僕とカミンスキー 盲目の老画家との奇妙な旅

ダニエル・ケールマン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784384041958
ISBN 10 : 4384041950
フォーマット
出版社
発行年月
2009年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20cm,239p

内容詳細

芸術家への道に挫折した美術ライターと、盲目の老画家カミンスキー。老画家の若き日の恋人を訪ねる2人旅のなかで、突然襲いかかる様々な事件と、そこに芽生える奇妙な友情を描く、ダニエル・ケールマンの出世作。

【著者紹介】
ダニエル・ケールマン : 1975年ミュンヒェン生まれ、現在はウィーンとベルリンに居を構える。ウィーン大学で哲学と文芸学を学んだのち、カント哲学をテーマとする博士論文を準備するかたわら小説の執筆をおこなう。『Beerholms Vorstellung』(1997)、『Mahlers Zeit』(1999)、『Der fernste Ost』(2001)などに続いて発表した『僕とカミンスキー』(2003)は18万部のベストセラーとなり、24カ国語に翻訳されてケールマンに世界的な知名度をもたらした。文芸学者・批評家としても高い評価を受けており、大学講師をつとめているほか、有名新聞雑誌に批評やエッセイを寄せている。クライスト賞、ヴェルト文学賞、トーマス・マン賞をはじめとする多くの賞に輝き、現在もっとも期待されているドイツ語圏の若手作家のひとりである

瀬川裕司 : 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。明治大学教授。専門はドイツ文学・文化史および映画学。著書に『美の魔力 レーニ・リーフェンシュタールの真実』(パンドラ、芸術選奨新人賞受賞)他がある。2003年ドイツ政府フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    映画を観てから原作があると知り、読みました。映画はこの本の内容を損ねることなく、上手く、ヴィジュアル化した上で遊び心とユーモアを加えたんだなと確認できました。原作だと主人公の妄想部分が分かり辛くて読むと混乱することも。しかし、映画では分からなかったミリアムの人生をドブに捨てるような言動の理由が分かるのはちょっと切ない。そして自ら、しなかったことで実らなかったもう一つの人生、老いの哀しみ、身の丈にあった幸せについて、知ったかぶり専門家への皮肉も込められ、ほろ苦い。ラストが違うのも中々、味わい深いです。

  • めがねまる さん

    <盲目の天才画家>カミンスキーの伝記を書き一旗揚げようという算段の主人公と、弱りきって耄碌しているようで全く食えない画家カミンスキーの奇妙な旅。この主人公、笑っちゃうぐらい失礼なクソ野朗で、ふつう主人公の一人称で話が進むと少しは感情移入するものだけれど、あまりにも不愉快な人物なので一歩引いた視点で読むことができる。カミンスキーも実は計算高くケチで少し胡散臭い。カミンスキーの過去について証言するその他人物たちの話も微妙に食い違いを見せる。作中の画家の抽象画、鏡像の絵のようで不思議な読み心地。ラストは爽やか。

  • 紅はこべ さん

    盲目であることで一時ブレイクした画家カミンスキー。真っ先に佐村河内氏を連想した。自然は芸術を模倣する。ジャーナリストを振り回すところもそっくり。もっともこの語り手の美術評論家ももどきで、狐と狸の低レベルの化かし合いのようなロードノベル。紛い物をそうと断定できない、美術の業界人への皮肉。芸術家小説のパロディとも言えるか。

  • めえめえ さん

    現在公開中の映画を観て来ました。主人公は自分勝手で野心家、老画家は曲者です。原作では青年の妄想部分が現実とごちゃ混ぜになって分かりにくい部分もありましたが、映像ではその辺はクリアしていたと思います。彼がこの先どのような活動をしていくのか期待出来ます。

  • donnerstag さん

    最初はなかなかページがすすまなかった。理由は一人称で書かれた主人公の僕がどうにもいやなヤツで、彼の目線で物事を見ていくのが非常に居心地が悪いのだ。それなのに終わりの方ではさわやかな感動につつまれる。帯の『読みはじめの奇妙さをくぐり抜けるとそこには底が抜けるほどの面白さが待っている』はこの小説の魅力をよく言い表しているなと思った。ケールマンはドイツ人特有の底意地の悪さを描くのがとてもうまい。

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