつユーモアもたっぷり。「がめつい中国は、いつか『月は俺たちの領土だ』と言い出すんじゃないか?」という指摘には思わずニヤリ。また、韓国がセウォル号事故を「韓国にとっての9.11だ」と例えているのを「悪質な冗談だ」と斬って捨てる。セウォル号事故は韓国政府の失策による人災であって、テロ攻撃である”9.11”とは中身が違いすぎる。人命救助よりも政治的意図を優先させた韓国政府の愚かさをテキサス親父氏は厳しく指摘する。彼にとって中韓両国は実にツッコミ甲斐のある相手なのだろう。 テキサス親父氏のことを人種差別主義者みたいに言う誤った批判が見られるが、本書を読めば彼がそんな人でないことがよく分かるはず。彼は不合理・不条理、そして偽善が許せないだけなのだ。彼の指摘の矛先は中韓だけでなく自国アメリカ、フランス、そして日本にも向けられる。オバマ民主党政権と、その尖兵とも言うべきキャロライン・ケネディへの批判の厳しさには彼の怒りがこもっている。そして日本に対しては、外交感覚の甘さを指摘する。”河野談話”、ケネディ大使ブーム、アメリカン・リベラリズムへの安易な傾倒、などなど。テキサス親父氏は単純な親日家ではない。彼は日本のことを応援してくれているが、日本の問題点もキッチリ分析し、指摘してくれる。「愛ある批判」というやつで、こういう事を言ってくれる人は大事にしないといけない。

    金山寺味噌 さん

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