ジョセフィン・テイ

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時の娘 ハヤカワ・ミステリ文庫

ジョセフィン・テイ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784150727017
ISBN 10 : 4150727015
フォーマット
出版社
発行年月
1977年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
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追加情報
:
16cm,290p

ユーザーレビュー

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究極の安楽椅子探偵もの。なにしろ安楽椅子...

投稿日:2021/04/22 (木)

究極の安楽椅子探偵もの。なにしろ安楽椅子どころか病院のベッドの上、しかも主人公は現役の敏腕刑事でありながら、骨折によりベッドから出ることもままならないという設定。その上事件は15世紀に起きている。にも関わらず恐ろしくスリリングである。シェイクスピアの戯曲でも有名な、英国稀代の悪役・リチャード3世によって殺された(とされている)本来の王位継承者である筈の二人の子供はどう消されたのか。そもそも誰が下手人なのか。その謎を身動きも儘ならない刑事がベッドの上で助手の助けを得て追及する、という物語。名訳者・小泉喜美子の翻訳も素晴らしい。今はどうか分からないけれど、古い「このミス」では上位の常連。恐らくはミステリの古典として読み継がれるであろう名作。

Verdi さん | 神奈川県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    分類するなら歴史ミステリーということになるだろうか。ここで謎となっているのは、リチャード3世。イギリス史に明るくない上に、付録の系図を見ても同じ名前がたくさん並んでいて最初は戸惑う。リチャード3世のイメージも、シェイクスピアを通じてのもの。もっとも、一般のイギリス人もそんなものみたいだが。ここではロンドン警視庁の警部がアメリカ人青年を助手に、この謎に挑んでいく。歴史家とは違って、犯罪捜査の手法を用いてだ。謎への迫り方、解明の仕方は実に見事。そして、これそのものがプロットを支えている。幕切れがまたいいのだ。

  • Kircheis さん

    ★★★★☆ 歴史ミステリというジャンルを確立した名作。 グラント警部が安楽椅子探偵ならぬ寝たきり探偵として、リチャード3世が行ったとされる甥殺しの真相を探る。 助手役のキャラダイン青年をはじめ脇役が揃って良い味を出しており、内容の難解さにかかわらず小説として楽しめた。 この本を読むと、リチャード3世が本当に人格者に思えるのが凄い。まさに天才たちの遊戯という感じ… しかし、何故タイトルに「娘」という言葉をチョイスしたのかは気になる。調査する側もされる側も男なのに。

  • ケイ さん

    本との出会いにタイミングがあるなら、この作品を手に取ったのがまさにそうだ。序文に引用されているアンドレ・モーロワの「英国史」におけるエドワード三世から ヘンリー七世までの歴史の記述にあたる部分を、今年の春に映画「嘆きの王冠」で観たからだ。それがあるからこそ理解できた複雑なプランタジネットやヨークの家系図。だから、療養中の刑事が、歴史書を深く読んでリチャード三世による二人の王子殺しの嘘を暴こうとする話を楽しく読めた。とはいえ、やはり真実は闇の中なのだろう。刑事の説は、どれもごもっともだが。

  • 紅はこべ さん

    探偵役は歴史の授業中、数学の問題を解いていたというロンドン警視庁警部と、若きアメリカ人歴史学者。つまり英国歴代国王に先入観も偏見も抱いていないという共通点がある。探偵として欠くべからざる素質。事件は嘱託殺人だから、物的証拠は関係なく、あくまでも動機が問題となる。確かに二人が真犯人と確信した人物の方が動機は明らかだな。

  • tama さん

    図書館本 「中野京子と読み解く名画の謎―陰謀の歴史篇」で紹介されていたから。かなり面白い作品でした。ただ、翻訳の語り口がいかにも古めかしい。「〜をば」って使わないよなー。警部のわがまま、推理、看護婦たちの振舞、どれも楽しい。グラント警部の容姿風采が私の頭の中ではピーター・ダイヤモンド警視になってしまうのですがグラントさんの方がだいぶ若いはずだよね。あと、「今話題になってるエドワードってどいつだ?」という状態が頻繁に起きました・・・。

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