交響曲第8番、ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲、3つの歌曲　ユーリ・セーロフ&サンクト・ペテルブルク交響楽団、チンギス・オスマノフ、他

ボリス・ティシチェンコ:交響曲第8番、他

ロシアのレニングラード(現在のサンクト・ペテルブルク)に生まれ、ショスタコーヴィチ、ウストヴォーリスカヤに学んだ作曲家ティシチェンコの作品集。ピアノの名手であった彼の演奏は、かなりアグレッシヴであったと言われています。このアルバムに収録されている協奏曲でも、ピアノは打楽器的な扱いが多く、しばしば音の固まりを叩きつけるかのような演奏法が見られます。加えてヴァイオリンとピアノの親密な語らいは、弦楽の伴奏がなくても成立するほどの完成度を持っています。
　交響曲第8番はティシチェンコの晩年の作品で、最後に完成された作品群の中の1曲です。もともとシューベルトの『未完成』の後に演奏されることが目論まれており、全曲に渡ってシューベルトの作品が模され、最後は全てを完成させるかのように高らかなロ長調で幕を閉じます。当時のソ連で人気が高かった女性詩人ツヴェターエワのテキストによる『3つの歌曲』は風刺的であり、またロマンティックです。
　1993年にサンクト・ペテルブルク・リムスキー=コルサコフ国立音楽院を卒業後、ザルツブルクとウェールズで学び、指揮者、ピアニストとしてデビューしたユーリ・セーロフが全体をまとめています。(輸入元情報)

【収録情報】
ティシチェンコ:
1. ヴァイオリン、ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲 (2006) (幻想曲/ロンド/インターリュード/ロマンス)
2. 交響曲第8番 (2008)
3. マリーナ・ツヴェターエワの詩による3つの歌曲 (1970/2014) (レオニード・レゼジノフによる室内管弦楽伴奏版) (窓/落葉/鏡)

　ミラ・シキルティル(メゾ・ソプラノ:3)
　チンギス・オスマノフ(ヴァイオリン:1)
　ニコライ・マザーラ(ピアノ:1)
　サンクト・ペテルブルク交響楽団
　ユーリ・セーロフ(指揮)

　録音時期:2015年6月15-19日
　録音場所:サンクト・ペテルブルク・ラジオ・ハウス・スタジオ
　録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
　世界初録音:2,3