内容を見た瞬間、1970年代後半LP5枚組で出ていたRCAのディック・ハイマン盤にはあった「School of Ragtime」がない。そして、装丁はチープなデジパックで解説書は曲と時間の他は4ページのありきたりな解説で、演奏者も何者かわからない内容。本来はジャケットに掲載の情緒ある楽譜の表紙が各曲にあるはずで、この写真と各曲の解説のブックレットをつけてくれれば、レギュラー値段でも五つ星以上なのだが…。とは言え、デイソン独自の装飾はかなり入っているもののハイマン,リフキン等先輩ほどノリは良くなく、連続して聴くと同工異曲感も濃いが、誠実な演奏で、ストップタイムラグ等足のタップ音もきちんと入り込んでおり、この手の盤が軒並み廃盤の現在では貴重な存在。ジョプリンオタクには不満が残るが、エンタテイナーくらいしか知らないが他のジョプリンの曲を聴きたいという方にはお薦め。