ジェラール・ノワリエル

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ショコラ 歴史から消し去られたある黒人芸人の数奇な生涯

ジェラール・ノワリエル

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784797673371
ISBN 10 : 4797673370
フォーマット
発行年月
2017年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
571p;20

内容詳細

舞台は、まだ人種差別などあたりまえだった19世紀末のヨーロッパ。キューバの黒人奴隷ラファエルは、現地の白人の使用人としてパリにたどり着くが、不思議な縁で、当代きっての人気サーカス、ヌーヴォー・シルクに雇われる。だがそれは、白人道化師の「珍しい生き物」の相方として、人々の笑いの種に絶好という妙案からだった。チョコレートと同じ肌の色から、つけられた芸名は「ショコラ」。
しかし、彼の努力とその才能に気づいた天才舞台監督、才気あふれる相棒道化師フティットの助けもあり、ショコラの人気は急上昇していった。そしてついに主役に抜擢されるや、見事に成功を収め、当時、世界の文化の中心地といわれたパリで、当代切っての道化師とまで評されるようになった。その人気は衰えを見せず、やがてラファエルは、自分は芸だけでなく、「人間」としても評価され、ついに白人と同じ「自由」を得たと思ったのだが……。

著者はフランス社会科学高等研究院の歴史学教授で、ヨーロッパにおける移民問題の権威。わずかに残る事実の痕跡を丹念に拾い集め、私たちのこころに潜む、原罪ともいえる冷酷な「差別意識」をあばきながら、ついに「人間」として扱われることなく、歴史からも消し去られた一黒人の数奇な生涯を描き切った感動の大著!
本国フランスでは、刊行後、アマゾン(フランス)の上位をキープしてベストセラーに。同時に、本書を原案として、注目の人気俳優オマール・シーを主演に映画化される。その大ヒットを受け、日本でも2017年の1月下旬に公開が決定。

原題「CHOCOLAT, La véritable histoire d’un homme sans nom」(2016)

【著者略歴】
ジェラール・ノワリエル( Gérard Noiriel )
1950年生まれ。現在、フランス社会科学高等研究院教授。フランスにおける移民史研究のパイオニア的存在であり、著書『歴史学の<危機>』(木澤社、1997年)と『フランスという坩堝(るつぼ)』(法政大学出版会、2015年)は日本でも高い評価を受ける。2009年頃から道化師ショコラの研究を開始し、研究者と芸術家が協力して文化促進をめざす非営利団体DAJAを立ち上げる。ショコラに関する演劇型講演の企画や、演出家マルセル・ボゾネの舞台『ニグロ道化師ショコラ』の脚本執筆を手がけてきた。

【著者紹介】
ジェラール・ノワリエル : 1950年生まれ。現在、フランス社会科学高等研究院教授。フランスにおける移民史研究のパイオニア的存在であり、著書は日本でも高い評価を受ける。2009年頃から道化師ショコラの研究を開始し、研究者と芸術家が協力して文化促進をめざす非営利団体DAJAを立ち上げる。ショコラに関する演劇型講演の企画や、演出家マルセル・ボゾネの舞台『ニグロ道化師ショコラ』の脚本執筆を手がけてきた

舘葉月 : 1980年生まれ。フランス社会科学高等研究院博士(歴史学)。現在、日本学術振興会海外特別研究員として、ジュネーヴ大学で研究に従事。専門は、フランス近現代史、国際関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • しいたけ さん

    読みすすめることがこれ程辛い本はそうないだろう。黒人への人種差別や奴隷制度が当たり前の19世紀末。怒りがこみ上げる記述が続くが、どうしようもない。これが人間の歴史なのだ。奴隷から道化師としてのし上がった「ショコラ」。芸が笑われるのではない。人間もどきの生き物を、蔑み貶め笑い者にする。作者は差別的な呼び名ではなく、本名だと思われる「ラファエル」で丹念にその胸のうちを想像する。最後まで人として扱われず、忘れ去られる男の人生。そこに希望があり絶望があったことを、しっかりと覚えていたい。真の笑いだけを求めたい。

  • sasha さん

    歴史家って凄いわ。切れ切れの史料から一人の人間の人生を掘り起せるのだもの。19世紀末にパリの人々の間で人気を博した黒人の道化師「ショコラ」こと、キューバ・ハバナ生まれのラファエルの人生を丹念に再構築している。古い史料の差別的表現に憤ったり、出し物の内容を紹介する以外では一貫してラファエルと表記するところに好感が持てる。歴史家って名探偵でもなければならないんだなぁ。

  • takao さん

    ふむ

  • スターガール さん

    19世紀フランスの有名なサーカス団に所属し、道化師の役で一躍脚光を浴びた奴隷出身の黒人芸人ラファエルの物語。黒人が人間扱いされない当時社会のなかで、生きるために笑われる道を選んだラファエルのことを思うと本当に胸が苦しくなる。のちにコンビを組むことになるフティットでさえ、差別的な目を向けていた点も、問題の根深さを物語る。冒頭の「君が何について笑うかで、君が誰かが分かるだろう」という記述が頭から離れないが、読者としては第23章の出来事に救われ、著者のリサーチを通じてラファエルに出会えて良かったと思えた。

  • 辺野錠 さん

    映画には興味があったのだが上映が終わっていたのでこっちを読む。そんなに馴染みが無い国の埋もれた人の話なので興味深く読んだ。黒人をネタにしたギャグが平然と言われていたというのが今から見ると信じられない。その生涯を追う中でロートレックやチャップリンが少し出て来るのが微妙に伝奇風味。主人公のラファエル以外に当時のサーカス事情など周辺の事についても深く調べているという感じだったので映画ではどうまとめられているのか気になった。

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1950年生まれ。現在、フランス社会科学高等研究院教授。フランスにおける移民史研究のパイオニア的存在であり、著書は日本でも高い評価を受ける。2009年頃から道化師ショコラの研究を開始し、研究者と芸術家が協力して文化促進をめざす非営利団体DAJAを立ち上げる。ショコラに関する演劇型講演の企画や、演出家

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