テネシー・ウィリアムズ

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ガラスの動物園 新潮文庫

テネシー・ウィリアムズ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784102109076
ISBN 10 : 4102109072
フォーマット
出版社
発行年月
2011年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,191p

内容詳細

不況時代のセント・ルイスの裏街を舞台に、生活に疲れ果てて、昔の夢を追い、はかない幸せを夢見る母親、脚が悪く、極度に内気な、婚期の遅れた姉、青年らしい夢とみじめな現実に追われて家出する文学青年の弟の三人が展開する抒情的な追憶の劇作者の激しいヒューマニズムが全編に脈うつ名編で、この戯曲によってウィリアムズは、戦後アメリカ劇壇第一の有望な新人と認められた。

【著者紹介】
テネシー・ウィリアムズ : 1911‐1983。アメリカの劇作家。ミシシッピ州コロンバス生れ。不況時代のセントルイスで不幸な家庭環境のもと青春時代を送る。各地を放浪、大学、職をかえながら、創作をしていたが、’44年自伝的作品「ガラスの動物園」がブロードウェイで大成功し、’47年の「欲望という名の電車」、’55年の「やけたトタン屋根の猫」で2度ピュリッツァー賞を受賞。その名声の裏で、生涯背負いつづけた孤独との葛藤から私生活は荒れていた。ニューヨークのホテルの一室で事故死

小田島雄志 : 1930年旧満州生れ。東大英文科卒。英文学者、演劇評論家。シェイクスピアの戯曲を個人全訳。芸術選奨文部大臣賞(評論等部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    高校生の頃に読んだのが最初。その時には、こんな大人になるのが恐ろしい、こんなふうにはなりたくないと思ったのをよく覚えている。改めて読んでみると、まず、時代〜大恐慌や欧州でのドイツの状況など〜が暗い影を落としており、重苦しい。それに加え、母親の毒がひどく、さらにまたやってくる青年の身勝手さにあきれてしまい…。そして、皆が勝手勝手に自分だけの思いを抱えて一つ屋根の下にいる悲劇がひどいものだ

  • ヴェネツィア さん

    劇の舞台はセントルイスだが、語り手のトムが作者自身と重なって見えてしまうために、テネシーを想起してしまう。テネシーのどこかによっても違うだろうが、田舎町を想定するならば、その広大な環境とは裏腹に、あるいはそれゆえに一層強い閉塞感にとらわれる。この劇では、母親のアマンダと姉のローラ、そしてトムの3人は、3様の行き詰まり感を抱えているのだが、それがジムの来訪によって一挙にあらわになってゆく。どうにもやるせなく、行き場のないドラマがそこに展開するのである。劇中での動きは少ないのだが、内面劇としての説得力は凄い。

  • NAO さん

    勇気がなくて失敗を恐れているだけではなく、変化そのものを嫌がって、現実から隔離した、自分だけの世界に住んでいる女性たち。未来への夢もあれば、希望もあり、閉じられた世界で生きることに耐えられない男たち。トムは、人生という旅の途上で、懐かしく、かつて自分が住んでいたあのひっそりとした家の窓を思い出す。なぜなら、過去の世界に住み続けることは、何かをするために動き続けることよりも楽だから。でも、きっと、トムは、もう二度とあの家に戻りはしないだろう。彼の父親が二度とその家に戻ってこなかったように。

  • Willie the Wildcat さん

    ガラス細工の動物たちは、ローラの心ともいえる。繊細で壊れやすい。但し、自己認識を踏まえて、一歩踏み出すキッカケを待っていた。それがジム。ユニコーンと淡い恋の顛末ではなく、自己を直視したことに意味と意義。あとがきを読んで知る著者の家族模様。著者の家族愛と共に悔恨、そして夢を読後に感じる。ローソクを消す・・・、切なくもこれも夢の果ての暗示だったのかもしれない。

  • Major さん

    観る者からは自己投影。舞台からは乱反射。それらが重なり、或いは衝突し、僕達の仮定法過去完了の無限後退が心中にこだまする。追憶の世界が幾重もの光を放ち、豊かなものであったことを知る。それがたとえ、哀しく切なく、苦いものであったとしてもーテネシーの自伝的作品であるという。彼の幼少からの複雑な家庭状況はその構成要素の中心となっているのであろうが、物語が付着せられた追想と過去の事実の思い出の所々のガラスのかけらのような断片を再構成し、いわばジグゾーパズルを完成させるようにして、拵えられた戯曲ではないだろうか。

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